日記・備考録
Diary/Memorandum

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2009/11/01〜

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2009/10/31

ION GNSS 2009 Video from Panel Sessions
ION GNSS 2009のいくつかのセッションビデオが公開されていたのでリスニング練習を兼ねてちょっと見る。ところどころ飛ばしながら、Program Updates 1とSVN-49 Review。聞き取れないところが結構あるのだけどふーんという感じ。(見るにはION GNSS 2009の参加IDかION学会員IDが必要)

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FOSS4G 2009 Tokyo
あさっての午後、FOSS4G TokyoでちょっとRTKLIBの話をする予定。Eugenioに会えるのもちょっと楽しみ。そのまま成田に泊まって次の日は韓国。でも発表資料がまだできていない...。

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B.Maurizio et al., Technical and Scientific Aspects Derived by the Processing of GNSS Networks using Different Approaches and Software, ION GNSS 2009
今年のION GNSSのpaperから。イタリア内のGPSネットワーク局146局 212日分のデータをBernese, Gamit, Gipsyで処理させてその性能を評価している。使用した版はそれぞれ5.0, 10.34, 5.1。GipsyだけPPPでAmbiguityは解いていない。まず実行時間は14days(Bernese), 8.5days(Gamit), 2days(Gipsy) (サンプリングレート:180s, CPU: C2Q2.66GHz, XeonD 2.33GHz, C2Q3.0GHz)。トレンド除去後のrepeatabilityでN:1.2,E:1.3,U3.9mm(Bernse), N:1.2,E:1.3,U:3.5mm(Gamit), N:1.9,E:2.8,U:4.9mm(Gipsy)。やはり整数バイアスを解いていないせいでGipsy-PPPは特にEW,UDの精度が出ていない。Gipsyの解析時間が5.6s/局/日でPPPならこんなものか。しかしBerneseはシングルスレッドでしか動いていないこともあって遅いなあ。

ちなみに、条件が色々と違うがGTの実行時間は6.5s/局/日 (GT0.6.4, 参照)。ただこれは間隔が300sだからCPU差を考慮してもGipsyに比較し1.5倍くらい遅い。またGEONET1200局1年分のrepeabiltyでN:1.9,E:2.2,U:4.3mm (GT0.5.6, 参照) なので精度はGipsy-PPPとあんまり変わらないと言えそう。ところで地理院 宗包さんのブログによると、Gipsyは次バージョンでsingle point ambiguity resolutionを実装するとのこと (よく参考にさせていただいてます)。

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2009/10/30

GPS World, Galileo will no longer require special manufcturer's license, Octobar 28, 2009
現在スウェーデンのストックホルムで開催されている13th IAIN World Congressのレポート。GNSSの将来にとって重要な発表が多かった様だ。以下に簡単にまとめる。とくにGailieoのOS利用ライセンスの取扱いに関しては今まで明確でなかったので、これを機にGalileo対応受信機の開発が促進されるのではないかと思う。

(1) Galileoは2013年末に16衛星 (4 IOV + 12 FOC) の初期構成とする。
(2) GPS Block IIF初号機は来年6月より前の打ち上げは無い。IIR-M20のL2C CNAVが試験用にアクチベートされている。
(3) Galileo OS (Open Service) 利用プロダクトにライセンスは必要ない。

補足: Galileo OSの仕様に関しては既にGailieo OS-SIS-ICDのdraft 1版が公開されており誰でも入手できるが、今まで特別の許可を受けることなく商用利用することは出来ない、とされていた。特にGalileo OSで使用される拡散符号系列はICD上にプリントアウトされた形で定義されているので、この無断利用は著作権侵害とされる可能性が高くGalileo対応受信機を開発・販売する上での障害になっていた。これらの自由な利用に関してICG等で米-欧間の調整が続けられてきた結果、最終的にEU側が譲歩する形で決着したということだと思う。いずれにしてもGNSS利用者にとっては明るいニュースである。(10:26追記)

