日記・備考録
Diary/Memorandum

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2005/12/01〜

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2005/11/30

一日外出。色々な理由から今後の研究開発のテーマを見直すことにした。まずはサーベイ、年末までに方向付け。

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2005/11/29

論文、その他リンク
松永他, 日本周辺におけるGPS信号の電離層シンチレーションの観測と解析, 電子航法研究所報告 No.111, 2004
K.M.Groves et al., A Comparison of GPS Performance in a Scintillation Environment at Ascension Island, ION GSP 2000

電離層シンチレーションに関する研究。シンチレーションは電離層の電子密度不規則構造により信号強度と位相の両者に時間間隔の短い変動が発生する現象。太陽活動活発期、低磁気緯度地方、日没後に発生することが多いらしい。GPS測位においては電離層遅延変動、雑音レベルの増大やサイクルスリップ増加による測位精度悪化の影響を与える。実際の観測データを見ると高緯度観測局では定常的に電離層遅延変動が大きい局があり低緯度観測局では通常は細かい変動は少ない。LG線形結合やRINEX観測データに含まれる信号強度測定値を使うとシンチレーション判定が出来るはずでこれを使って推定条件をadaptiveに変更すると測位精度向上に結び付けられるかもしれない。

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2005/11/28

シコシコとコーディング。久しぶりにCのコードを0から書いたのでmakefileの書き方も忘れている。

RINEX2.10の仕様書を再度読んでいたら以下の様な記述を発見。(3. DEFINITION OF THE OBSERVABLES)

If the receiver or the converter software adjusts the measurements using the real-time-derived receiver clock offsets dT(r), the consistency of the 3 quantities phase / pseudo-range / epoch must be maintained, i.e. the receiver clock correction should be applied to all 3 observables:
Time(corr) = Time(r) - dT(r)
PR(corr) = PR(r) - dT(r)*c
phase(corr) = phase(r) - dT(r)*freq

以上を読む限りSteered Clock受信機の時計飛び補正で時刻タグと擬似距離測定値を操作する場合、同時に搬送波位相測定値も操作しないとRINEX仕様逸脱になる気がする。大部分の電子基準点と一部IGS局の観測データがこれに当てはまる。多分多くの解析ソフトは問題なく処理できるのだろうけれども。逆に言えば時計飛び補正に伴い位相測定値に飛びを起こす観測データ(こっちが仕様上正しい)がある可能性がある(まだ見たことはないけれど)。この場合サイクルスリップと誤判定されて測位精度が落ちてしまう。どうもClock Steeringの観測データ上の扱いは全般的に曖昧な点が多い。

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2005/11/27

新プロジェクト開始。年末までにとりあえず動くところまでは行きたい。しかしコードを書くのは楽しい。

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2005/11/26

松浦晋也のL/D,「はやぶさリンク」: 成功, おめでとうございます。朝からJAXAストリーミング中継見てて少し興奮。関係者がちょっと羨ましい。

論文、その他リンク
西村他, GPS可降水量のラジオゾンデによる再検証, 天気 50巻12号, pp.909-917, 2003
GEONET54観測点GPS-PWVとゾンデPWVの比較RMS誤差2.3mm (2000/1-2000/12)。GIPSY-PPP解。NMF+海洋加重(GOTIC2)+遅延勾配推定等, GT-PPPによるGPS-PWVと条件が良く似ている。異なる点は地上気圧や加重平均気温をゾンデ観測値を使って求めている点くらい。結局ちゃんとやればこの程度の精度は出るということ。GIPSYに勝てるとは思っていないがちょっとつまらない結果ではある。しかしGT-PPP父島のPWVオフセットが大きいのは原因をキチンと解析した方が良いかもしれない。

The ION "Red Book" CD-ROM, Volumes 1-6, Global Positioning System, GPS and Its Augmentation Systems, The Institute of Navigation, 2002
ION論文集CD-ROM届く。皆少し古い論文だが特にRAIMに関する資料がなかなか見つからずVol.V, RAIMを読みたかったので注文。メンバ$120也。

