日記・備考録
Diary/Memorandum

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2006/09/01〜

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2006/08/31

別にMisra&Engeを目の敵にしている訳では全然無いのだが、再度確認のためMisra&Engeに従ってrtkdemo.mの107行を以下の様に修正して実行してみた。(2005/04/02 2:00-4:00 GPST, 電子基準点 u=三浦2, r=三浦1, 基線長=3.3km)

107: h(n,1)=dot(e21-e22,rr1-rr2)+lam*N(n); H(n,[1:3,3+n])=[e11'-e12',lam];

FIX解は殆ど求まらないのでFLOAT解ホントはちゃんとMisraかEngeに間違いを指摘した方が良いと思うのだが英語でemail書くのはしんどいな。

J.Ray, revisions to clock RINEX format, IGSMAIL-5401, 30 Aug, 2006
RINEX CLK ver.3.0草稿。RINEX 3.0に整合性を取って、GaileoやSBAS対応, 衛星PCV, DCB, 衛星システム間バイアス等の取り扱いを検討している様だ。IGSプロダクトも色々な外部状況や技術進展に応じて解析戦略や仕様が変わっていくのは仕方ないとは思うが、長期地殻変動をGPSで解こうとしている人にとっては連続性が失われるので痛し痒しの部分も多い。

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2006/08/30

一応昨日書いた件の補足。以下の様なケースでMisra&Enge (6.12)式の近似が成り立たないことは自明である。従って(6.12)式は使ってはいけない。(厳密に言えば、u, rでほぼ同時受信した測位信号発信時の衛星位置が同一である保証もない) 正しい計算は幾何学距離を個々に計算し単に差を取ればよい。信号送信時の衛星位置計算は6/1 or 6/3の備考録参照。

秋の測地学会の申込期限が9/1なのだがネタが無い。水沢まで5時間はかかるので行くのも正直しんどい。今回はパスかなあという気持ちに傾きつつある。

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2006/08/29

EDITAGEから直ぐに見積。3700words。2日以内だとExpress charge 50%を入れて\41625。こんなもんが相場なのか。normal deadlineに変更して\27750で頼む。仕上がり予定9/1 23:30。

Misra&Engeの高精度測位の章を読んでいた学生から幾何学距離2重差の計算方法につき質問があったので確認。問題は衛星-受信機幾何学距離の1重差を計算する部分。(Misra, Enge, 精説GPS 基本概念・測位原理・信号と受信機, 6.3)

> rur = ru - rr = - 1r xur (6.12)
> ... 距離の一重差に対する上記の近似は ... 短基線長(例えば,10kmよりも短い)の条件に対して十分に良好な
> 精度を持っている。...

参考書を読む場合に正しい態度はちょっと引っかかったら本当かどうか自分自身で確認すること。結論から書くと以上の記述は間違っている。単純に各幾何学距離の差をとればいいのにと思うのだが、あえて間違った近似を行っている事を見ると、多分著者は自分でプログラムを書いて確認などしていないのだろう。なおこの部分は2nd ed.でもそのまま。本当に正しい態度はこのような参考書は窓から投げ捨てること。(追記: 問題は多いが受信機/信号の章は良くまとまっていると思うのでやっぱり拾てないことにした...)

国土地理院時報, 国土地理院
国土地理院時報 第107-109集がupされている。4月の時点では日本測量協会から購入が必要だった。どうせオンライン公開するなら出版、即公開すべきと思うのだが色々としがらみがあるのだろうか。

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2006/08/28

gt_support@gpspp....宛のスパムが届いた。Web頁のメールアドレスは全部画像に置き換えたはずなのだが。スパムメール屋のWeb頁解析エンジンは結構頭が良いようで、多分PDF内部まで解析しているのだろう。でも"年収1000万以上の生活をgt_support様にしていただきます。"とsubjectに書かれると少し笑ってしまう。

やっとHR-PPPによるスマトラ地震解析論文とりあえず完了。全く何ヶ月かかっているのだろう。まずはGeophysical Research Lettersに送ろうかと思うのでネットで検索した英文校正業者に校閲見積依頼。1語6.5円なので計\24,000位か。初めてで英文校閲にどれ位価値があるのかよく分からないがものは試し。rejectされずうまく採択されたとしても載るのは早くて来年になるだろう。

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2006/08/27

Webを巡っていてたまたま見つけた頁。河東泰之, セミナーの準備のしかたについて。しかし凄い。まともな研究者や学生はこうなのだろうか。自分自身を省みて最近の手抜き講義が恥ずかしい。

