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日本経済新聞, 位置測定, 誤差3センチ 衛星「みちびき」実験成功 民生用で世界最高 日本版GPSへ前進, 2010/12/28
> 国産測位衛星「みちびき」を使い、走行中の車の位置を誤差3センチメートル以内と、民生用としてはとのことである。実験はSPACによるLEXを使ったcm級測位補強実験のことと思われる。「民生用としては世界最高精度」というのが意味が良く分からないし、「次世代カーナビゲーションシステム」に使うにはまだ課題が山積しているが、まあ何にしろめでたいことである。
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www.beidou.cov.cn, 北斗?星?航系?介?(English)
Compass (BeiDou) のプロモビデオ (英語) が公開された。キャッチコピーは"Serve the world, Benefit
the mankind"。
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RIA Novosti, Launch of new Russian navigation satellite postponed to next year, December 21, 2010
12/28に予定されていたGLONASS-K1の打ち上げが来年に延期。"Preparations have not been completed"とあるだけで原因不明だが、何らかのトラブルが発生した可能性もある。
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S. Pace, Expert Advice: The Strategic Significance of Compass, GPS World, December, 2010
米Space Policy Insituteの所長S.Paceが、中国の測位衛星戦略とCompass (Beidou-2) を取り巻く状況について書いている。特に新しいことはないのだが、現状の的確な分析の様に思う。
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RussianSpaceWeb.com, Uragan
ロシアの宇宙機に関して良くまとまったサイトを見つけたので、GLONASSに関する頁を貼っておく。このサイトの情報によるとGLONASS/GLONASS-Mは1982年の初号機から数えて今まで43回の打ち上げで、打ち上げ失敗は12/5の失敗を入れて3回。前回の失敗は1988年だから先日の失敗まで22年連続して成功していたということになる。また43回全部が衛星3機同時打ち上げとなっており、軌道に投入された衛星の数は全部で119機
(第5回の1機はダミー)。 ただ第1世代GLONASS衛星は運用寿命が4年と短く頻繁な打ち上げが必要であった様だ。なお、現世代のGLONASS-Mは運用寿命7年、新世代のGLONASS-K1は10年となっている。
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www.beidou.gov.cn, 我国成功?射第七?北斗?航?星 ??全年?星?射十五?十五捷, 2010/12/18
2010/12/17 20:20 UTC, Compass (Beidou-2) 7号機、中国西昌宇宙センタから長征3号ロケットで打ち上げ成功。軌道はIGSO。これで打ち上げ順はMGGGIGIで、軌道上のCompass
(Beidou-2) 衛星はGEO×4機、MEO×1機、IGSO×2機の合計7機 (うち1機のGEO衛星は軌道ドリフト中) となる。
今年のICG資料によると、2012年にphase II G×5+I×5+M×2構成で地域航法サービスを完成としているので、概ね計画通り順調に進んでいると考えて良いと思う。ただ、今後の衛星配備計画についてはまだ不明な点が多い。例えば2020年にはphase
III 35機構成でGPS L1C, L5互換の測位信号も計画されている様だが、現在軌道上の衛星がこの35機に含まれるのかどうかも良く分からない。また、現在サービス中の測位信号仕様もその詳細は公開されていない。
12/27 or 28のGLONASS-K1がまだ残っているが、今年の測位衛星の打ち上げについてまとめておく。ここまでで打ち上げ成功13、失敗4。
Date/Time (UTC) | Satellite | Orbit | Launcher | Launch Site | Notes |
2010/01/16 16:12 | Compass (Beidou-2) G2 | GEO | Long March 3C | Xichang, China | |
2010/03/01 21:19 | GLONASS-M x 3 | MEO | Proton-M | Baikonur, Kazakhstan | |
2010/04/15 10:57 | GSAT-4 (GAGAN) | GEO | GSLV | Satlsh Dhawan, India | Failed |
2010/05/28 03:00 | GPS Block IIF-1 | MEO | Delta-IV | Cape Canaveral, USA | |
2010/06/02 15:53 | Compass (Beidou-2) G3 | GEO | Long March 3C | Xichang, China | |
2010/07/31 21:30 | Compass (Beidou-2) I1 | IGSO | Long March 3A | Xichang, China | |
2010/09/02 00:53 | GLONASS-M x 3 | MEO | Proton-M | Baikonur, Kazakhstan | |
2010/09/11 11:17 | QZSS-1 "Michibiki" | IGSO | H-IIA | Tanegashima, Japan | |
2010/10/31 16:26 | Compass (Beidou-2) G4 | GEO | Long March 3C | Xichang, China | |
2010/12/05 10:25 | GLONASS-M x 3 | MEO | Proton-M | Baikonur, Kazakhstan | Failed |
2010/12/17 20:20 | Compass (Beidou-2) I2 | IGSO | Long March 3A | Xichang, China | |
補足: GLONASS-K1打ち上げは2011/2に延期。(2011/1/2追記)
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Google翻訳
> 中国は第七Beidou航法衛星を起動しますということで、もしかするともう上がっているのかもしれないが、Beidou (Compass) 7号機が打ち上げられる様だ。以前の情報では衛星軌道はIGSO。
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宇宙航空研究開発機構, 準天頂衛星初号機「みちびき」の定常運用移行について, 平成22年12月15日
