日記・備考録
Diary/Memorandum

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2005/07/01〜

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2005/06/30

Astroのプログラム届く。割り当て30分。少しはゆっくり喋れる。ありがたい。

PPPの高速化、のはずが一日かけてむしろ遅くなってやんの。はあ。暑いし疲れる。今日はもうおしまい。ビールでも飲むことにする。今日で今年も半分終わり。この半年は早かった。

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2005/06/29

対流圏遅延勾配2次項追加。これでver.0.5.5は機能・モデル的には凍結。残りのTo Do Listはver.0.5.6以降に持ち越し。パラメータ調整とバグFixで5cmを切れるか、あと約1ヶ月の勝負。

推定途中で共分散行列が正定性が崩れ特異になってしまう現象が発生。衛星運動遷移行列誤差に起因するとふんで遷移行列計算時の差分パラメータを調整したら一応収まった。この手の問題は再現性が低く対処が難しい。

衛星アンテナPCV補正の結果、5.39cm。僅かではあるが記録更新。ついでなので残っている記録の整理。条件が横並びではないのであくまでも参考。

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2005/06/28

そろそろ6月も終わりなので心残りは色々あれど収束方向。ver.0.5.5も暫定凍結してバグ出しとパラメータ調整開始。

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2005/06/27

第49回宇宙科学連合講演会。11/9〜11 in 広島。講演申し込みが始まっている。〆切7/15。一般講演は航空宇宙学会員じゃなきゃダメ。オーガナイズドセッションは学会員以外でもOK、でも中身未定。さてどうするか。でもCDROM講演集もアブスト集もいらないから参加費もっと安くしてくれ。

衛星アンテナPCV補正追加。効いたとして多分1〜2mm。5cmまでもう少し。でもそろそろver.0.5.5をフリーズしなければ。

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2005/06/26

論文、その他リンク
J.Kouba et al., GPS Precise Point Positioning Using IGS Orbit Products, 2000
中身は
A Guide to Using IGS ProductsとかなりダブるがこちらにはPPP精度評価の詳細がある。精度は局位置1〜2cm, 対流圏6〜8mm, 時計〜0.2ns。少しデータが古いのとこの頃は5分Clockが無く15分Clockを使っているのでこんなものか。
PRN19 postfit residualsの天底角依存性。PRN22,23が同様。全て新しいBlockIIR衛星。衛星アンテナPCVの影響だろう。これくらい大きいと補正を入れると推定値が改善される可能性がある。

ついでなのでAMC2 postfit residualsの仰角依存性。明らかにphase multipathの影響が見られる。

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2005/06/25

記録更新 5.4cm (GT0.5.5alpha2)。改良点はちょっと秘密。JPLを抜いた。残りはCODE, GFZ, NRCan, MIT。

参考文献
A.Gelb, Applied Optimal Estimation, MIT Press, 1974
カルマンフィルタ理論。古典。今はペーパーバックしか手に入らない。
S.Grewal, Kalman Filtering Theory and Practice Using MATLAB, Second Edition, Wiley Interscience, 2001
カルマンフィルタ実用。Factorization等実装上の諸問題に詳しい。
O.Montenbruck and E.Gill, Satellite Orbits, Models, Method and Applications, Springer, 2001
衛星運動理論, 軌道決定。これが出る前は難解な文献しかなかったので重力ポテンシャルの展開に苦労した。
P.J.G.Teunissen and A.Kleusberg, GPS for Geodesy 2nd Edition, Springer, 1998
ちょっと古い論文集。精密解析に必要な理論が一通り網羅されている。Blewittの6章GPS Data Processing Methodologyは必読。

B.W.Parkinson and J.J.Spilker Jr, Global Positioning System: Theory and Applications Volume I, II, AIAA, 1996
これも少し古い論文集。これも一通り必読。

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2005/06/24

論文、その他リンク
D.Kim et al., Instantaneous Real-time Cycle-slip Correction of Dual-frequency GPS Data, ?
リアルタイムサイクルスリップ補正。

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2005/06/23

そろそろ現バージョン凍結に向けて色々と作業。SANE論文進まず。
午後、別件打ち合わせ。

昨日リンクの基準点体系分科会報告書付録の利用者側要望調査の中で衛星測位システム協議会が、準天頂衛星につき「2〜3000億円は安い」と書いているが少し感覚がおかしいような。準天頂衛星が無価値とまで言わないがその前により低予算でやれることは沢山あるような気がする。そもそも衛星測位システム協議会って何?

