日記・備考録 |
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AeroAntenna AT575とNovAtel GPS-702の比較。受信機は両方ともNovAtel OEM-V。結構アンテナの差は大きいなあという感じである。AT575で信号レベルが4-8dB落ちるのはLNA性能が悪いせいなのだろうか。精密測位用アンテナもL1のみならそんなに高くない (例えばGPS-701は$595) ので性能差を考えるとコストパフォーマンスは悪くないかもしれない。
マルチパス(P1-L1) | 位相雑音(L1-TD) | 信号強度(C/N0) | |
AT575 | |||
GPS-702 |
補足: L1-TDはL1搬送波位相観測値のepoch間3重差(2階差分)。単位はcycle。1Hz静止点であれば位相観測値から幾何学距離、対流圏、電離層、衛星時計、受信機時計、位相バイアスをほぼキャンセルできる。残っているのは受信機雑音(x2倍)と高周波(phase)マルチパス(x2倍)。実は低周波の(phase)マルチパスも落ちてしまう。でもphaseマルチパスを観測値からキチンと推定するのは結構大変なので簡易に傾向を見るにはL1-TDは良い指標だと思う。23:37追記
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さて3件目納品完。でもやるべきことはまだまだスタックしている。
屋根上アンテナの選手交代。今度はAeroAntenna AT575という、NovAtel Super Star IIを買ったとき一緒に買ったアンテナ。確か$200位したはず。でも両面テープ設置はマルチパスにはあんまり良くない気はする。
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GPS SVN23/PRN32が2008/2/26 18:01UTCにusableに設定された (NANU2008024) (ZULUは海軍/航空用語でGMT/UTCと同義)。ウチでも20:00GPST過ぎのパスで確認。古い受信機の中にはちゃんと追尾できないものや誤動作を起こすものが有るかもしれない。MSASが2008/2/26 10:00〜23:00GPSTにかけて順次止まっているがこれはPRN32対応と関係あるのだろうか。
GPS World, 32 GPS Satellites: Today is the day, 26 Feb 2008
GPS Worldにも記事が載ったがPRN7が運用を止めているのでまだ32衛星にはならない。
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IMU (ADIS16354) の性能が出ない。例えば以下の様。これは静止状態に置いたIMUを自動バイアス補正コマンドで初期化した後の角度レート計測値を時間積分したもの。60秒で6度もドリフトしている。工場補正値ではもっとドリフトする。IMU性能はなかなか表現が難しいのだが、例えばAngular Random Walkがカタログスペックで 4.2°/sqrt(hr) であり、もう少し良くても良い気がする。これは元々MEMSジャイロではこの程度なのか、あるいは使い方が悪いのか。この性能ではバイアスをカルマンフィルタで推定したとしてもRTK-GPSの補助に使うには厳しいのではないかと思う。
屋根上アンテナの試験評価データから少し紹介。2/24
15:00〜22:00 1Hz PRN16 L1-P1 LC(線形結合)。上がNovAtel GPS-702-GG (2周波精密測位用)、下がu-blox
ANN-MS(一般用小型パッチ)。上がu-blox ANN-MS(一般用小型パッチ)。下がNovAtel GPS-702-GG (2周波精密測位用)、受信機は両者ともNovAtel OEM-V。L1-P1は電離層変動と(コード)マルチパスだけのこるLC。見て分かるように明らかに小型パッチの方がマルチパスが小さい。小型パッチは21cmΦのグランドプレーンを付けているが値段は30倍位違う。小型パッチではL2は殆ど追尾できないのだが、L1ではむしろ特性が良いように見える。(なおcarrier-phaseのノイズは殆ど同レベル)
何事も実際測ってみないと分からない。さてPCVをどう測るかちょっと悩み中。(補足: 間違えた。やはり上下逆だった。18:49追記)
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屋根上のアンテナを点検してちょっと位置の調整。金属を触ると手が切れるように冷たい。近くのアメダス気温を調べてみると朝8時でマイナス6度。冷たいはずである。
IMU (ADIS16354) のデータをUSB経由で取り込めるようになったので簡単なロガーを作成。roll-pitch-yaw角を求めるのはよく考えると単純なangular rateの積分ではダメなことに気付いた。静止状態でも結構角度ドリフトが大きいのだがこんなものなのだろうか。
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アナデバのADIS/USB評価キットが来るのに時間がかかりそうなので、Webで見つけた安いSPI/USB変換アダプタを購入。聞いたことないメーカだがイスラエルから荷物が届いた。接続ケーブルを作ったついでにADIS16354と共にタカチのCH4-10-10ケースに入れる。しかし最近こんな工作ばっかりしている気がする。
