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測量協会, 電子基準点RINEXデータ (1秒値) 提供サービス
東北地震前後 (2011/3/8-3/31) のGEONET 1秒観測データ。GEONET全点 1日分で、300KB x 24 x 1240 = 8.9GB、DVD-R 2枚で約1万円。主に研究者向けに特別に提供される様だ (通常測量協会で取り扱っているのは30秒データのみで、1秒データは民間配信業者から購入の必要がある)。これは買わなければ。
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高須, マルチGNSS時代における精密測位技術の展望と応用, GPS/GNSSシンポジウム2011, 2011年10月26日〜28日, 東京海洋大学楽水会館
GPS/GNSSシンポの発表資料up。忙しくて新ネタはほとんど入っていない。今週はチェジュ行って、帰ってきてフルで打ち合わせが入っている。
そろそろ新ネタを補給しなくてはとは思っている。とりあえずRTKLIB 2.4.2で、PPP-ARとGalileo対応、RTKのValidation強化。ダウンローダ追加。SkyTraq、HemisphereのGLONASS対応。u-bloxのQZSS対応。RTCM出力機能追加くらい。全部入れたらやっぱり2.5.0かな。個人的な興味としては、リアルタイムSDRフロントエンドとそのINS統合、ついでに多素子アンテナによるマルチパス削減を進めたいのだけど、たぶんこれは来年以降送り。いつになることやら。
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GLONASSに対応した Garmin eTrex 30の出荷が始まっている。先日のiPhone 4Sのニュースといい、なんかGNSS受信機の世界も節目の時期を迎えている様だ。
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パネルディスカッションがやはり面白かったのだけど、宇宙開発戦略本部の片瀬さんが、「実用準天頂衛星」を今後何十年にわたって維持していくという (政府としての) 意気込みを語っていたのが印象的だった。
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最近知ったのだけど、Linux kernelのcoding styleではtypedefを使った構造体型の別名付けを禁止している (chapter 5)。すなわち、typedef struct {...} hoge_t; としてhoge_t hoge; と宣言するのはダメで、構造体型変数の宣言ではstruct hoge_t hoge; としろ、ということらしい。20年くらい前から当たり前のようにtypedef struct ... を使っていて、人にも強く推奨している身からするとナンセンスという感じである。理由が色々と書かれているのだけど、どうも根拠が乏しい様に思う。ご存じのようにC++では構造体型変数の宣言にstructをつける必要はない訳で、C++でもstructをつけろということなのだろうか (もともとtypedefをつかうのはCではstructを省略できなくて、記述が冗長になってしまい可読性が落ちるからという理由が大きい)。まあ、コーディングスタイルは人によって流儀が色々あって、人の流儀にケチをつけるとすぐ論争になって絶対に収束しない (過去何度か経験あり) ので不毛なのであるが、ちょっとあんまりだという感じもする。(参考: wikipedia typedef)
補足: WindowsのAPIでは多用されているが、ポインタ型をtypedefするのはやめた方がよいと思う。すぐにはポインタだと分からなくて、とてもコードが読みにくくなるので。Windowsに限らず、世の中のコードには、変なコーディングだなあ、読みにくいなあ、という文句を言いたくなるものはいくらでもあるのだけど、まあ人のコードはちゃんと動けば良いと割り切らないと眠れなくなる。なお、自分のコーディングスタイルはずいぶん長い時間をかけて徐々に改良してきて、今の形があるので自分ではベストだと思ってます。特に最近は公開コードを書くことが多いので、人に読まれて恥ずかしくないコードにすることも心がけています。例えば、rtklib_2.4.1/src/rtcm.cなんか、結構美しいコードではないかと自分では思ってます。(10:36追記)
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Trimble, CenterPoint(TM) RTX
Trimble社が発表したCenterPoint RTXサービス。衛星経由の補正情報配信で水平精度4cm、初期化時間1分。ただし初期化時間1分が可能なのは、米国中央部の一部地域のみ。主な対象ユーザは精密農業。オーストラリアでも同様のサービスが開始されている。補正技術の詳細は明らかではないがION GNSS 2011でも発表があったようだ。内容からするとたぶん、RT-PPP-AR + local iono/tropos correctionではないかと思うのだが、安定して初期化時間1分を達成するのは結構大変だと思う。Trimbleが商用サービスとして発表するのだからそれなりの試験をしているはずで、少なくとも精密農業用には実用に使えるという自信があるのだろう。なおTrimbleは今年3月にFugroからOmniSTAR事業の権利を買収している (参照)。CenterPoint RTXにもOmniSTARの技術が使われていると思われる (従来通りのOmniSTAR XP, HPサービスも存続している)。Fugroは海ではSeastarという補正サービス (参照) を展開しており、陸上はTrimble-OmniSTAR, 海はFugro-Seastarという仕分けになるようだ。CenterPoint RTX技術に関してTrimbleはいくつかのpatentを申請中の様で、今後同様の商用サービスを開始する場合にはこれらpatentに注意が必要になると思う。