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2005/06/22

論文、その他リンク
国土地理院, 公共測量等へのPCV補正について(GPSスタティック測量)

国土地理院から公開されるPCVパラメータを使用することにより異機種アンテナ間基線解析(スタティック測位)を公共測量に使用できるようになるとのこと。逆に今までは異機種アンテナ間基線は公共測量に使用できなかったということ。
もともと「公共測量」とはなんぞや。ということで
国土地理院, 公共測量とは?(必要な手続きと様式集)

しかし測量法で決まっているとはいえ、なんという前時代的な規則と手続き。測量屋さんも大変だなあ。まだ至る所に残る古臭い規制の一つだろうがもう少しなんとかならないものだろうか。

神谷他, 都市再生のための精密三次元空間データ利用技術の開発
都市部精密測位技術のサーベイ。シュードライトはダメでDGPS/VRS,StarFire,無線LANが有力とある。キネマテック測位がダメなら同様に搬送波位相を使うStarFireもダメだと思うのだがちゃんと評価しているのだろうか?

国土地理院, ダイナミックな測地基準点体系の実現に向けて -変動する国土と人々を結ぶ位置情報の基盤- 基準点体系分科会(III) 報告書, 2003
日本の測地基準点体系の現状・課題と今後の施策。少し肩に力が入りすぎのような。

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2005/06/21

一日中眠くて仕事はかどらず。
ftpget.mのリトライ機能追加。gpsdownでたまにdownload漏れを起こすから。ftpget.mはdosコマンド使ってftp.exeを呼び出してるんだけれどこれはPASVモードをサポートしてないためファイアウォール設定を厳しくするとftp転送できない。windows版wget使うか。
ところでIGSをはじめ色んなデータをネット上からダウンロードするのは専用ツールがないと凄く面倒だと思うのだが皆さんどうしているのだろう。windowsのftpツールでキーワード置換が使えるのはあるのかな。linuxならwget+scriptか。

CNET Japan, 「GPSより正確」米新興企業がWi-Fi測位システムを提供開始。全世界で使えるGPSと特定の都市域のみで使える無線LANと比べてもと思う。でも「GPSが数百メートル」精度とはひどいな。いつの時代の話だ。
都市域の測位技術は無線LANに限らず色々あり可視条件の悪い衛星を使う必然性はそれほどない。ライブドアが山手線内80%をカバーする安価な無線LANサービスを始めるらしいので日本でも普及するかも。しかし米国では携帯のアンテナより無線LAN APの方が数が多いって本当?

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2005/06/20

論文、その他リンク
T.A.Herring et al., Atmospheric Delay Correction to GLAS Laser Altimeter Ranges, 1999
O.Bock et al., Atmospheric processing methods for high accuracy positioning with the Global Positioning System, IGS Network Workshop 2000
X.Zou et al., A ray-tracing operator and its adjoint for the use of GPS/MET refraction angle measurements, Journal of Geophysical Research, Vol.104, No.D18, 1999
対流圏関連、数値予報モデルを使ったray-tracingによる対流圏遅延推定。気象関連は少し古い論文が多いがそれだけ枯れた分野ということか。上のBockさんはRTDのBock博士とは別人の様。