さて1件納品。今日は後は少し休養。外は春の嵐ですごい強風。昨日屋根の上に上げたアンテナが吹き飛ばないかちょっと心配。
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昨日製作したアンテナ評価用マウントを屋根の上に設置。ポールが長いのでグランドプレーンが風を受けて結構揺れる。多分これでは風の強い日は評価にならない。あとRG58A/UとTNCコネクタで10mの延長ケーブルを製作、NovAtel受信機に繋ぐ。でも何故かNovAtel CDUがCOMポートを認識しなくなってしまった。原因不明。
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GPS World, L5 Demo Satellite Scheduled for Launch in
June, 30 Jan 2008
今後のGPS衛星打ち上げ予定について触れているので以下に簡単にまとめておく。6月、9月に上がるIIR-MにはL5のデモペイロードが載ってL5信号の試験放送を行う予定。なお別の記事だが初のBlock
IIFは2009年1月予定。この記事によると9月に上がるSVN50は実質的に、1999年春に打ち上げる予定でケープカナベラルの射場で保管されていたがThunderstormの来襲で水浸しになったIIR-3衛星、通称"wetsat"だそうだ。"with
tongue in cheek" が分からなかったので調べたら"to
say something as a joke"の意味らしい。
Satellite | Sat No. | Slot | Launch | Notes |
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IIR-19(M) | SVN49 | A4 | 2008/3/13 | |
IIR-20(M) | SVN48 | B2 | 2008/6/30 | L5 demo payload |
IIR-21(M) | SVN50 | C2 | 2008/9/11 |
ちょっと一周波RTK-GPS性能評価のため集めたGPSアンテナ。左上からu-blox ANN-MS×2台, AeroAntenna AT575, PionieerGPS-M1zz付属Ant, PCTel 2335TB, Antcom 4G15A2-XS-3, Micro Pulse GPS-TMG-40N, 右3つは海洋大の研究室予算で今回買って貰ったもの。下中央はNovAtel GPS-702-GG(二周波)。右下はスポンジケーキ型21cmΦで何に使うかは多分勘の良い方は気付くだろう。でもGPSアンテナって同軸コネクタが統一されてなくて変換アダプタや自作ケーブルを用意しなければならないのが少し大変。
アンテナ評価用マウントの製作。大体近くのホームセンタの材料で済んだ。グランドプレーンはアルミにテフロン加工の高級品 (\2,100也)。後はこれを屋根の上に上げる。
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J.Ray, IGSMAIL-5718, PRN32 *not* set usable today, 19 Feb 2008
NANU2008020で2/19に"usable"に設定するとされていたPRN32だが、2/19を過ぎてもまだunhealthyでかつ信号も正常でない。最新のNANUを調べるとこの実行は延期されたようだ。(NANU2008022)
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昨日は東京海洋大の修士学位論文発表会に参加。皆なかなか面白い成果が出ていてこのまま卒業してしまうのは惜しい研究も幾つか。 I君、C君、Mさん、Y君、T君、T君、Y君、どうもご苦労様。あとD3のK君もホントにご苦労様。今朝の3時くらいまで飲んでいたのでまだ頭がふらふらする。
補足: 海洋大 久保先生のWeb頁に昨日修士論文発表会の資料がupされた。20:56追記
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Digi-Keyで注文していたアナデバの6軸 (3軸ジャイロ+3軸加速度計) IMU ADIS16354が届く。\75,128也 (消費税, 運送費込)。内部は普通のMEMS IMUだが工場でアライメント調整や温度キャリブレーションがキチンとされている所が売り。またADCやデジタルフィルタ内蔵で外付回路が要らない上に非常に小型 (2.3cm角)。なかなか手に入らなかったのだがサンプル出荷が始まったようでやっと入手できた。スペック的には\数10万クラス (例えばcrossbow) のMEMS IMUと同等のはずだが実際はどうなのだろう。姉妹品のADIS16350/16355とは加速度計のダイナミックレンジ (16354 : ±1.7g, 16350/16355 : ±10g) のみ異なる (16350は常温キャリブレーションのみなので少し性能が落ちる)。I/FがSPIなので同じくアナデバのSPI/USB変換アダプタ+評価キット (ADISEVAL/USB) を注文中だがこちらはまだ来ない。来たら少し本格的にGPS/IMU統合システムの評価を行う予定。
