日記・備考録 |
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RIANOVOSTI, Russia Launches Glonass-K satellite, 2011/2/26
2011/2/26 3:07 UTC, GLONASS-K衛星初号機、ロシア プレセツク宇宙センタからソユーズロケットで打ち上げ成功。GLONASS-K衛星はGLONASSとしては初のL3民生信号を備え10年の運用寿命を持つ。現在運用上のGLONASS衛星は22機。今年後半に3機のGLONASS-M衛星をプロトンロケットで打ち上げFOC完成の予定。
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G.Petit and B.Luzum eds., IERS Technical Note No.36: IERS Conventions (2010), 2010
とりあえず4月以降の仕事に必要になりそうなので貼っておく。Additional materialはこちら。いくつかのプログラムへのリンクも得られる。
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RIANOVOSTI, Russia postpones navigation satellite launch from Plesetsk, 2011/2/24
GLONASS-K1打ち上げ24H延期。
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EETimes, 複数の衛星システムを同時に利用可能, STマイクロが測位用SoCの新シリーズ発表, 2011/2/21
mycom, Broadcom, GLONASS衛星をサポートするGPSソリューションを発表, 2011/2/18
The American Surveyor, SkyTraq Introduces Low-Power High-Performance GLONASS/GPS Receiver, 2011/2/1
ということでGLONASS対応の一般向けGNSS受信機の発表が相次いでいる。GLONASS対応にはRFを含んだ回路の大幅追加、F/Wの大幅機能拡張が必要なので、正直言ってGLONASS対応の受信機がここまで増えるとは思わなかった。GPS+GLONASSによる低価格一周波RTKの実用性が一段と高まっている訳だが、どうなるだろう。なお、以前書いている通りGPS+GLONASS 1周波RTKはかなり実用性が有る (GLONASS衛星があと3機上がれば、性能はGPS 2周波RTKに近い)。Raw対応の一般向け受信機が出れば、RTKLIBとの組み合わせで非常に安価で実用的なRTKシステムが組める。高性能GPS+GLONASS
L1アンテナの入手性、CH間バイアスの校正等、まだ幾つか課題はあるが応用製品化を狙っている方は早めに開発を開始した方が良いだろう。でも知る限り日本の一般受信機メーカでGLONASS対応考えてるところないみたいで、これ何とかなんないんですかねえ。
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ROSCOSMOS, Soyuz-2.1b/Glonass-K Undergo Final Prelaunch Processing at Pleaetsk, 2011/2/21
24日のGLONASS-Kの打ち上げに向け最終準備中のSoyuz-2.1b。Google Mapで調べてみたらプレセツクってずいぶん北にあるのね
(北緯62度48分)。さすがに寒そうである。
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UNAVCO, BINEX: Binary Exchange Format, 16 February 2011
BINEXのフォーマット規定を教えてもらったので貼っておく。色々と必要性があってRTKLIBの次の次の版でBINEX対応を予定しているのでちょっと調査。データ構造が良く分からないのだけどGNSS観測データはRecord 0x7f: GNSS Observable Prototypingで定義されているらしい。satellite IDとしては一応GPS, GLONASS, SBAS, Galileo, Compass, QZSSが定義されている。でもL2CやL5はないし、SBASやGLONASSエフェメリスもまだ取り扱えないみたい
(GLONASSはIDは割り振られているけど"under consideration"になっている)。ちょっと機能ががレガシーすぎるし、版管理がいい加減な気も。誰かもう少しまともなマルチGNSS対応のバイナリデータフォーマット作ってくれないだろうか。(結局RINEX
3.x 対応にBINEXをバージョンアップしてもらえばいいのだけど、今のUNAVCOのteqcの対応を見てるとやっぱり後10年位かかりそう)
ソフトウェアを開発する側から見ると決定版の標準フォーマットが一つだけあるというのが理想なのだけど、なかなかそうもいかないのかもしれない。
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4月からの仕事に向けて、GTにおけるGPS高精度軌道時計決定アルゴリズムの改良の歴史を過去の記録から探す。
まずGTは2004年4月から開発を始めたのだが、最初はどんな方式がいいのか試行錯誤していてなかなか精度が出なかった。記録を見ると7月2日に約32cm (3DRMS)、7月14日に20cmを切って、7月25日に12.5cm、ここで少し作業が止まって10月に再開、11月10日に始めて10cmを切る。また少し作業が止まって次の年の4月に7cmを切る。その先はこの日記・備考録の2005年4〜7月を参照。ジリジリを記録を伸ばして7月12日に5.2cm。ここで大体やれることはやり尽くしたという感じで、作業凍結。その先は外部機能の追加、細かいバグ修正やモデル改良はあったが、本質的なアルゴリズム変更はしていない。一時期は、日中にモデル・コード改良やパラメータ調整をして、寝る前に解析を仕掛け、朝起きて結果をチェック、評価、またコード改良・修正、という作業を、来る日も来る日もひたすら繰り返していた。今振り返ってみると何にも分かってなかったなあとも思うが、少なくとも今よりははるかに情熱を持って取り組んでいた気がする。当時と比較し、今は明らかに経験値は上がっているのだけどそれだけの情熱を持てるのかという点では心もとない。