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2005/06/19

NASA GSFC/NIMA EGM96 全球ジオイドモデル。基準楕円WGS84。0.25度格子。凹凸を強調した全球表示を下に示す。こうして見ると地球は本当にジャガイモみたいだなあ。GSIジオイドと比較して誤差0.5mくらいなので対流圏遅延補正用にはEGM96でも十分。



EGM96 ジオイド・モデル

論文、その他リンク
中村編, GPS気象学, 気象研究ノート第192号, 1998

少し古い論文集だがGPS気象学のみならずGPS精密解析の基礎につき良くまとまっている。なおネットで落とすことはできない。

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2005/06/18

回転楕円高→標高変換ルーチン追加。気象データや対流圏遅延モデルは通常標高で定義されているので変換が必要。日本付近では50m近い差があるので無視出来ない。とりあえず、国土地理院のジオイドモデルのデータを読み込んでmatに落として二次元補間するだけ。日本以外は何を使うのがいいのかよく分からない。その他地図表示GUIルーチン関連。
電子基準点データダウンロード中にディスクフル。電子基準点データだけで120GBを超えた。そろそろ新しいHDを買わなければ。いま買うなら日立かMaxtorの250Gかな。


国土地理院「日本のジオイド2000」ジオイド・モデル

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2005/06/17

気象庁GPVを使った対流圏遅延補正追加。思ったとおり殆ど改善なし。
kinematic PPP面白い。でもそろそろ当面の妥協点を見つけなければ。

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2005/06/16

kinematic PPPを使うと地球潮汐による局位置変位 (Site Displacement) をきれいに捉えられる。相対測位だと基準点も同じように動くのでうまくいかない。逆に言えば補正の必要性も少ない。
GT kinematic PPPとモデルの比較。変位のうち大部分が固体地球潮汐によるもの。海洋荷重は水平最大3mm、垂直最大1cmくらいなのでこれを見るには精度不足。なおこれらの潮汐モデルは大変進んでいる分野で最新モデルを使うと0.1mmくらいの変動まで予測できる。GTではそのうち約2mm以上の項を入れている。でも以下をよーく見ると少し位相がずれている気もするな。


GT kinematic PPP (Site Displacement補正なし)


Site Displacement モデル (表示プログラム)

論文、その他リンク
M.Pratt, Single-Epoch Integer Ambiguity Resolution with GPS L1-L2 Carrier Phase Measurement, ION GPS 1997

1エポックアンビギュイティ解決アルゴリズム。どうもピンと来ないのだが一昔前は高速アンビギュイティ解決が流行っていたみたいだ。

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2005/06/15

960568守門 10/23 kinematic PPP結果を解析しているのだが20:30の座標飛びはどうもcycle-slip検出漏れが原因。20:25〜30 PRN28-960568 LGに飛びが見られるがarc分離できていない。static測位では隠れて見えない問題。ゼロ差cycle-slip検出の難しさを示す好例だが、この程度の誤検出で10cmも座標が飛んでいては多分実用にはならない。しかしまだ垂直が暴れているのは精密暦誤差が原因か。もしそうならこれ以上どうしようもない。

PRN28-960568 LG, MW

PRN28を抜いたkinematic PPP結果

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2005/06/14

SANE向けpaper開始。でもpaperって面倒。ネタを適当に喋ればいいだけなら楽なのに。場違いは間違いないし多分二度と出さない予定。

論文、その他リンク
平田, 2004年新潟県中越地震の緊急余震・GPS観測, 2004

RTDで解析した電子基準点960568守門観測点変動がある。
同一データをGT kinematic PPPで解析した結果(300秒間隔)。水平方向のノイズは似たようなものだがRTDは上下方向のノイズが大きい。逆にGT PPPは上下変動が大きい。RTDは基線長が10kmを超えると誤差が大きくなるとの報告もある。この例では約25kmでRTDには少しきつい条件かもしれない。上記論文で基準局にとっている020961新潟下田のGT kinematic PPP結果も示す。この局はほとんど動いていないはずだが水平1cm強、垂直3cm弱くらいの精度はでている。垂直ノイズに似たような傾向が見えるが対流圏か精密暦誤差のどちらかの影響だろう。差分をとればこれらがキャンセルされるので精度が少し上がるはずだがそうなると使い勝手が相対測位とあまり変わらなくなる。