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E-mobile, Pocket WiFi (D25HW)
80gで4時間駆動、バッテリ交換可能。これ激しく欲しいのだけれど。なんか物欲全開で抑えるの大変。ちょっと冷静にならないと。

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2009/10/29

TechCrunch, DroidのGPSを使ったGoogle Mapsナビはスーパークール, 2009/10/29
Android 2.0上で動くGoogle Maps Navigationsが公開されたとのこと。普通のカーナビやPNDと比較して音声操作が出来るとかStreet Viewが表示できるとかが優位点 (あとタダという点も)。Google Mapsなので連続的なインターネット接続が前提となるが携帯の定額モバイルインターネット接続が当たり前になってきているので、Android携帯と共に今後普及する可能性もある。実はiPhone用にも既にカーナビ用APは色々と出ているので、直接はこれと競合することになる。多分GoogleのことだからそのうちセカイカメラみたいなAR技術と組み合わせてgeotaggingされた情報も自由に表示・検索できるようになるのだろう。技術的にはおもしろくて可能性は感じるけど、GPSも含めて色々な要素技術がまだまだ成熟していないのでビジネスになるのかは良く分からない。ところで、これってSmartQ5にGPS受信機を接続して動くのかな (SmartQ5だとモバイルルータも必要になるが)。

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2009/10/28

Multi-Functional Nrtip Software and Assisting Tools
今更ながら、NTRIP用ソフトの一つとしてRTKLIBが、BKGのリストに含まれていることに気づいた。こう見るとCommercial以外でNTRIPに対応した測位ソフトウェアってRTKLIB以外に殆どない様。まあNTRIP対応に限らずフリーのRTKソフトって世界中でも殆どないはずだけど。

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A.Hauschild et al., Real-time Clock Estimation for Precise Orbit Determination of LEO-Satellites, ION GNSS 2008
昨日紹介したGSOC/DLRリアルタイム衛星時計用の解析システムであるRETICLE (A real-time system for clock estimation) のアルゴリズム。RETICLE開発の主な目的はLEO衛星PODの様。衛星軌道とERPはIGU predictedに固定して、IGSリアルタイム局のデータを使って衛星時計バイアス+ドリフト、受信機時計、対流圏、位相バイアス (float) をカルマンフィルタで推定している。電離層は電離層フリーLCで除去しているがC1-P2コードで時計を定義しているようだ (P1を出力しない局が多いため)。SISRE (Signal-In-Space Range Error) で評価し誤差は5-23cm。LEO衛星POD (reduced-dynamic) 精度でも評価しIGU predictedよりはるかに良い結果を得ている。商用のリアルタイム軌道/時計であるStarFireと比較して、SISREはもう少し良くてもよい気がするがIGSリアルタイム局のジオメトリがあまり良くないのかもしれない。

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2009/10/27

NTRIP Real-time Satellite Orbit and Clock Corrections to Broadcast Ephemeris from IGS and EUREF GNSS Resources
EUREFとIGSのリアルタイムプロジェクトが提供するリアルタイム衛星軌道/時計。既にRTCM v.3 type 1057-1068 (これは正式なRTCM規格ではなくまだプロポーザル) を使ってNTRIP配信されている様だ。解析センタはBKG, GSOC/DLR, Geo++。使われているソフトはそれぞれRTNet+BNS, RETICLE, GNSMART。4. Real-time Precise Point Positioning Softwareは、"so far not available" とのこと。これではせっかくのリアルタイム軌道/時計も宝の持ち腐れである。ということでRTKLIB ver.2.4.0ではこれらのリアルタイム軌道/時計ストリームを使ったreal-time PPPの機能が追加される予定である。

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Wired, Video: Army's Robot-Man Walks Like the Real Thing, October 26, 2009
基本的に衛星測位に関係ないリンクはなるべく貼らない様にしているのだけど、ちょっと感動したので。