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ジェノバ, [プレス発表] 三菱電機とジェノバが高精度GPS技術で業務提携, 2008/2/15
ちょっと驚いた。これで日本でのネットワーク型RTK-GPSのサービス事業者は2社となってしまった。確かRTKNetは既にFKPをサポートしていたはずなのでサーバはTrimbleに一本化するのだろうか。精密測位も、まだビジネスとしてはなかなか大変ということなのだろう。
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JAVAD, TRIUMPH
JAVADが新しく発表したRTK-GPS受信機TRIUMPH。216CHでGPS
L1/L2/L5、GLONASS, Galileo, Compass(!), QZSS,
WAAS/EGNOS対応、100Hz RTK、アンテナ/GSM/WiFi/Bluetooth内蔵オールインワン筐体等、見所が多いのだが、特に興味深いのはTRIUMPH-4Xがサポートする"Cruster RTK"と呼ぶ、基準局4アンテナ×ローバ4アンテナ=16基線でのRTK-GPS機能。16基線でRTK-GPSを行うことにより精度・信頼性を向上させるとしている。この機能のため内蔵アンテナの他に3つの外部アンテナを接続できるようになっている。16基線の整数バイアスをどう解いているのかはよく分からない。ただ200CHの整数バイアスを同時に20Hzで解くのは計算量的に無理だと思うので、基線毎独立に解いて後から解を結合している可能性が高い。Webサイトで価格も調べられるのだがそんなに高くはない。例えば3周波OEMボードTR-G2Tのベース価格が$1,800。これはオプションを付けるとすぐ$3,000位にはなるわけだが、機能を考えればまあ妥当。TRUIMPH-4Xでも標準的なオプションを付けて2式で$40,000以下である。RTK-GPSの世界も競争が強まってどんどん価格が下がって欲しいものだ。"RTK-Umbrella"と呼んでいるカート付き4アンテナポールは使いやすそうだなあ。
補足: AshjaeeによるTRIUMPHの紹介で
> A straightforward word about Triumph
pricing: it is true that the boards that
we sold with price
> tags of more than $5,000 did not cost
us more than $500 to manufacture.
なんて書いてあることを見ると、今回結構戦略的な価格を付けたという自負が有るよう。でも、これは今までが異常(ボッタクリ)だっただけで、P(Y)コード追尾技術のパテント期限や民生用L2/L5コードの普及を考えれば、遅かれ早かれ順当な価格に落ち着くことは見えている。後は他受信機メーカがどう対応するか。
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さて1件納品。実は2月末にかけてあと2件あるので全然休めそうもない。
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昨日書いたスパムフィルタの件。少しくどいのだが結局スパムメールの識別率と非スパムメールの識別率を両方指標にすればよい。現在使用中のPOPFileはスパムメール識別率は99%以上だと思うが、非スパムメール識別率は95%位だろう (これはフィルタをもっと"学習"させると良くなるはずであるが)。特に新しい送信者の場合は50%位しかない。95%ということは20通に1通は間違って正常メールをスパムフォルダに入れてしまうということで、実用上はスパムフォルダのチェックを頻繁に行わななければならない。従ってこの識別率が99.9%位にならないとあまりフィルタを入れるメリットがない。最近はISPのメールサーバでもフィルタや色々な対策が入っている様なので、現在届くスパムはせいぜい1日に数10通なのだが、もしこれらが入っていなければ恐ろしい数のスパムが届くだろう。スパム対策というのは現在のインターネットにおける重要な技術課題の一つである。
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現在、スパムメールフィルタとしてPOPFileというベイジアンフィルタを応用したフリーソフトを使っているのだが、こいつが結構大事なメールをスパムフォルダに放り込んでしまう。識別精度が高いのが売りなのだが、どうも新しい送信者からのメールは殆どかなりの確率でスパムに識別してしまう様だ。まあ有用なメールよりスパムの方が圧倒的に多いのだから全部スパムに識別しても90%以上の識別率は確保できる。有用なメールがいったんスパムに識別されるとそれをスパムフォルダから探し出すのは非常に大変なので、本当に重要な性能は誤認識率だと思うのだが。ということで電話でメールが届いてないかと問い合わせいただいて、調べたついでに重要メールをスパムフォルダから何通かサルベージした。もっと誤認識率の低い良いスパムフィルタは無いだろうか。(実は以前はSPAMfighterを料金を払って使っていた。誤認識率はまあまあだったが、どうも動作安定性に欠けるので削除してPOPFileに乗り換えた)
