搬送波位相測定値による精密測位の理論及び解析処理 |
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本稿ではGPS/GNSSによる精密測位の理論及び解析処理の手法について解説する。ここで精密測位とは一般にGPS/GNSSの搬送波位相測定値を使用した高精度測位技術を指している。
最初に精密測位の理論として搬送波位相の定義と精密測位に使用される各種精密モデルにつき解説する。ここで精密モデルには、幾何学距離、衛星軌道・衛星時計誤差、電離層遅延、対流圏遅延、アンテナ位相中心、観測局位置変動、Phase Wind-up効果、相対論効果、マルチパス・観測誤差等が含まれる。
次に精密測位に使用される未知パラメータ推定手法として最小二乗法およびカルマンフィルタについて概略を紹介する。
次に最も一般的な精密測位である相対測位の原理と手法そしてその応用について説明する。ここで相対測位における主要課題である整数不定性決定問題については他稿に譲り詳しくは述べない。また精密単独測位(PPP)の原理と手法、その応用について触れる。
最後にサイクルスリップ検出・修正を含めた精密解析の実際について解説し、筆者が現在開発中の精密解析ソフトウェアGpsTools (GT) を使って解析を実施した例についても紹介する。
なお本文中で座標系の変換がしばしば必要となるが、座標系の定義とその変換については付録にまとめて示している。
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