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気象庁 国土地理院, 国土地理院電子基準点観測データ (GPSデータ) の活用による気象庁メソ数値予報の改善について〜水蒸気データをとりこむことにより、予報精度が向上します〜, 2009/10/27
明日からGEONETによるGPS PWVが数値予報モデル (MSM) に統合されるとのこと。逆に言えばGPS解析において数値予報モデルの利用により高精度の水蒸気補正が行える様になるということ。機会があれば導入前と導入後の差をちょっと評価してみたい。

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2009/10/26

Multi-GNSS Demonstration Campaign
JAXAが主催しアジア・オセアニア諸国に呼びかけるMulti-GNSS Demonstration Campaign。当然QZSS普及活動の一環ではあるのだろうが、Backgoundの図にもあるようにアジア・オセアニア地域は新しいGNSS/RNSSの恩恵を最も受ける地域であり、10年後には世界でも最も高度なGNSS利用・応用がなされる地域となっている可能性も高い。マルチGNSSの運用・利用には技術的にチャレンジングな課題もたくさん残っており、日本が旗振り役になってこれらの問題に取り組むことは単に国内の技術蓄積だけでなく国際貢献という意味で意義深い様に思う。ということで来年1月25-26日にはタイのバンコクで第1回 Asia Oceania Region Workshop on GNSS が開かれるとのこと。

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2009/10/25

C++ Bulder 2010の発表と同時にホントにTurbo C++ 2006 (無償版) の公開は終了してしまった様だ 。C++ Builder 2010を買えばRTKLIBのAPはほぼそのままコンパイルできる可能性が高いが、結構高い (Professional-version up版で\6万位) し、オープンソースプログラムをビルドする環境としては適切ではない。VCLはとても使いやすいGUIライブラリで好きだったのだけど (C++ Builder 6 とKylixは買って持ってる) 開発環境をなんか別のGUIライブラリに移す必要がある。できればCかC++ベースのものが良いのだけどそんなに選択肢は無い。ちょっと調べた範囲では、wxWidgets, GTK+, FOX-Toolkit, Qtくらいか。今だったらQtかなあ。でもQtはフォントレンダリングが汚かったり (例えばGoogle Earth) 描画性能も悪そうなので、どうしようか迷っている。GUI部分だけC#かJavaで書きなおしてCプログラムと結合するという案も考えられないこともない。いずれにしても、当面はpatchと同時にバイナリAPも提供することとし、別のGUIライブラリへの移行は来年以降のバージョンからとなる。
覚書: Turbo C++
再インストール用にダウンロード済みパッケージとレジストキーをCD-Rに焼いておくこと。

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2009/10/23

Space News, Glonass Launch Delayed to February, October 22, 2009
29日に延期されていた3機のGLONASS-M衛星の打ち上げが来年2月に再度延期されるとのこと。 クリスマスに予定されているその次のGLONASS-M衛星の打ち上げが予定どおり行われるか、延期されるかはまだ未定。

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2009/10/22

なんか調べてみると既にTurbo C++ 2006 (無償版) のダウンロードができなくなっているらしい。 ということでRTKLIBのパッチ適用ができない方が多い様だ。今後はソースプログラムのパッチ提供と同時にパッチ適用版バイナリも提供する必要がある。本件、お困りの方は少しお待ちを。

補足: patch適用済みバイナリを提供開始。(2009/10/24追記)

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2009/10/20

RTKLIB: Support Information
Hemisphere EclipseとSkyTraq S1315F対応パッチ提供を開始した。

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ちょっと発表資料のネタにしたくて今日現在のRTKLIB, GTのダウンロード数統計を取ってみた。これが多いのか少ないのかは良く分からない。

表削除 (2010/4/2)

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2009/10/18

Space News, European Commision To Trim Initial Order of Galileo Satellites, October 16, 2009
今年度調達するGalileo衛星数を減らし2013年には限定されたサービスを提供し、2016年までにFOCとすることを検討中とのこと。主な原因はIOVのバジェットオーバーらしい。また現在試験中の4機のIOV衛星は複数の問題が発生しており、打ち上げは2011年にずれ込む可能性が高いとのこと。