(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)

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2005/06/13

以前、GSI F2解は座標のrepeatabilityがそれほど良くないと書いたが訂正。F2解のrepeatabilityは十分良い。F2解の2004年1〜12月分repeatability、2004/10月分repeatability。(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)
なおこの表でrms errorはトレンドを削除した値、repeatabilityはトレンドを削除しない値。また年周・半年周変動、地震等による変動は補正していない。1年分を見ると夏季に垂直座標がばらつく傾向が見えるがこれは対流圏推定の問題だろう。なおGT PPPについてはプログラム見直し中で見直し後再解析予定。1年分評価をしたいので電子基準点データdownload中だが全点は時間切れなので多分200点くらいで評価の予定。

論文、その他リンク
山際, リアルタイム減災システムとしてのGEONET, 第24回国土地理院技術研究発表会, 2005
GEONETを使って地殻変動をリアルタイムに捉えるためのboot-strapping法の紹介。細かいクラスタ分けを行いクラスタ間は共有観測点座標を使って結合していく。クラスタ内の測位はRTDを用いている。1秒データにより地震波伝播を追跡することができる。絶対座標推定、計算時間の面ではPPPの方が優れているし、長時間固定点測位は収束時間が問題になりにくいのでPPPに向いていると思う。ただリアルタイムとなると使えるリアルタイム精密暦の精度問題がある。また1秒間隔だと時計補間誤差の問題もある。

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2005/06/12

GT0.5.5 60局: 5.78cm, 7日分の解析で14Hもかかった。今日は休養。

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2005/06/11

GPS軌道・時計決定における観測局数の影響についてまとめてみた。当然局数が増えるとデータ数が増えるので精度がよくなる傾向はある。IGS AC解は参考。NRCanが45局で4cmを切っているのは立派。GT0.5.5 60局で再評価中。局数が増えると時間がかかるので多分今日一杯はかかる。

観測局数による軌道決定精度の変化

ちなみにこれもAstro向け覚え書き。

論文、その他リンク
株式会社 ジェノバ, 高精度位置情報サービス, 電子基準点データを使ったVRS及びDGPSサービス
株式会社 ニコン・トリンブル, 仮想基準点システム Virtual Reference Station (VRS(TM)), Trimble社VRS技術解説
VRSは実基準点データを単純に3点内挿しているだけと思っていたのだが電離層、対流圏補正情報を作ったりもしてるみたい。精度については直近基準点を使った相対測位に比べ良くなるとは考えにくいが使い勝手の良さや初期化時間短縮等で商品価値が有るのだろう。しかし測量屋さんの用語にはなかなか馴染めない。GPSによる高精度測位技術をサーベイしていくと結局技術がIGSに集約されているのが分かるのだが、そこで議論されていることと実際の測量の現場や一般GPS利用者の間には大きなギャップがあることを痛感する。あたりまえだが普通のユーザは海洋荷重モデルや電離層2次項補正なんかに興味はないのだ。

ところで調べていくとスタティック測位でも最近は10分位で結果の出る高速スタティックが主流。ambiguity fixの出来ないPPPはこのくらいの時間ではやはり短基線相対測位に勝つのは難しいだろう。地殻変動監視みたいな連続固定点測位はかなり特殊な応用と考えた方がよさそうだ。

ちょっと必要だったので2004/10/1における電子基準点アンテナ・受信機リスト (出力プログラム)
見事にほとんどTRM29659.00 + TRIMBLE 5700の組合せ。GSI F2解は受信機毎にクラスタリングしてるはずなんだけれどどういう風に分けているのだろう。
(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました) (ついでなのでIGS局のリスト)