補足: よく考えたら誤認識率=1 - 識別正解率だから指標としては通常使われているものと同じである。結局、非スパム誤認識数(非スパムをスパム認識した数)/非スパム数を指標にすればよい。でもこれだけだとスパムを排除してくれなくても指標が悪くならないから、結局両者の指標を同時に使わないといけない。19:09追記。
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例年2月-3月は色々な仕事の追い込みで休日も休めない。ということで某プログラムの試験。
ちょっと昔の備考録を読み返してみて思った。QcamのフェイストラッキングとMPを組み合わせると、既に現在の技術でも映像での他人へのなりすましは十分可能。後は音声合成。まだ機械音声くささが残るものが多いようだが、これも時間の問題だろうという気がする。(別にオレオレ詐欺を考えている訳ではなくて個人的にUI技術全般に興味があるので)
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JD, Kronman, Experience Using GPS for Orbit Determination
of a Geosynchronous Satellite, ION GPS 2000
GPS信号をGEO衛星のトラポンで中継して、地上の受信機で捕捉・追尾し、GEO衛星の軌道決定に使うという実験。実際に信号取得したGPS衛星のアンテナサイドローブパターンがある。ただL1のみ。どうも衛星によってアンテナパターンは随分と異なるようだ。この論文を引用している関連論文が多い様なので、後でASTRO-G用に調べるため、Google
Scholarの非引用文献一覧を貼っておく。ざっと見る限り、まだ二周波GPS受信機でHEO衛星の精密軌道決定を行ったという実績は殆ど無いようだ。
MC, Moreau et al., Results from the GPS Flight Experiment on
the High Earth Orbit AMSAT OSCAR-40 Spacecraft, ION GPS 2002
上に上げた文献から。AMSAT OSCAR-40と呼ぶHEOのアマチュア無線衛星でGPS信号を追跡した例。遠地点高度59,000kmの楕円軌道。2機のTrimble社製6ch
L1受信機を搭載している。捕捉・追跡グラフの予測値と現実との間に結構差がある。貴重なデータが多い。これもL1のサイドローブパターンがあるがL2のものは当然ない。L2のパターンがどうなっているかは情報がなかなか無い様だ。
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J.Ray, IGSMAIL-5699: PRN32 probably to be set usable
(fwd), 6 Feb 2008
ちょっと地味な情報だが、2/19からPRN32がusableになるというNANU。現在のPRN32はいったん退役したBlock
IIA SVN23/PRN23を2006/12に復活させた衛星である
(参考)。ただ、一部受信機で正常受信できないという懸念から運用再開後ずっとunhealthyで運用されており、ALMANACにも含まれていない。また非標準コードの試験を行っているとも言われている。それが正式運用開始するとのこと。GPSも死んだと思ったら復活したりしてしぶとくなかなか死なないなあ。近代化GPSへの移行の点から見ると古い衛星はどんどん死んでくれた方が有り難いのだが。
GPS World, Air Force: Software Uploads behind Octorber
'07 IIR Anomalies, 6 Feb 2008
昨年10月に発生したGPS衛星異常についての米空軍からの通知について触れている。これによると2007/10/8-10にかけて5機のGPS
Block IIR及び1機のIIR-M衛星に、異常に伴う2〜12時間の運用中断が発生。ただし軌道、姿勢制御、コマンド/テレメトリは正常。この異常は新しい航法メッセージアップロードに伴い発生し、放送された航法メッセージに不正パリティを含めた予測されないシーケンスとして現れた。この異常に伴いCSでリカバリアクションが走り、いったん非標準C/Aコードに切り替わった後、再度通常コードに切り替えられたとのこと。結局何が本当の原因かよく分からないのだが、結構深刻な状況だったようだ。10/12に書いたPRN19クロック異常はこのリカバリアクションが原因だった可能性もある。いずれにしてもこういうGPSの異常事例は受信機動作検証や衛星測位システム設計の点でも参考になる点が多く、きちんとフォローした方が良さそうだ。
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とりあえずD106測地学一般セッションで申し込んだ。相変わらず見切り発車で内容はまだない。
高須, 低価格一周波受信機を使ったRTK-GPS性能の評価、課題とその解決策, 日本地球惑星科学連合2008年大会 予稿
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昨日書いたASTRO-G絡みで後で調べるため色々と貼っておく。