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2009/10/15

SkyTraqの連続テストをしているのだけど、なんか今日のSkyTraqは6時間連続運転でも問題が発生していない。何故だろう。

補足: よく確認したらSkyTraqのつもりでu-bloxのデータを処理してた。受信機つなぎ過ぎでシリアルポートのどれがどれに対応するのか訳分からん。(20:52追記)

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GPS World, Launch of Galileo IOV Satellites Delayed, Octorber 13, 2009
Galileo衛星の打ち上げが若干遅れるとのこと。今まで2010年中にIOV衛星4機を打ち上げるとしていたが、それが2010年11月と2011年初頭にスリップする。遅延原因は衛星の問題の様だが詳細は不明。

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2009/10/14

InterSense NavChipTM
InterSenseが発表した超小型MEMS IMUチップNavChip。12x23x8mmのパッケージに6軸が入っている。ジャイロのAngular random walkが0.25deg/sqrt(hr) なので、これが本当ならMEMSなのにFOGに近い性能があるということになる。こちらの記事では量産は2010 2Q。価格は良く分からないが入手できるようになったらぜひ評価してみたい。

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別の作業をしながら裏でSkyTraqの評価。下はSkyTraqとLEA-4TのRTK-GPS解比較。アンテナはGPS-702-GGでスプリッタを介して両受信機に信号入力している。基準局は近くの電子基準点。概ねLEA-4Tと同等の性能は得られるが若干位相ノイズが大きい。なおSkyTraqは10/10に書いた問題が1-2時間で必ず発現して、それ以降はまともな解は得られない。これはF/W改修を待ちたい。またSkyTraqは20Hz raw出力が可能だが20Hzでは正常にAmbiguityがFixしない。ちょっとこれは原因不明。あとは移動体でスリップや再捕捉時間を測ってみたい。



RTK-GPS Solution (Upper) and Ratio Factor for AR Validation (Lower)
Left: SkyTraq S1315F, Right: u-blox LEA-4T, 2009/10/13 3:02-4:15 10Hz, Base Station: GSI 0263 Kobuchizawa (Baseline Length 6.8km)

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2009/10/13

秋の測地学会のプログラムが上がっている。GPS関連の発表が多いのでホントは聞きたいのだけどチェジュと重なっているので今年も参加は無理。アブスト集だけ後で購入しよう。ところで新しい学会が立ち上がった様なので少し宣伝。

測位航法学会

学会設立の趣旨は「測位分野の研究者をそのバックグラウンドにこだわることなく結集し、研究開発の裾野の拡大と人材の効率的な養成を目指す」とのこと。入会案内はこちら。これを機に日本でも衛星測位技術研究に携わる人が増えることを望む。新しい学会主催の秋のGPS/GNSSシンポジウムの案内はこちら。私も何か話をすることになりそう。

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2009/10/10

新しいF/Wにも無視できない問題が発見されたので以下をまたSkyTraqに送った。ということで2-3時間連続運転すると問題が発生する様だ。

To SkyTraq (10/10)

> I checked the new F/W for S1315F and confirmed the most of probrems mentioned
> previously have been already fixed. I can get very good RTK solutions with S1315F
> including integer ambiguity resolution. Thank you very much for your quick and
> wonderful work.
>
> The results of my test for previous problems are as follows.
>
> (5) Carrier-phase measurements have proper differences between satellites. "half-
> cycle ambiguity" is also properly resolved. The measurement has very good quality
> except for the problem mentioned below.
> I found the carrier-phase polarity is opposite to RINEX convention. It is not a problem
> but the document had better to clearify the definition of "Accumlated carrier cycle"
> about the polarity.
>
> (7) No parity check error is indicated with new F/W.
>
> (8) Cycle-slip flags are properly set with new F/W.
>
> I found another problem with new F/W.
>
> (9) No problem for 2-3 hours after the reset. But for continious operation, carrier-phase
> for some satellites have strange behavior. The attached shows the L1-P1 LC (linear
> Combination) of PRN11 from 10/10 7:23-10:00 GPST. Before 9:38, it is normal but after
> the moment very large variation up to 100m is indicated in carrier-phase. Code
> observables seem proper. Only carrier-phases have the anomaly. They don't occur for
> 2-3 hours after reset.
> I hope you will check and solve it by next F/W.