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2005/06/10

Pentium Dのベンチ結果が出始め芳しくないところが多いがここでは絶賛。まあHITだからな。でも本当にMKLがP4 3.2Gの1.8倍速くなるなら買ってもいい。今GTの実行時間の3割はMKLで食ってるから。CPU 6万強、マザー2万。まだちょっとCPUが高い。4万まで下がったら試しに買ってみるか。電源も換えなきゃダメかな。

測位モードによる時間感度の差の中越地震、新潟大和は水平10cm、垂直4cmくらい動いているのだが垂直はノイズに埋もれて判別できない。このノイズを1cmくらいまで抑えなければリアルタイム変動を捕らえられない。

ダウンロードデータが100GBを超えた。落とし直せばいいのでデータはバックアップしてないのだが今HDが飛ぶと損害大きい。今晩にもバックアップをとるか。USB HDでも1晩あれば落とせるだろう。RAID付GigaEther対応NAS買うか。ちなみにRINEXデータはHatanaka compression+gzip圧縮のまま保存。そうしないと多分500GBを超える。圧縮ファイルのまま取り扱えるようGT0.5.4で改修済。

2004/12月分電子基準点観測データdownload完了。2004/9月分開始。2〜3H/日、2〜3日/月、1〜1.5月/年のペース。

論文、その他リンク
北畠他, 人工衛星の軌道決定技術, 雑誌富士通, 1997
少し古い論文。JAXAの軌道決定といえば富士通。GUTSも多分そう。でも精度は今のところ芳しくない。
25th ISTS & 19th ISSFD 2006/6/4-11 in 金沢
昔札幌のISTSで恥ずかしい発表したのを思い出した。一応国際学会なので発表は全部英語。ところで今年の宇宙科学連合講演会は2005/11/9〜11 in 広島、これには何か出す予定。営業&宣伝。

PPPに関する覚え書き:
精密単独測位(PPP)と相対測位の比較、精度はこれから評価して入れる。

ツールに関する覚え書き
crx2rnxのver.2.4.0はバグがあるのか大量の圧縮RINEXを解凍するとたまにエラー終了することがある。最新ver.2.4.2 (2004/7/14版)を使うほうが良い。前バージョンのwindows用バイナリはファイル名制限があってIGSのsubhourly RINEXを取り扱えなかったので今回もソースを自分でコンパイルして使っている。コンパイラBCC (make.bat)。

論文、その他リンク

日本測地学会, 測地学テキスト - キネマテッィクGPS , 2004、言葉の使い方を間違えると分かってない奴と思われるので用語を調べる。日本ではキネマティック測位と言うと移動体相対測位のことしか言わないようだが、kinematic PPPと言う用語は外国ではもう一般的なようだしまあ通じるな。でもStarFireみたいなWADGPSとreal-time kinematic PPPは技術的には殆ど同じ。応用が違うだけ。

PPPに関する覚え書き:static PPPにおける局位置プロセスノイズパラメータ

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2005/06/09

記録更新 5.7cm (GT0.5.5alpha, 推定条件)。 PRN29を除外すれば5.2cmくらい。PRN29の値はIGSも怪しいが向こうは300局、こっちは40局。運動モデルが悪い衛星は観測データ数がものを言う。オーバラップ24Hは1日分解析で1時間以上かかるので寝る前にセットする記録狙いパラメータ。衛星・局毎にパラメータを最適化すれば5cmを切る所までは行くと思うがモデルによる改善で無ければデモ用以外の意味は無い。それにもう比較相手の精度もせいぜい3〜4cmしかないので記録自体それほど意味はない。でも記録狙いで試行錯誤する過程に貴重なノウハウの蓄積がある。

UTC-TAI計算ルーチン追加。試験結果(試験プログラム)。長期の解析ではいちいちパラメータ設定してられない。地味な改良。

論文、その他リンク
P.J.de Jonge, Y.Bock et al., Epoch-by-Epoch(TM) Positioning and Navigation, ION GPS 2000