「みちびき」の3ヶ月間の初期機能確認が完了し、定常運用に移行したとのこと。これから各種の技術実証実験が開始される。ただし、今後3〜6か月かけて、精度、システム運用、インテグリティ等の評価を行った後に、仕様 (IS-QZSS) に適合する信号が提供される。すなわち、現時点では仕様を満足する信号の提供は保証されない。 そのため、QZ-visionに注記があるように、当面は航法メッセージのアラートおよびヘルスフラグを立てたまま衛星は運用される。 通常のGPS受信機ではunhealthyな衛星は測位に使われない。 技術実証実験ではこれでは困るので、これら実験に使われるQZSS対応受信機では、unhealthyな衛星を利用するための特別なF/Wが提供されるものと思われるが、現状ではその辺の仕様は明確になっていない。
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RTKPLOTに地図画像を張り付ける機能を追加。これはずっとやりたかったのだけど、画像のリサンプリングが結構面倒で後回しになっていた。VCLのStretchDraw()を使った手抜き実装なのだけど、一応上手く動くようになった。地図画像はJPEGならなんでもOKなのだけど、一番簡単なのはGoogle Earthで対象エリアを表示させて、ファイル - 保存 - イメージを保存、でJPEGに保存すればよい。画像回転機能は無いのでGEナビゲーションの (N) をクリックして地図画像上方向を北に固定させてから保存する必要がある。この機能はRTKLIB 2.4.1に入る。
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覚書: RTCA/DO229Cのバグ。(電離層貫通点の計算)
Appendix A A.4.4.10.1 (A-37 L4):
誤: or, If Φu>-70°, and -tan Ψpp cos A > tan(π/2 - Φu)
正: or, If Φu<-70°, and -tan Ψpp cos A > tan(π/2 + Φu)
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GPS World, GLONASS Vows Returns to 24 by March, December 8, 2010
ロシアRoscosmos長官A.Perminovのインタビューによる今後のGLONASSの予定を伝えている。これによると、現在保守中の1機の位置を移動させ、数カ月以内に2機のGLOASS衛星を追加することにより来年3月までにFOC運用体制に移行する。まず、GLONASS-K1初号機を12/27に打ち上げてすぐにでも運用に入る。さらに現在製造中の1機のGLONASS-Mも3-4カ月以内に打ち上げ可能になる。両衛星ともソユーズロケットでプレーン1に投入され、運用中の衛星を合わせて来年第1四半期には24機の衛星で世界中をカバーする。
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GPS Daily, Program Error Caused Russian Glonass Satellite Loss, December 7, 2010
GLONASS-Mの打ち上げ失敗原因についてまだ公式発表は無いが、関係者の話として、ロケット搭載計算機のプログラムエラーによる過剰なエンジン噴射により軌道が外れたのが原因ではないか、としている。
補足: 上段ステージDM-3の燃料の積みすぎで、予定軌道からはずれたことが打ち上げ失敗原因ではないかとのこと (参照)。今回十分な試験を行わないで新しい燃料搭載手順を適用したらしい。(12/18追記)
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SpaceFlight Now, Proton launch failure dooms Glonass navigation satellites, December 5, 2010
2010/12/5 10:25 UTC 3機のGLONASS-M衛星を乗せたProtonロケットがカザフスタン バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたが、飛行途中で障害が発生し打ち上げ失敗。ロケットと衛星は太平洋に沈んだ。原因はまだ不明だが、関係者の話では3段目切り離し、Block
DMエンジン点火時に問題が発生した模様。この打ち上げでGLONASSのFOC完成の予定だったが、これも先に延びることになる。次の打ち上げは12月24日
ソユーズによるGLONASS-K初号機。ただ、GLONASS-Kは試験衛星との報道もあるのでGLONASSの運用に組み込まれるかどうかは不明である。
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www.roscosmos.ru, 2010/12/02
GLONASS-Mトリオの打ち上げ準備が進むProton-M。Baikonur宇宙基地はまだ雪は積っていないようだ。打ち上げ予定は2010/12/05
10:25:19 UTC。
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覚書:GLONASSコード生成式
L1C/A, L2C/A: p(x)=1+x5+x9 (11bit LFSR)
L1P, L2P: p(x)=1+x3+x25 (25bit LFSR)
GLONASS ICDにはPコードの仕様は含まれていない。調べているのだが公式文書によるPコードの規定は無い様だ。上記はHofmann-Wellenhof (2008) 10.5.2 より。Pコードは元々軍用だが現在暗号化は施されていない。GLONASS Pコードの占有帯域は隣の周波数の衛星と殆ど重なっているので、Pコードでの直接捕捉は多分無理で、最初にC/Aで行い後からPに移行する必要がある。C/Aコードでも隣の周波数の衛星とのセパレーションが悪いので航法データデコード後に、その内容を確認して衛星番号を確認する必要があると思う。調べるとGLONASSの捕捉・追尾も一筋縄ではいかない様だ。
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GNSS Signal Specifications
結局、この表を1枚作るのに色々調べて丸1日かかってしまった。一部未確認情報を含む。将来的にはS/W受信機で全信号に対応したいので全容を把握するため整理してみた。
全般に新しい測位信号の特徴は、主拡散符号に短い符号を掛け合わせた"Tiered code"を使っていることが多いこと。S/W受信機で良く使われるFFTによるcircular
correlationでは上手く処理できないので、これらの長い符号の捕捉には色々と工夫がいる様だ。しかし未だにGalileoのE5 AltBOCの構造が良く理解できていない。
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JAXA's, No.035, December 2010
JAXA機関紙今月号の巻頭特集がQZSSなので貼っておく。(いつもお世話になっています...)
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JARL, アマチュアバンドプラン, 平成21年3月30日
QZSSのLEX信号 (中心周波数: 1278.75MHz、占有帯域幅: 42MHz: IS-QZSSによる) に対するアマチュア無線電波の干渉が結構酷いという話を小耳にはさんだので、ちょっとアマ無線のバンド割り当てを調べる。1260〜1300MHzはレピータ、アマ衛星通信、EME、ATV等で利用している様でLEX帯と完全に重複している。この帯域が実際にどれくらい使われているのか分からないが、確かに相当に条件悪そうだなあ。
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