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SkyTraq S1315Fによる約1時間分の観測値と10Hz KGPS解 (1m基線)。パラメータチューニングのためRTKと同条件の後処理解である。これを見る限り少しスリップが多いがスリップ検出そのものは問題ないようだ。なおコードノイズが大きいのでCode/Carrier-Phase Error Ratio=300に設定している。デフォルトのままでは動作が非常に不安定になる。


Left: SkyTraq S1315F raw obs data, Right: Solutions by RTKPOST ver.2.3.0b-20091010
(Kinematic L1 Forward ElMask=15deg SNRMask=0 AR=Continuous ValidationThres=3 Code/Carrier-PhaseErrRatio=300, AntennaModel=None)
Rover: SkyTraq S1315F (F/W 010823 rev.091009)+NovAtel GPS-702-GG, BaseStation: NovAtel OEMV-3+GPS-702-GG BaselineLength=1m, 10Hz x 65min

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SkyTraqから新しいF/Wが届いた。搬送波位相が反転しているのだけ修正したRTK結果。1m基線。基準局はOEMV、アンテナは両者ともGPS-702-GG。素晴らしい。これなら、$50で20HzのRTK-GPS受信機が出来そう。

補足: 汎用的なRTK-GPS受信機だとUSB WiFi LANやUSB モデムを付けたくなるのでLinuxの載ったBeagleBoardみたいなボードコンピュータが欲しくなるが、専用組み込みRTK-GPS受信機であれば特にOSも必要ない。ptheadライブラリだけ動けばRTKLIBの移植は容易である。ARM300MHz, RAM32MB, Flash64MBもあれば10HzのRTK-GPSは十分動くだろう (H/W浮動小数点はほぼ必須)。$50は厳しいが$100あればこれは十分実現可能なのではないだろうか。これ誰かやりません。(10:32追記)

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2009/10/08

Vaio X正式発表。でもAtomか。今使っているTZ(90)より遅いことは間違いないしEmobileのSIMも使えない様だし、見送り決定。実はTZのSSDを換装したらプチフリが無くなって嘘のように快適になったので。

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フィルタ初期値の単独測位解に拘束かけ過ぎだったのをプログラム修正。24Hの結果に差し替え。パラメータをチューニングすれば1Hz 6km基線でもFix率が98%でmis-fix率0%になるので、低価格RTK受信機でも (固定観測点であれば) 概ね実用的といえるだろう。なおMinimum Elevation to Fix Ambiguityはこの仰角未満の衛星のambiguityをfixしないという、所謂patial fixingのためのオプションである。一部ambiguityはfloatのままなので精度は若干落ちるがFix率は上がることが多い。あとこの例でSNRマスクがFix率向上に大きく寄与しているのはアンテナ設置上南東低仰角の障害物 (屋根) が大きなコードマルチパスを発生させているのをうまく除去出来ているからだと思う。マルチパスとC/N0は (逆) 相関が大きいということでもある。精度良いマルチパス推定はRTK性能向上にとても効果がある。ソフト受信機だと相関波形でマルチパスの大きさを見積れるはずなので、これは次の研究テーマ候補の一つ。

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2009/10/07

BB-RTK-RCVの性能評価中。パラメータを振って後処理で解析した。近隣電子基準点-LEA-4T基線 (基線長6.1km)での結果。サンプリングレートが上がるとFIX率が下がるのはコードの誤差モデルが悪いせいだと思う。これはまだ改善可能だろう。

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2009/10/06

InsideGNSS, China's Regional Compass System: 12 Satellites in 2012 - ICD Next Year?, October 5, 2009
Compassは2012年に12機 (5 GEO+3 IGSO+4 MEO)、FOC 30機 (3 GEO+3 IGSO+24 MEO) 構成とのこと。またICDは来年予定とのこと。中国 Wuhan大学 Prof. Jingnan Liuが9/30に英国Nottinghham大学を訪れて行ったプレゼンで明らかにした。2012年の5GEOからFOC 3GEOに減っているのは2012年の構成には2機のBeidou-1衛星が含まれているかららしい。

CompassにIGSO衛星が含まれるという情報は初めてのはず。Compassに関しては情報がコロコロ変わるので話半分に聞いていた方が良さそう。しかしBeidou-1衛星ってホントにまだ使えるの?