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2005/11/25

GPSによる可降水量分布推定 更新。PWV推定値、高時間分解能(5min)PWV Mapアニメ等追加。ひとまずこれでPWVはお終い。

論文、その他リンク
M.Ishihara, GPS Meteorology at Japan Meteorological Agency, CIMO Expert Team on Remote Sensing Upper-Air Technology and Techniques, 2005
気象庁GPS気象学研究の状況報告。後処理GPS-PWVのゾンデPWV比較RMS誤差で2.32mm(1999/6-2000/5)とある。精度はGT-PPPによるGPS-PWVとほぼ同じ。やはりリアルタイムや準リアルタイムでこの程度の精度が出ないと競争力はない。大変だけれどリアルタイム/準リアルタイムでGPS軌道/時計の精度を出さないとPPP応用は限られてしまう。先は長い。

精密測位の理論と解析手法で書いたモデルにミス発覚。(意図的なものも含め)現在気付いているミスはいくつかあるので何処かで修正予定。気付いていないミスもあるかもしれないので気付かれた方はご指摘頂くと有り難いです。

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2005/11/24

地図マスク生成アルゴリズム覚え書き ()
(1) 下辺補助海岸線を地図に追加
(2) 海岸線y座標最小点から下に垂線を下ろし最初にぶつかった他の海岸線と併合
(3) (2)を全ての海岸線について繰り返す。
(4) 以上で全海岸線が繋がるので後は右上左辺を追加。

可降水量分布マップの表示カラーが不正となるバグ発見。バグ修正。

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2005/11/23

やっと上手く描けたGPS-PWV MAP。実は一番大変なのは海域を白く抜くところだったりする。(描画プログラム) (11/24 表示カラーバグ有版)


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2005/11/22

GT-PPP PWV (940001 稚内) - Sonde PWV (47401 稚内) 2004/1/1-12/31比較。気圧/気温は気象庁GPV MSMから。加重平均気温は地表気温から簡易式で算出。


(本解析には国土地理院電子基準点データ、気象庁観測データを使用しました)

可降水量(PWV)算出覚え書き (11/23 GPSによる可降水量分布に移動)

GPSによる可降水量分布推定 追加。

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2005/11/21

GPS/GNSSシンポチュートリアル発表資料 追加。

Amazonで届いた専門書
G.Xu, GPS Theory, Algorithms and Applications, Springer, 2003
GPS精密測位全般の教科書。突っ込みが足らないしモデルも少し古い。7.7.3 Robust Kalman Filterの手法は初めて知った。筆者はGFZの研究者の様。

論文、その他リンク
R.Ohtani et al., Comparisons of GPS-derived precipitable water vapors with radiosonde obervations in Japan, J.Geophy.Res, Vol.105, No.D22, pp.26917-26930, 2000
PWV解析の参考に購入$9。GSIルーチン解析によるPWVとラジオゾンデPWV比較。RMS誤差3.7mm。GIPSY PPP PWV比較もしている。GPS-PWVには数mmの系統バイアスが見られ、海洋荷重潮汐、マッピング関数季節変動の影響でないかとしている。

H.Takiguchi et al., GPS observations in Thailand for hydrological applications, Earth Planets and Space, Vol.52, No.11, pp.913-919, 2000
アジアモンスーン域のタイにおけるGIPSY GPS-PWVとSonde-PWV比較。RMS誤差8.7mm。品質の悪いゾンデを除外し線形補間を入れることにより5mm精度が改善されたとしている。

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2005/11/20

休養。と言いながら次の構想を机の前で考える。
高時間分解能衛星時計推定アルゴリズムのいいアイデアが浮かんだが内容は秘密。IGS品質の高時間分解能時計が得られる様になるとKinematic PPPの応用範囲がぐっと広がるので次の研究テーマ候補の一つ。

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2005/11/19

一連の発表も終わったので当分休養。と言いながら次の構想を練っていたりする。

論文、その他リンク
GPS/MET JAPANホームページ, GPS/MET JAPANプロジェクト
ずっと積み残しになっているGPS可降水量解析のため。次に行くためさっと終わらしてしまおう。2004年分電子基準点 GT PPP-ZTDはもう出ているので後はPWV変換、ゾンデ比較評価、可視化。