1エポックでambiguity fixして1cm精度を出すという謳い文句のEpoch-by-Epochアルゴリズム。開発はGeodetics Inc.、製品はRTD。
内山, エポック・バイ・エポックによる精密な基線解析とアプリケーションについて - RTDの紹介, 2004
Geodetics社RTD紹介。実際に電子基準点データをRTDで解析した十勝沖地震地殻変動等の結果がある。
長時間static測位であればPPPが相対測位に劣っている点はほとんど無いと思うが、kinematicや短時間static測位では高速ambiguity fixができる相対測位がやはり強いかもしれないと思い直してきた。PPPは少し収束が遅い。だから多分cycle-slipの多い環境ではきつい。
ところでepoch by epochと言うと登録商標に引っかかるのだろうか? 上記論文一応読んでみたけどEpoch-by-Epochアルゴリズムについての説明は何もなし。企業秘密?

PPPに関する覚え書き:測位モードによる時間感度の差

kinematic PPPの精度が出ない。どうもstatic PPPでは平均化されて見えにくい問題点が色々と残っているようだ。軌道補間誤差、clock jump修復、cycle-slip検出、観測点位置変位モデル、搬送波位相バイアス推定等。先は長い。

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2005/06/08

論文リンク
B.Richter et al., Study of Improved Observation Modeling for Surveying Type Applications in Multipath Environment, ION GPS 2001
搬送波位相観測ノイズの統計解析。SNR観測値を使ったweightingモデル。地味な論文。
S.Jin et al., Impacts of Stochastic Modeling on GPS-Derived ZTD Estimations, Geomatics Research Australasia, 2004
搬送波位相観測ノイズの仰角依存モデルがある。GAMIT: σ2=a2+b2/sin2(el) (a=4.3mm,b=3mm), Bernese: σ2=a2+b2cos(el)
観測ノイズモデルが精度に結構効くことが分かってきたので検索で見つけた。

PPPに関する覚え書き:観測ノイズモデル


IGS純正PPPパッケージの件。現在GPSの解析を行っていて最も煩雑で面倒なのは、観測データや精密暦に加えて解析に必要な色々なパラメータをきちんと揃える必要があるところである。例えばP1-C1バイアスの値は頻繁に更新されており観測時の最新の値を使用しなければならない。衛星の入れ替わりがあれば衛星依存パラメータも更新しなければならない。解析モデルを変更した場合にはそれに合わせてプログラム更新が必要になる場合もある。これらのパラメータやプログラムについて何が必要で何を更新しなければならないのか精密測位ユーザ全部が理解しなければならないのはあまり現実的ではない。従ってIGSがPPPパッケージと共に時系列パラメータ一式や更新プログラムをインターネットで公開し簡単なユーティリティを使って容易に使用出来る様にすれば、誰も既存の基線解析パッケージなど使わなくなるだろう。

Astro発表、和題と日本語アブストの要求あり送る。

論文リンク
IGS Berne Workshop and Symposium 2004 プレゼン資料集
やっと見つけた。ほぼ現在のGPS研究の最先端。その中から、

S.Kedar et al., The effect of the second order GPS ionospheric correction on receiver positions, IGS WS and Symposium 2004
電離層遅延2次項効果により、局位置季節変動数mm、地球中心オフセットバイアス、kinematic測位において鉛直誤差最大1cmが生じるとしている。ファラデー回転が効くみたいだ。
M.Rothacher et al., IERS Rigorous Inter-Technique Combination Implications to IGS, IGS WS and Symposium 2004
IERSによるVLBI, GPS, DORIS, SLR等測地技術統合プロジェクト。他の測地技術と比較しGPSは鉛直方向バイアスがある事が指摘されている。
R.Muellerschoen, Real-Time Aspects, the JPL Perspective, IGS WS and Symposium 2004
JPL GDGPS紹介。リアルタイム軌道15cm、対流圏5mm、時計0.1ns。衛星時計ジャンプによる誤動作につき報告がある。