補足: Beidou-1に関しては情報が少ないが、この情報によるとBeidou 1Aは運用終了、1Dは軌道離脱して信号停止中らしい。残りは1B, 1Cとなるが2012年まで持つのだろうか。(WikiPedia) (10:35追記)

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2009/10/03

CGSIC 49th Meeting Summary Report, Hilton Gargen Inn Midtown, Savannah, Geogia, US, September 21-22, 2009
先月のION GNSS 2009と併催されたCGSICのプレゼン資料がupされている。とりあえず貼っておく。

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2009/10/02

少し思うところがあってiPod Touch (32GB) (右) とSmartQ5 (Covia Android版) (左) を購入。\29,800+\19,800也。iPod TouchはAPは豊富だしUIもとても洗練されていて完成度の高い携帯端末。外部I/Fが弱いのが少し難。SmartQ5は正直まだまだだが、USB I/Fが付いているのでUnuntuに入れ直して少し遊んでみるつもり。

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European Commission Derectorate-General for Energy and Transport, EGNOS Service Definition Document Open Service, Ref: EGN-SDD OS V 1.0, October 1, 2009
昨日やっとEGNOSのOS (Open Service) の正式運用開始が宣言された (参照)。EGNOSは欧州域を対象とするいわゆるSBAS (Satellite Based Augumentation System) である。ずいぶん前から試験運用されていたがまだ正式運用となってなかったらしい。Inmarsat AOR-E (PRN120, 15.5W), Inmarsat IOR-W (PRN126, 25E), ARTEMIS (PRN124, 21.5E) の3つのGEO衛星を使って運用される。サービスはOS, SoL (Safety of Life Service), CDDS (Commercial Data Distribution Service) から構成される。なお、SoLは2010年の運用開始が予定されている。SIS (Signal In Space) 規格として、GPS L1互換信号/コードを使って、SBAS準拠メッセージをユーザに送信する。メッセージは0, 1, 2-5, 7, 9, 10, 12, 17, 18, 24, 25, 26, 27, 63。ただし、civil aviation use用としてcertifyされるまでは、MT2の代わりに (SoL用に利用できないことを表すため) MT0を送信する。OS用SBAS受信機としては、最低限、7 (fast correction degradation factor), 9 (GEO ranging parameter), 2-5 (fast correction), 24-25 (satellite ephemeris), 26/18 (ionospheric correction) と2-5,6のwarnigを処理できること、が推奨されている。EGNOSの準拠する測地系はETRF (EGNOS Terrestrial Reference Frame)、時刻系はENT (EGNOS Network Time) と呼ばれる。ETRFはほぼITRFと一致し、ENTはGPSTに対し数10ns以内に一致するようステアリングされる。OSの位置精度は (欧州のサービス域内で) 水平3m (95%), 垂直 4m (95%) 以下としている。Appendix Aに2009/3-8月における実際の位置精度評価結果があるが概ね水平0.6-1.3m, 垂直1.1-2.5m程度 (共に95%) の様だ (これは現在太陽活動静穏期であることを考慮する必要がある)。

RTKLIBのSBAS補正がちゃんと働くかの確認を兼ねて、少しEGNOS信号を処理してみたいのだけど、どこかでEGNOS対応受信機のデータを公開していないだろうか。

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2009/10/01

なんかいつの間にか10月である。とりあえずpaper 1本 submissionした。(0:05)

補足: paper up。性能評価はシンポジウムまでにもう少しちゃんと行う予定。CPU負荷があんまり高くなかったので色々と応用できそう。(21:46)
paper revAに更新 (10/3追記)

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〜2009/09/30


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