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2005/11/18

昨日発表で出た軌道決定に関する質問回答の補足(続き)
(5)準天頂衛星(QZS)またはGEO衛星軌道決定精度予測
軌道決定精度はほぼ観測誤差、観測局geometry、運動モデル精度で決まります。QZSがGPSと同じ様な測位信号を使うとすれば観測誤差はGPSとほぼ同等と考えられますが、より高高度なので所謂(逆)DOPがGPSより悪くなります。また運動モデル誤差としては太陽輻射圧(SRP)モデル誤差が支配的です。GPSにおいてもSRPモデルに依存して軌道精度が大きく変わります。現在高精度GPS軌道決定で使われているSRPモデルは長期の観測データの精密観測から開発された経験的なモデルでこのレベルのモデルをQZS運用開始後すぐに使用できるとは思えません。またQZSは大型アンテナを持っていたり複雑な形状をしているのでSRPモデル高精度化はGPSに比較してより難しいと思います。以上を総合すると運用開始当初で20cm、2-3年後で10cm位が精度目標になると思います。QZSでは衛星間測距装置やSLRの利用も検討されているようですがそれほど大きな精度改善には結びつかないのではないかと思います。(衛星間測距は相手位置精度に依存、SLR精度は搬送波位相観測精度と大差ない)。いずれにしても衛星固有の高精度SRPモデルの開発がkeyとなると思います。(以上すべて後処理解析精度の話、リアルタイム精度は当然もっと落ちる)
(6)LEO衛星軌道決定
GRACE軌道決定評価結果は純Kinematic PPPで運動モデルは全く入れていません。最初は運動モデルを入れないと精度が出ないと思ってAir Dragモデル導入を予定していたのですが案外簡単に精度が出てしまったので結局GTにAir Dragモデルは入っていません。GPS受信機搭載LEO衛星軌道決定には各種の手法がありトレードオフのあるところです。Kinematic PPPは手軽に精度が出て有望だと思いますが幾つか気をつける点があります。まず精密暦時計間隔5分より細かい時間間隔の測位は補間誤差のため精度が悪化します。LEO衛星は超高速移動体なのでサイクルスリップが無くても1アーク30分程度となります。1アークに含まれる5分間隔データは4-5点しかなくそれだけで位相バイアスも決定しなければいけません。未知パラメータ数と観測データ数を比較してみればわかる様に条件は良くないためサイクルスリップはすぐ精度を悪化させます。一般に使える30秒時計としてJPL,CODEがありますがIGSに比較し品質が落ちます。またIGS精密暦は測位解の水平RMS誤差で1cmを切る程度の品質を持っていますがたまにday boundary付近で精度が落ちる場合があります。これは補間誤差の問題かもしれません。以上より一般的には運動モデルを使ってスムージングをかける、いわゆるReduced-Dynamic法の方が長期の精度安定性の面では有利だと思います。あと注意としてGRACE LEVEL 1Bに含まれるJPL軌道決定結果の衛星位置は誤差を含んだ受信機時計に同期した値である可能性が高いので運動モデルを使った軌道決定結果を比較する場合はその補正が必要になるはずです。

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富士通近藤氏の発表を聞いて気付いたのだがphase wind-upの発音は"ワインドアップ"が正しいのだろう。何で"風"なのかよく意味が分からなかったのだが"ワインドアップ"なら意味が通じる。