電子基準点PPP結果:新潟県中越地震変動ベクトル、GSI解析結果と比較すると大体整合性は取れてる様に見える。

変動ベクトル図(水平)変動ベクトル図(垂直)
(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)

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2005/06/07

2004/11月分の電子基準点観測データdownloadやっと完了。途中terras.gsi.go.jpの障害もあったが丸6日かかっている。
引き続き2004/12月分download開始。2004/11月分電子基準点PPP解析も開始。

PPPに関する覚え書きで擬似距離バイアスについて再整理しているのだが頭がこんがらがって来た。問題を整理しておこう。
・P1-C1バイアス補正は本当に必要か?
・擬似距離平均を使った時計補正を行わない時計推定値を使った測位は精度が悪化するか?
上はどうせ搬送波位相バイアスを推定しているので固定バイアスはそちらに逃げるので固定バイアス補正を行わなくでも測位精度には影響ないのではないかということ。下はリアルタイム補正を行う場合には擬似距離平均を使った補正が行えないので未補正時計を使った場合測位精度が悪化するのではという危惧。
今まで時計推定について理論的な検討がおざなりだった様な気がする。結果がIGSに合えばいいというものではない。この手のやり方はどこかで行き詰る。ただ時計推定の問題は本質的に難しい。

論文リンク
J.Kouba, A Guide to Using International GPS Service (IGS) Products, 2003
IGS Productsを使う人で知らない人はあまりいないと思うが一応張っておく。必読論文。すごく細かい話で精度にもほとんど効かないのだがIERSに従えば5.2.2 Δλ計算はcosΦ→sinΦが多分正しいと思う。
static PPPに関する評価結果がある。使用ソフトはGIPSY, GPS Pace, Bernese, 結果はGT PPPの方が明らかに良いが評価期間が少し古いのでIGS Orbit/Clock精度の問題もあると思う。

J.Ray et al., IGS Reference Frames: Status and Future Improvements, から
IGSは一般ユーザが最高精度を最小の労力で得られるようIGSプロダクトを使ったPPP解析手順を文書化すべきであり、理想的にはPPPサービスとして誰でもフリーで利用できるオープンソフトパッケージを提供すべき、としている。
確かにIGS純正でフリーの高精度PPPパッケージが出れば、現在精密測位で使われている古臭くて使いづらい基線解析パッケージが必要なケースはほとんど無くなるだろう。基準点いらない、計算速い、グローバル絶対座標水平3mm、垂直6mm、対流圏5mm、時刻0.1nsの精度で求まる。IGUの品質がもう少しよくなれば準リアルタイムまでほとんどこれで済ませられるだろう。

同じ論文から
IGS解析センタが今後改善すべき解析モデルについてまとめている。
・日周以下ERP変動モデル : 8分潮モデルからIERS2003 71分潮モデルへ
・固体地球潮汐モデル:IAU2000歳差章動及びIERS2003固体地球潮汐モデル
・日周以下地球中心変動、ただし海洋荷重を採用している場合は既にその効果に含まれる
・日周以下大気荷重モデルの採用
・極運動潮汐:IERS2003による定義明確化
・章動モデル:IAU1980を使う場合は必ず章動補正込みで使う、あるいはIAU2000Aの採用
・電離層遅延2次項補正
・相対論効果:高次項の考慮 IERS2003
要するに電離層以外はIERS Conventions 2003使えということ。ただ全部mm以下〜数mmのオーダの話。精密モデルを使えば少しは効果が有るかもしれないが労力に見合った価値が有るかは疑問。現在測位で一番改善すべきなのは鉛直精度で対流圏が最も効いている筈。まずはそこをもう少し何とかしなければ。