NASA GSFCが開発したNavigatorと呼ぶ衛星搭載用GPS受信機。HEO衛星用に微弱GPS信号の捕捉・追尾が出来ることが売りらしい。ただcm精度の精密軌道決定用という訳ではない。2007年打ち上げのハッブル望遠鏡やGOES-Rに搭載予定とあるが既に上がっているのだろうか。
NASA GSFC, The Navigator GPS Receiver
W.Bamford et al., Autonomous GPS Positioning at Hight Earth
Orbits, GPS World, 2006
L.Winternitz et al., Navigator GPS Receiver for Fast Acquisition
and Week Signal Tracking Space Applications, ION GNSS 2004
少し古いがGEOでのGPS信号のリンク計算をしている論文。
K.Littlefield, Acquistion of GPS Signals for High Altitude
Spacecraft Navigation: Exploring Issues in
Visibility and Link Analysis, 1998
宇宙用GPSの情報集。ちょっと情報が古い。
Spaceborne GPS Information Site
BRE (Broad Reach Engineering) 社製宇宙用GPS受信機PYXIS。JPLのBlackJackベース。ASTRO-Gへの搭載を検討中とのこと。
PYXIS NAUTICA Next Generation Precision Orbit
Determination & Occultation gNSS Receiver
遷移軌道でGPS信号を受信する"Falcon Gold"実験。GPSアンテナサイドローブパターンがある。数少ない高軌道におけるGPS信号捕捉例の一つ。
T.D.Powell et al., GPS Signals in a Geosynchronous Transfer
Orbit: "Falcon Gold" Data Processing, ION NTM 1999
本家ASTRO-G (VSOP-2) プロジェクトWebサイト。昨年12/3-7に行われたシンポジウム資料が分かりやすい。
VSOP-2 VLBI Space Observatroy Programme-2
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相模原の宇宙研で行われたASTRO-G設計確認会事前説明会に参加。ASTRO-Gは大型アンテナを搭載してスペースVLBIを構成し超高解像度の天体観測を行う電波天文衛星のプロジェクトである。GPSやSLRを使った高精度軌道決定(POD)技術がミッション達成上重要なファクタになっており、POD精度要求10cm、目標3cm。LEO衛星であればこの程度は既に実績があるが、問題は遠地点高度25000kmの楕円軌道であること。この高度ではGPSの信号がちゃんと受かるかがまず問題だし、もし受かったとしても精度を出すためにクリアしなければいけない未知の課題は多い。結構チャレンジングなプロジェクトである。一応GPSに少し詳しい有識者の一人として確認会に参加させて頂くことになった。説明会が終わった後、細かいお話を聞かせて頂いたのだが非常に良く色々な検討がなされているのに感心した。あんまり出る幕ないのじゃないかとも思ったのだが、少しは役に立って貰えるよう今後努力したい。
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昨日触れた50HzのNovAtel受信機に関して思いついたのだが、例えば地震計の様に短時間の変位のみが必要で有れば、複雑な解析処理をしないでも高レートGPS受信機の搬送波位相観測値をちょっと加工すれば受信機位置変動を抽出することが可能である。数10秒を越えると衛星時計のランダムドリフトに起因する精度劣化が起こるがこれは固定観測点の観測データがあれば容易に補正できる。数分を越えると軌道誤差や対流圏の影響が現れて解にドリフトが現れるのでKGPSやPPPの処理が必要になるがそれ以内であればほぼ必要ない。単純な処理でも概ね帯域25Hz〜0.001Hz、雑音レベル3mmの広帯域地震計として使えるはずである。搬送波位相は低価格L1受信機でも測量用受信機とほぼ遜色なく測定できるので (現在、低価格受信機で50Hz出るものはないが) 低価格受信機を使ったGPS地震計というのも可能であろう (L1のみでは電離層変動による長周期ノイズが増えるが)。でもこういう応用が出てくるとリアルタイムで使える高品質1Hz衛星時計が欲しくなる。だれか本気で作る人はいないだろうか。
補足: 普通の地震計も原理的には擬似的に慣性系に固定された振り子に対する変位や速度を測っている。GPS地震計の場合、慣性系に対し精度良く位置を確定できる衛星を基準にして変位や速度を測っている、という意味で原理は似たようなものである。ただ地震計の場合は変位や速度が直接測れるのに比較し、GPS地震計では電波による間接測定であり、搭載周波数基準の変動も加味しなればならない等面倒な点は多い。18:42追記
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