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2005/11/17

GPS/GNSSシンポジウム2005 発表
演題 : 測位衛星用高精度軌道・時計決定ソフトウェアの開発、内容は宇科連と同じ。23:30帰宅。

発表で出た軌道決定に関する質問回答の補足
(1)BlockIIR衛星の軌道決定
解析結果の"GPSnn"はPRNnnの意味でありSVNnnの意味ではありません。従って2004/10時点ではGPS11, 13, 14, 16, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 28がBlock IIRであり全て軌道決定を行っています。
(2)CODE RPRモデルのBlock IIRへの適用について
確かにCODE原論文ではBlock II/IIA用であると注釈がついています。ただしGTでは係数D0,Y0,B0,Z0は未知パラメータとして推定していますのでほぼ精度劣化なくそのまま使えるようです。固定係数は推定し直した方がbetterだと思いますがそこまでは余裕がないのでやっていません。GT運動モデルソースを期間限定で一部公開(1,2,3,4)しますので参考にしてください。
(11/22公開終了。必要な方は個別に問い合わせ下さい)
(3)empirical accelarationまたはpseudo stochastic pulseについて
通常batch adjustmentにより軌道をfittingする場合はモデル誤差を吸収するために入れることが多いようです。GTはEKFなのでモデル誤差はプロセスノイズとして導入されます。ノイズ値は推定を行ってみて最適値を決めています。実際に推定に使用した値についてはparameter estimatorのログをご覧下さい。
(4)食の取扱い
食の取扱いは大変難しく軌道精度劣化の大きな要因です。GPS week 1291は食条件が大変良い週でその点で公平な評価では無いかもしれません。現在GTで行っている食の対応は以下の通りですがまだ十分ではなく今後改良の余地が有ると認識しています。11/15でのリンクのように一部IGS解析センタではyaw rate推定を行っているようですがGTではまだ導入していません。
(a)SRP加速度に(1-shadow factor)を掛ける。
(b)post-eclipse maneuver時のプロセスノイズを指定factor倍する。
(c)eclipse及びpost-eclipse maneuver時の観測ノイズを指定factor倍する。
(b)は食後30分程度は太陽補足のため姿勢が乱れるのでSRPモデル誤差が大きくなる対応です。(c)は食及び食後は主にphase wind-upによる大きな観測誤差が載るため観測データのweightを下げるため行っています。使用したfactor値はログをご覧下さい。
あと可変ステップのintegratorを使う場合は食を飛ばしてしまうことがあるので食入・食出を境界条件に区間分割した方が良いと思います。GTは固定ステップintegratorなので特に何も考慮していません。

発表ではなくて本サイトに掲載されている詳細内容についてのご質問、ご指摘であれば、できればメール等で直接問い合わせ頂けると有り難いです。

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2005/11/16

GPS/GNSSシンポジウム2005 発表
演題 : 搬送波位相測定値による精密測位の理論及び解析処理

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2005/11/15

論文、その他リンク
Y.E.Bar-Sever, New GPS attitude model, IGSMAIL-0591, 9 May, 1994
食期間におけるGPS軌道精度劣化がyaw attitudeのmismodelingに起因するとして新しいGPS attitudeモデルを提案している。現在のJPL解析にはこれらのモデルが編入されていると思うが、JPL軌道はBlock IIR衛星の精度が悪いのでBlock IIRにはあまり上手く当てはまらないのかもしれない。

GTによる食期間における軌道推定例(PRN07 2004/10/26, 事後残差, 食期間, 推定誤差)。これだけ残差が大きいと精度はなかなか出ない。食と食の中間で残差が大きくなっているのは"noon-turn"の影響だろうか。

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2005/11/14

GPS/GNSSシンポ発表資料作成。
裏でGPS衛星軌道決定予備評価。宇科連でも質問があったので1年程度の長期精度評価のため。長期では衛星が切り替わったり食期間に入ったりして安定して精度を出すのは大変。局選定やパラメータチューニングをやり直す必要があるだろう。
とりあえずパラメータを変えずに2ヶ月程流した例(PRN20 2004/10/3-12/2)。11/12-13だけ極端に精度が落ちている。原因は衛星にモデル化されない擾乱が加わったのか。観測局数が少ないとこの手の擾乱に弱い。あと現行GTは食の取扱いが甘い。食期間に精度が落ちる例(PRN07 2004/10/3-12/2、食期間10/14-11/11)。この辺の長期精度を改善するためにはモデル改良が必要になるかもしれない。

