GT PPPの精度評価のため、2004年1年分の国土地理院電子基準点の位置をStatic PPPを使って求めた。位置推定値のITRF2000座標系に対するGlobal Offsetを補正するため、日毎のIGS基準座標局Static PPP結果から求めた係数を使ってHelmert変換により座標変換補正を行っている。主な推定条件を表に、日毎の観測局位置推定値を表に示す。

局毎位置推定値の水平/垂直Repeatabilityを図に、時間変動を図に示す。位置推定値のトレンド除去後Daily Repeatabilityは以下の通りであった。なおアンテナ交換, 地震等による位置変動が認められる局も特に除外していない。

次に位置推定値の絶対値評価のため日毎の推定値を国土地理院F2解と比較した。国土地理院F2解では電子基準点の1局を固定点としてBerneseによる相対測位で日毎にITRF2000に準拠した座標を求めている。^[1] 比較の結果を図に示す。GTによる位置推定値と国土地理院F2解の間には明らかな系統誤差が認められる。詳細は不明だが系統誤差の原因としては以下が考えられる。
・F2解における基準固定点の位置変動
・F2解における相対測位誤差の解析クラスタ間累積
・アンテナPCVモデル差

なお本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました。

参考文献
[1] 測地観測センター, 電子基準点1,200点の全国整備について, 国土地理院時報, 103集, 2004

推定条件
Estimation Parameters

・Analysis Software : GT0.5.6
・Estimation Span : 2004/01/01-12/31
・Estimation Interval : 300sec
・Estimation Unit Time : 24H
・Estimation Pass : 2pass(Forward/Backward)+Smoothing
・Estimation Strategy : PPP
・Station Position Model : Static
・Fixed Parametes : Orbit/Clock IGS Final, ERP IGS Final
・Estimated Parameters : Sta Position, Sta Clock, Tropos ZTD/Gradients
・Min Elevation : 10deg
・Tropospheric Model : Saastamoinen
・Tropospheric Mapping Function : NMF
・Tropospheric Gradient Model : Linear
・Ocean Loading : GOTIC2(NAO99.b)
・Receiver Antenna PCV : igs_01.pcv
・Helmert Transformation Correction : on

観測局位置推定値 (SINEX)
Estimated Station Position (SINEX)

Ｒev.A : Helmert変換補正後の座標値に更新 (2005/10/05)

(YYDD=2004/YY/DD)

観測局位置水平/垂直Repeatability
Estimated Station Position Horizontal/Vertical Repeatability

サマリー Summary | 観測局名一覧 by station name

(トレンド除去後座標, Position without Linear Trend)

観測局位置時間変動
Estimated Station Position Time Variation

観測局名一覧 by station name | 水平変動(2004/1/1→12/31) | 垂直変動(2004/1/1→12/31)