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2006/08/25

IAUで冥王星を惑星から外す決議がされたことが大きなニュースになっている。冥王星が無くなる訳でもないし人間が勝手に決める定義などどうでも良い気もする。GTに組み込まれたJPL DE405暦を使って惑星軌道を描いてみた(プログラム)。GT0.6.3には2000-2020年分の暦データしか入れていないので外側の惑星は一部しか描けない。理科年表で調べてみると冥王星の公転周期は248年もある様だ。

DE405の時刻系につききちんとした定義が見つからず以前はUTCをそのまま使っていた。色々調べるとTTを使うのが正しい様でこれを修正してGPS軌道決定精度が結構上がったといったこともあった。cm精度の軌道決定にはDE405ではそろそろ精度不足の様な気もするのだが新しい暦は作られないのだろうか。(補足: DE405の時刻系は厳密にはTDB(Barycentric dynamical time)を使うのが正しい。TDBは太陽系重心位置での時系、TT(Terrestrial Time)は地球重心位置での時系。TTとTDBの差は0.002s以下なのでGTでは無視している。TTとTDBの変換は例えばVallado 2nd ed. 3.5.4参照。 なおTT=TAI+32.184sの関係があるのでTDBとUTCとは60s以上もの差があるため高精度軌道決定では誤差が無視できない。8/25 19:01追加)

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2006/08/24

LAMBDA/MLAMBDA(Intel C/C++8.0+MKL7.2) 実行時間
(1) 結果 : Core 2 Duo E6600
(2) 結果 : Pentium 4 3.2GHz
P4と比較し1-2割しか改善していない。なお全てシングルスレッド。これを見る限りC2Dは細かい行列操作はそれ程速くない。

IGS 78局kinematic-PPP (Matlab6.5.1+GT0.6.3, 30s-24H, 3pass)実行時間
(1) 24m44s : Core 2 Duo E6600 (1 process)
(2) 13m32s+14m41s : Core 2 Duo E6600 (2 process)

(3) 43m30s : Pentium 4 3.2GHz
(2)は局を半分づつに分けて2プロセス同時実行した結果。PPPの場合は局毎独立に解析出来るので分割が容易。1プロセスでP4 3.2GHzの2倍近く、分割すれば3倍程度の性能は出るようでAP性能は概ね満足。次版GTには自動スレッド分割機能をつけよう。Core 2 Quad(?)が出たら買ってしまいそう。

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2006/08/23

Core 2 Duoが届いたのでセットアップ。OS再インストールは面倒なのでHDはそのまま、CPU+マザーだけ差し替えてドライバを再インストール。VGAドライバがうまく動かずまだ3面のうち1面しか使えないが早速ベンチ。
Super PI 104万桁 21秒。確かにπは速い。
matlabベンチ(matlab 6.5.1, E6600 2.4GHz, RAM 2GB)
>>bench
,a=rand(2000);b=rand(2000);tic;c=a*b;toc,tic;c=inv(a);toc
0.34 0.32 0.20 0.33 0.47 0.89
6.875 7.578

ちなみに P4 Prescott 3.2GHz及びP4 Northwood 3.2GHzの結果。
0.44 0.69 0.38 0.50 0.89 0.83
7.625 8.828
0.44 0.86 0.42 0.44 0.94 1.09
6.844 8.61

うーん微妙。FFTやODEはまあまあだが行列演算が速くない。ライブラリの最適化が合わないのかもしれない。明日はもう少し実用プログラムで評価してみよう。

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2006/08/22

D.A.Grejner-Brzezinska et al., An analysis of the effects of different network-based ionosphere estimation models on rover positioning accuracy, The 2004 International Symposium on GNSS/GPS
電離層遅延推定値の精度評価。AR後の二重差(DD)幾何学フリー線形結合(GF)搬送波位相観測値を真の(スラント)電離層遅延と仮定して精度評価している。評価対象は(1)基準局網のDD電離層遅延の補間、(2)ゼロ差スムージング擬似距離GF+DCB、(3)IGS TEC、(4)シングルレイヤTECモデル(推定)、(4)トモグラフィTECモデル(推定)。トモグラフィTECはMAGICと呼ぶTEC鉛直分布を経験的直交関数で展開する方式。評価の結果(2)が良く100km基線で1σ=1-6cmとしており、この方式による補正で瞬時AR可能としている。(2)の場合うまくいくかはコードマルチパスのバイアス成分の大きさがキーになるが、今までの経験では固定局でも10-30cm程度になることが多く、少し結果が良すぎる気もする。ただこの手の精度をある程度系統だって評価した結果はなかなかないので貴重な研究だとは思う。

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2006/08/18

スパムメール対策でWeb頁上のEmailアドレスを画像に置き換え。今更遅いかもしれないという気もするが、ttaka@gpspp....で届く迷惑メールが多すぎるので。