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2005/11/13

一日休養。

松浦晋也のL/D, 宇宙開発に造詣の深いライター松浦晋也氏BLOG。はやぶさの情報に詳しい。ミネルバの投下失敗は残念だが、運用している人達はとても楽しそうだ。

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2005/11/12

一日休養。回りはすっかり秋らしくなってきた。

希望を失った宇宙ステーション日本モジュール「きぼう」第1回 打ち上げはスペースシャトルの運行回数次第, nikkeibp ビジネススタイル, 2005
測位と関係ない宇宙開発の話題。JEM開発初期に関わっていた人間として複雑な思い。もう開発開始から20年になる。早く決着をつけてほしい。

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2005/11/11

第49回宇宙科学技術連合講演会 at 広島
測位衛星用高精度軌道・時計決定ソフトウェアの開発 発表。

広島→(のぞみ20)→名古屋→(しなの23)→塩尻→小淵沢。21:30帰宅。

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2005/11/10

第49回宇宙科学技術連合講演会 at 広島

的川泰宣, ペンシルロケット物語 日本の宇宙開発の黎明期, JAXA, 2005
的川先生の講演に力を貰う。これを聞けただけではるばる広島まで来た甲斐があった。

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2005/11/09

小淵沢→塩尻→(しなの6)→名古屋→(のぞみ15)→広島。

第49回宇宙科学技術連合講演会 at 広島

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2005/11/08

GPS/GNSSシンポ発表資料。ここの所文書ばっかりでいい加減嫌になってきたので気晴らしに少しコードを書く。

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2005/11/07

論文、その他リンク
J.Ray, OTL routine available for testing, IGSMAIL-5238, 24 Oct., 2005

IERS Conventions 2003の海洋荷重モデルには実装上の多数の曖昧点がある。ということでUCSD D.Agnewが標準的なルーチン提供を始めたので評価してほしいとのこと。確かに海洋荷重の実装は難解でGTでの実装もあまり自信がない。余裕が出来たら評価してみよう。

G.Gendt, GPS IIR-M parameters, IGSMAIL-5223, 5 Oct., 2005
9月末に上がったBlock IIR-M PRN17のアンテナ位相中心オフセット。IGS標準 Block IIR値と僅かな差しかないので従来の標準値を使うようにとのことだが、z=-10cmで僅かとは言えない様な気がする。

J.Ray, new routine for high-frequency nutation in polar motion, IGSMAIL-5211, 16 Sep., 2005
IERS Conventions 2003, 5.4.2 high-frequency nutaion in polar motionモデル用ルーチンがIERSのサイトから利用可能になったのこと。この効果はdX,dYのRMSで17mas程度でIGS ERPの極運動の公称精度に比較し無視できないとしている。

K.Seidelmann, UTC redefinition or change, IGSMAIL-5192, 23 Aug., 2005
どうもITUで行われているUTCの再定義の議論の状況報告みたいだが長すぎるのでパス。いくつか重要そうなリンクが張られている。

G.Gendt, Participation in planned IGS Reanalysis, IGSMAIL-5175, 8 Jul., 2005
IGSで計画されている1994からの全GPSデータ再解析の呼びかけ。新しいアンテナモデルを使って今年末から1年くらいかけて実施する予定とのこと。

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2005/11/06

出張用資料整理。後は一日休養。

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2005/11/05

搬送波位相測定値による精密測位の理論及び解析処理 (Web版) 追加。

論文、その他リンク
細川, 時間・周波数における相対論効果, 通信総合研究所季報 Vol.49, Nos.1/2, 2003
ここでは回転座標系で(見かけの)光速度が変わる効果をサニャック効果と呼んでいる。AshbyはGPSにおける回転座標系での光速度変化は"Sagnac-like effect"であると書いていた。まあ相対論だと難解に聞こえるので下手に持ち出さないほうが理解は容易ではある。

後藤他, GPSコモンビュー法, 通信総合研究所季報 Vol.49, Nos.1/2, 2003
GPSコモンビューによる時刻同期技術の紹介。CODE GIMが0.7TECUの精度があるとの記述がある。IGS TECの公称精度は2-8TECUであり差が大きい。これは観測局の位置に依存するのかもしれない。二周波搬送波位相を使えばこれらの精度評価は簡単なのでそのうちやってみようか。