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先日のION GNSS 2011で10月中にCompass ICD v.1.0 が公開されるというアナウンスがあった (参照) ので、ここのところ毎日公式HPをチェックしているのだけど、まだ公開される気配がない。ギリギリに出すのか、今迄のように何もなかったかのようにすっぽかすのか、ちょっと見ものである。
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BBC News, Europe's first Galileo satellites lift off, October 21, 2011
2011/10/21 10:30 UTC, Galileo IOV-1,2号機, フランス領ギアナ宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げ成功。
記事を読むと、欧州中の (特に産業界からの) 期待を一身に受けてという感じ。欧州は社会インフラを米国のGPSに依存してしまっている現状に対しての危機感が強いようだ。これを機に欧州におけるGNSS応用製品やサービスの市場が一気に広がる可能性もある。なお既に調達の決まっているIOC18機に加えて、追加衛星6-8機の競争調達が始まるとのこと。8機調達できれば合計26機で (バックアップを除いて) ほぼFOCなので、予想より早く本格的なサービスが開始できるかもしれない。
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Engadget imobile, iPhone 4S supports GLONASS satellite system, much to the delight to Russia, October 20, 2010
なんと新しく発売されたiPhone 4SはGLONASSが受かるらしい。spec sheetに入っているということは最低でもチップセットは対応済みなのだろう。"If the iPhone 4S really does have Glonass navigation, this would be the first time the Russian system reached the world market" とロシアのメディアは大喜びしている。
もしこれが本当ならGNSS受信機マーケットに与える影響は大きい様に思う。QZSSも実は受かったりして。ところでiPhone 4Sの無線チップセットは何処製? Broadcom?
補足: 携帯用受信機では今のところBroadcom
BCM47511のみがGLONASS対応でこの石はiPad2やNexus Sにも使われているとのこと。(iPhone
4は1世代前のBCM475104750らしいので、iPhone 4SはBroadcomの可能性高い?)。これは教えてもらいました。情報感謝。
BCM47511のspec見るとQZSSも受かるようで誰かiPhone hackしてQZSS受かるようにしてくれないかなあ。(9:40追記)
iPhone 4Sのチップセットに関して訂正の情報を貰いました。情報感謝。細かくはこちらを見ていただいた方が良いと思います。(20:00追記)
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SpaceFlightNow, Fueling snafu scrubs Soyuz launch from South America, October 20, 2011
Galileo IOV-1,2号機打ち上げ延期。ソユーズロケット3段目の燃料充填時に問題が発見されたためとのこと。原因はpneumatic系バルブの漏れで交換を行う。再打ち上げ予定は本日 (10/21) 10:30 UTC。
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InsideGNSS, Galileo: At Long Last, Launch, October 14, 2011
Galileo IOV-1,2号機の打ち上げが近づいている。打ち上げ予定は10/20 11:34 UTC。この記事によるとIOV-3,4号機の打ち上げは来年中旬。IOC (IOV 4 + 14 機) 構成でのサービスは2014年までに開始としている。
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Navigation Center, GPS Constellation Staus for 10/17/2011
7/16に打ち上げられた2機目のGPS Block IIF衛星 SVN63/PRN1がようやく運用開始。これでGPS初のフル32衛星運用かと思ったのだけど、調べたら8/10からSVN6/PRN27が、9/30からSVN24/PRN24がメンテナンスに入っている。以前、GPS ground segmentは32機体制の運用に問題を起こすため32機構成にしないと推測されている、という記事を読んだのだけど、これではまだこれが嘘なのか本当なのか確認できない。まあでもこれでIIFが2機そろったのでやっとL5のRTK試験できるかも。
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第55回宇宙科学技術連合講演会, 2011年11月30日〜12月2日, 愛媛県県民文化会館
ことしの宇科連は松山。相変わらず準天頂のセッションは盛況。ちょっと遠いから無理かなあと思ったのだけど、調べたら飛行機使えば東京から3時間で行けるのね。昔絡んだ仕事の成果報告が有るみたいでちょっと聞きたいし、どうしようかなあ。