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2006/08/17

配列とポインタの完全制覇
C言語のポインタは分かりやすく説明するのは難しいのだが、よくまとまっている解説。配列名に&をつけて配列アドレスを取れることを初めて知った。関数ポインタに関する言語仕様上の妙な点についても丁寧に触れている。使いこなしているつもりでも知らない事はまだまだ多い。

ところでC99の可変長配列とLAPACK/BLAS(+ラッパ)を使って、行列計算プログラム中でなんとか綺麗に行列要素参照をA[i][j]と書きたいのだが、かなり難しい。row-major/column-majorの問題や転置引数のない関数対応等、結局苦労する割にあんまりうまく書けるわけでもない。windowsで使う人の多いVSではC99はコンパイルが通らないという問題もあり、可搬性も考えると結局C(89)でA[i+j*n]と書くのが一番現実的と言う結論になる。でも今更なんだなーとは思う。いっそのことFortran90/95に行くかとも思うが(今のところ)Fortran90/95は誰でも使えるフリーの良いコンパイラがない。(Intel Fortranは持ってるが)

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2006/08/16

休み終わり。頭の復帰に時間がかかっているがやることが山積している。さて何からこなすか。

I.Kashani et al., Toward Instantaneous Network-Based Real-Time Kinematic GPS over 100 km Distance, Navigation Vol.52, No.4, 2006
ION論文誌最新号から。100km超基線でのネットワークRTK。100km基線長の基準局網で電離層/対流圏補正情報を作り、100km基線で精度評価している。ARはLAMBDA。30s遅れ補正情報で瞬時AR成功率100%、60s遅れ補正情報で93-100%としている。オハイオ州立大MPGPSに実装。水平精度(STD)で1cmを切っているが精度/AR率とも少し良すぎる気がする。これは電離層/対流圏の条件が良いのかもしれない。ただこの手の論文の精度評価は多くの場合サンプル数が少なすぎてそれほど信頼できるわけではない。瞬時AR可能な長基線ネットワークRTKの実用性が上がれば精密測位の応用が広がるので今後navigation用として普及する可能性もある。

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2006/08/10-15

夏休み(その2)。(山。雷に遭遇、必死で逃げた)

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2006/08/09

色々と疲れが出たのか夏風邪っぽい。喉と頭が痛い。1日休養。

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2006/08/07

12th IAIN World Congress 2006 International Symposium on GPS/GNSS, ICC Jeju, Korea, 2006/10/18-20
今年は韓国済州島で開催されるGPS/GNSS国際シンポジウム。暫定プログラムがupされている。日本からの発表も結構多い。頑張ってほしい。

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2006/08/04-6

夏休み(その1)。(海。久しぶりに渋滞に嵌った)

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2006/08/03

IMA "HOT TOPICS" Workshop: Mathmatical Challenges in Global Positioning Systems (GPS), IMA, 2000
IMA(Insttitute for Mathematics and its Applications)が2000/8に開催したGPSに関する数学的問題にフォーカスしたWS。ちゃんとしたproceedingsはないが幾つかの発表資料がupされている。参加者の中には割と有名なGPS研究者の名前が見える。

田所 他, 音響測距-GPSリンクによる海底地殻変動観測システムの開発, 地学雑誌, Vol.110, 2001
先日名大セミナーに参加させていただいた際にお聞きした海底地殻変動観測。観測船位置決定にキネマティックGPSを使っておりこの精度が全体精度を規定している様だ。従来は普通の長基線相対測位を使っていたが基線を組む必要のないPPPに興味を持って頂いた。キネマティックPPPはまだ未熟な点も多いのでうまくハマる応用であれば良いのだが。

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2006/08/02

日本測地学会第106回講演会, 奥州市文化会館, 2006/10/18-20
講演申込9/1、講演要旨9/8締め切り。忘れないように張っておく。

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2006/08/01

サイバネットからMatlab保守サービス料の回答。2005/2-2007/1(24ヶ月)+再加入:133,200+17,850=\151,050也。
結構かかるが必要なので購入予定。機能や価値を考えれば決して高いと思わないが、フリーのソフトが増えすぎてソフトの価格に関しては少し感覚がおかしくなっている。あと企業戦略だからどうのこうの言える立場にないが、アカデミックライセンスと言うのも本当はおかしな価格体系ではある。

ちょっと気分を変えるため、トップ頁更新。

COSMIC Current Status, CDDAC, The COSMIC Data Analysis and Archival Center
COSMICのデータが利用可能になった通知(7/28)。データ利用ユーザとして登録していたらメールで通知があった。2500 sounding/日を目標にしているらしい。COSMICが上がって掩蔽観測に関する研究が進むと思うが掩蔽データ解析に使われる標準的な解析ソフトというのは存在するのだろうか。

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〜2006/07/31


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