検索頁 追加。とりあえずGoogleで。これで過去の備考録検索が少し楽になるか。

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2005/11/04

Amazonで届いた専門書。
G.Beutler, Methods of Celestial Mechanics I: Physical, Mathematical, and Numerical Principles, Springer, 2005
Beutlerの衛星軌道運動理論第1部。軌道伝搬に使われる数値積分について詳しい。

宇科連発表資料、完。全40頁。後はGPS/GNSSシンポ用発表資料。文書は早く終わらせてコードを書きたい。

測位衛星用高精度軌道・時計決定ソフトウェアの開発, 第49回宇宙科学技術連合講演会(発表資料) up。GT宣伝資料。

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2005/11/03

論文、その他リンク
G.Blewitt, An automatic editing algorithm for GPS data, Geophys. Res. Lett., Vol.17, No.3, pp.199-202, 1990

サイクルスリップ編集に関する古典的論文。古すぎてオンラインで閲覧・購入できないので実を言うとオリジナルを読んだことがない。多くの解析ソフトのサイクルスリップ編集はこれの亜流。GTもアレンジしているが基本はこれ。15年前のテクニックが今だに主流というのも何だとは思う。リアルタイム及び1周波対応のサイクルスリップ編集テクニックってどこかに無いかな。

T.Bae et al., Data Screening and Quality Analysis for Kinmematic Orbit Determination of CHAMP Satellite, ION NTM, 2002
CHAMP PODにおけるサイクルスリップ編集。PODは地上局との3重差キネマティック。精度3D RMS 15-25cm。その他オハイオ州立大SPIN(Satellite Positioning and Inertial Navigation) Lab。LEO POD関係が多い。そういえばCHAMPのデータはダウンロードして少しだけ評価したのだがGRACEに比べデータ品質が悪く精度が出ないので放っておいたままになっている。せっかくデータにアクセスできるようになったのでそのうちちゃんと評価したい。

上の資料でPOD計算時間2Hで速いと書いてあるがPPPならもっと速い。GT PPPは5分間隔24Hで30秒、30秒間隔でも5分。二重差や三重差は地上観測データが必要で面倒だし遅い。やはりLEO衛星PODにはPPPが圧倒的に有利だと思う。でも今はIGS品質の30秒時計が無いのがネック。これはキネマティックPPPでは避けて通れない話なので今後の研究テーマとして面白い。

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2005/11/02

論文、その他リンク
B.W.Tolman et al., The GPS Toolkit - Open Source GPS Software, ION GNSS, 2004
テキサス大オースチンで開発されたGPSTkと呼ぶGPS解析用オープンソースライブラリ。言語はC++、STL使用。行列演算、対流圏モデル、サイクルスリップ編集、最小二乗、各種ユーティリティ等が含まれている。Octave Bindingもある。Downloadサイトはここ。ちゃんと調べてないが完成度がまだ低いようだ。

J.Barnes et al., OpenSourceGPS A starting point for learning about GPS with Open Source Software
オープンソースのGPSソフトウェア受信機プロジェクト。RF,受信回路は市販品を改造しているようだ。

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2005/11/01

時計の定義がまだ整理できない。精密測位で使われる時計が衛星搭載時計や受信機時計そのものではない色々なオフセットを含んだペーパー時計であることは間違いない。しかし回路遅延、マルチパス、局発位相が複雑に絡むのでその定義は難しい。先にupした解説論文でも時計に関してはかなり誤魔化しがある。誤魔化しが分かった人は自分でキチンとものを考える人だと思うが世の中そういう人が少ないのは困ったことだ。

PPP覚え書き 軌道補間(2), 時計の定義(1) 追加。

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11月予定

2005/11/04 GPS/GNSSシンポジウム2005講演原稿〆切
2005/11/09-11/11 第49回宇宙科学技術連合講演会 at 広島
2005/11/16-11/18 GPS/GNSSシンポジウム2005 at 東京海洋大 越中島

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〜2005/10/31


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