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今回OpenMPをちょっと使ってみて、簡単にマルチスレッド化できて性能が出ることに感激したので、よいreferenceを貼ろうかと思ったのだけど、いいのがないなあ。もちろん細かいことは本家見れば良いのだけど、すぐには要らないようなことがたくさん書いてあって、知りたいこと探すのに時間がかかるし、かと言って「xxxx入門」の類はほとんど使い物にならない。
たとえばCであれば、OpenMPを使いたければとりあえず以下の様にfor文の前に#pragram
omp parallel for をつけて、コンパイラオプションで-fopenmpを指定するだけ
(gccの場合)。これだけで (マルチコアCPUなら)
プログラムが劇的に速くなります (ちょっと感動するくらい)。
#pragma omp parallel for private(i) for (i=0;i<n;i++) { hogehoge(); }
もちろん内部では複数スレッドを起こしているだけなので、呼ぶライブラリは全部スレッドセーフでなきゃいけない、とか、共有変数は排他しなきゃいけない (プリミティブが用意されている) とかは、普通のマルチスレッドプログラムと同じでそれなりに気を使うコーディングは必要。でもちょっとした苦労は忘れる位の価値はあるので、お試しを。(最近の多くのコンパイラはOpenMPをサポートしている様で可搬性もそれほど問題にならない)
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51st Meeting of the Civil GPS Serivce Interface Committee, at the Institute of Navigation GNSS 2011 Conference, Portland Convention Center September 19-20, 2011
先日のION GNSS 2011に併催で開催されたCGSIC meetingの資料がupされている。とりあえず貼っておく。
GLONASSの資料見ると今年はまだ3回 (M x 3, M x 1, K x 1) の打ち上げが予定されている様。
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キター、X.XX cm。これは未知の領域である。やってきたことが間違っていなかったということでとても嬉しい。一応記念にメモ。ということで、分らない人は全然わからないと思いますが、推察ください。
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中田, 我が国におけるFLOSS開発者の現状と課題, ソフトウェアエンジニアリングシンポ2011
オープンソースは (特に日本では) 食えん、と書いてある。まあそうだろうなあ。
RTKLIBも、GPLは色々と制約があって使いづらいという
(特に企業の方からの) 声を貰っていて、ライセンスを変更しようかなあ、とも考えている。これは、大きな目標である精密測位技術の一般普及のためにはその方が良いかなあという判断なのであるが、でもなんか使う人の単なる「使い得」になってしまいそうなのはなんだなあ、とも思う。結局、公開された技術蓄積につながるうまいフィードバックが得られる仕組みが欲しいのである。まあ、と言ってもどうすればいいかよく分からないので、次から試しにBSDライセンスに変更してみるつもり。
ついでなので書いておくと、今まで多額の費用と時間をかけて開発した製品と同じようなものをタダで配られてはかなわん、という声が一部あることも伝え聞いています。RTKLIBの最初の公開時に公開は慎重にすべきではとのアドバイスも頂いています。でも、精密測位技術の将来の可能性 (たとえば、2016年までにはhigh-precision GNSS marketが100%拡大するとの予測もあります) を考えると、その普及のためにはこんな活動もちょっとは役に立つかなあ、という思いも持っています。特に日本の企業の方々には、うまく叩き台に使ってもらって (特に世界で戦える) 全く新しい応用や付加価値の高いサービスの展開に繋げて頂けたらなあとも思います。
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毎日jp, 準天頂衛星:10年代後半めどに4基体制めざす、2011年9月30日
> 政府は30日、高精度の測位情報を地上へ送る準天頂衛星について、昨年9月に打ち上げた「みちびき」に続いて
> 3基を打ち上げ、10年代後半をめどに計4基による測位システムを作るとともに、将来は7基を目指す方針を閣
> 議決定した。4基体制には今後1450億円の事業費が必要だ。担当する内閣府は来年度予算の概算要求に2基目
> 以降の開発費41億円を盛り込んだ。
とのこと、これから忙しくなりそうだなあ。
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RIANovosti, GLONASS-M blasts off from Presetsk Launch video, October 3, 2011
2011/10/2 20:15 UTC GLONASS-M衛星 ロシアプレセツク宇宙基地からソユーズ2.1Bロケットで打ち上げ成功。これで軌道上のGLONASS衛星は1996年以降初めてフル構成に復帰したとのこと。
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第3回 アジア・オセアニアGNSS地域ワークショップ, 2011年11月2-3日, 韓国済州島フェニックスアイランドホテル
これやっぱり出なきゃまずいだろうなあ。ということで参加するかも。参加締め切り10/14。
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いつのまにか10月だあ。
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