という様なことを書き散らしているのは退路を断って「腹をくくる」のが目的だったりする。
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最近は (3末ではなく) 2末納期の仕事が多くてちょっと焦り中。RTKLIB 2.4.1も早く正式版を出したいし。
現在、4月からの仕事のオファーを幾つか貰っていて、まだ最終的にどうなるか分からないのだけど、新年度からの生活は少し変わりそう。まあ、嘱望されるということは有り難いことだし、自分の能力が生かせてかつ広い意味で社会に貢献できる仕事に携わることができることは幸福なことだとも思う。少し「腹をくくる」必要がある。
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QZ-vision, アドバンス・インタビュー 第1回: 小暮聡主任開発員, 2011/02/14
おお、小暮さんだ。いつもお世話になってます。
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GPS World, JAVAD Receivers Track Compass B1 Signal, February 4, 2011
JAVADがCompass B1信号の追尾に成功したと発表した。Compass (Beidou 2) の信号仕様の詳細は、まだ中国国内以外には公開されていないので、拡散コードの仕様はStanfordのGrace
Gaoらが解析した結果 (参照) を使っているのではないかと思う。さすがに航法データ解読はまだ無理だと思うので、信号を追尾できても測位には使えないが。(なお、スカイプロットにはNORADのTLEを使っているようだ。)
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測位航法学会 平成23年度全国大会, 2011年4月25〜27日, 東京海洋大学 品川キャンパス 楽水会館
最初の案内が出た様なので貼っておく。
1、2日目のセミナーでRTKLIBの解説と演習をやる予定。2日間に渡って基礎技術やアルゴリズムの解説、ソフトウェアの操作方法から応用まで一通り講義する。各日の午後後半は演習として自分のノートPCで実際に解析を行ってもらって使えるようになってもらう。多分、使うバージョンは2.4.1。RTKLIBはもともと測位アルゴリズム研究を目的に開発したので、解析オプションひとつとっても衛星測位の広範な知識が無いと理解不能で、一般の人が使うのはなかなか大変。でも使いこなせれば結構強力なツールだと思うので少しでもノウハウを伝授できればと考えている。可能ならQZSSを入れたリアルタイムのデモがその場でできれば良いのだけど。(ちなみに、裏のもう一本のセミナーは参加者がダブらない様、GNSS受信機技術関係になる予定。ホントはこっちを聞きたい...。)
以上、費用未定ですが学会員でない一般の方や学生さんも参加できますのでふるってご応募ください。
補足: 事前登録参加費は会員\10,000, 非会員\15,000とのこと。学生さんの参加費は現在公式サイトの記載にちょっと混乱が有って確認中ですが\5,000以下になる予定。(2/10追記)
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GPS World, Michibiki Produces 3-Centimeter Accuracy, January 11, 2011
昨年末の日経の記事を参照して、QZSS SPAC-LEXの実験を紹介している。日経みたいな素人記者が書いている訳ではないので「民生用としては世界最高精度」みたいな印象記事ではなく、
> As a commenter from the United States pointed out, “There’s nothing
new about 3-centimeter
> GPS accuracy. The surveying, construction, and agriculture industries
have been using 2?5
> centimeter level real-time kinematic GPS technology for well over
a decade.
と、「それがどうしたの」と言わんばかりである。でも、この実験の価値は帯域の非常に限られた放送電波で広域のcm級測位用補正が可能な点にあるので、GPS Worldのコメントもピントはずれである。個人的には似たようなコンセプトを以前発表 (参照) していることもあり、ぜひ実用化まで行って欲しいものである。実は、2/2に日大の佐田先生のところで行われた公開デモにちょっと行ってきて、少し内情を聞いたのだけどまだ先が長いなあという感じである。いずれにしても、一つ注文を付けたいのは、日本全国を同時サポートするフルスペック仕様でキチンと実証試験をして欲しいということ。すなわち地域限定補正では技術的な価値は無いし、精度「3cm」は誇大宣伝にすぎない。多分開発されている方々は十分分かった上で、色々な妥協でこういう仕様になっているのだろうとは思うけど。
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あんまり大した話じゃないのだけど、可視衛星数が多くなった際のRTKNAVIのSNRグラフの重なりが気になっていたのでワイド表示モードを追加。でもこんな作業でも気にいった表示に落ち着くのに半日もかかっている。GUIは適当なところで妥協しないといくら工数があっても足らない。
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いつの間にか2月だあ。ということで今年の春の連合大会は何か発表することにした。今半年分ほどリアルタイムPPPの結果が溜まっているので、リジェクトくわなければ5月までにちゃんとデータを整理するつもり。
高須, IGSリアルタイム精密暦によるリアルタイムPPPの性能評価, 日本地球科学連合2011年大会 (予稿), 2011/5/22〜26, 幕張メッセ
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