測位と関係ない話題。Apple Intelチップ採用へ。今の事務所のPC構成はメインP4 WinXP、サブP4 WinXP/Linux+P4 WinXP、iTunes用Mac Mini、サーバP4 Win2000、ノートPenM WinXPなのだが早く1台のPCのVM上でWindowsとLinuxとMac OS Xが動くようにならないかと思ってた。今でもPenMは速くて低消費電力なので次世代Intelチップは有望。でも開発力でかなわないとしてもなんでもIntelになびくのもなんだな。実はAppleはMac Plusからの古いユーザなのであった。

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2005/06/06

terras.gsi.go.jpが夜中2:00くらいからまた繋がらない。やばいな。

論文リンク
Y.Gao et al., Performance Analysis of Precise Point Positioning Using Real-Time Orbit and Clock Products, Journal of Global Positioning Systems, Vol3, No.1-2: 95-100, 2004
Calgry大P3、こちらの論文にはstatic測位精度評価結果もある。JPL Real-time Oribit/Clock (IGDG)を使って20分でcmレベル、収束後水平9-10mm,垂直7mm。垂直が良すぎる気がする。

PPPに関する覚え書き:座標変換補正

terras.gsi.go.jpが復活。再度download開始。頑張れterras。

論文リンク
J.Ray et al., IGS Reference Frames: Status and Future Improvements, Celebrating a Decade of the International GPS Service Workshop and Symposium Proceedings, 2004
ITRF及びIGS基準座標系の解析プロセスと精度。現行の問題点と改善方法。必読論文。以前はプレゼン資料が落とせたのだが今は見つからない。プレゼン資料の方が分かりやすい。しかし時計の論文といい全ての技術的詳細を把握し整理できるJ.Rayは凄い。

PPPに関する覚え書き:時計推定
改めてまとめてみると頭が痛くなるような複雑さだ。でもPPPやゼロ差ではこれを理解しないと高精度推定は出来ない。もともとこのPPPに関する覚え書きはSANE PPP論文用の草稿として書き始めたのだがここまでまとまるともったいないな。どこか査読つき論文誌にでも出すか。

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2005/06/05

PPPに関する覚え書き:幾何距離モデル(2) (昨日以前の備考録中のPPPに関する覚え書きも別頁に移した)

再度、西村,岩淵他, GPS可降水量のラジオゾンデによる再検証 熟読。誤差の考察が参考になる。今回の電子基準点PPP測位結果をざっと見ると鉛直座標の日間変動が割と大きく、かつ近い局間で同じような変動傾向を示すことが多い。これらの誤差は主に鉛直座標と対流圏遅延とが推定時にうまく分離できていないことに起因する可能性が高いと推察している。もともとNiellは日本ではあまり一致性が良くないとの報告も見たことがあるし(再度検索したが見つからない)、単純なmapping関数と水平勾配だけで複雑な水蒸気分布構造による遅延を補正するのは無理があるような気もする。ここにうまく気象庁の数値予報モデルを導入すれば特に鉛直方向の測位精度向上につながる可能性が高い。とりあえず気象庁MSMからスラント対流圏遅延を求めるルーチンを作ってこのモデルで補正してみよう。新しいモデルの追加は既存パッケージを使ってると制約の大きいところなので自主開発の強み。実はGPVについて色々やっていたのはこの辺の布石なのであった。
GPS気象学: GPS水蒸気情報システムの構築と気象学・測地学・水文学への応用に関する研究-数値モデルによるGPS観測網の高精度化に関する研究 ということで既にGPS気象学プロジェクトでも似たようなことやっていたよう。でも問題になるのは静水圧遅延じゃなくて水蒸気遅延でしょう。ところで結果はどうだったのかな。

論文・その他リンク
小司他, X-BAIU99期間のGPS可降水量解析, メソ対流系の構造と発生・発達のメカニズムの解明

畑中, GPSデータ解析における大気モデリングに関する研究, 2004
目的は対流圏遅延モデルの評価だが、GISPY/OASIS-IIによるGEONET再解析を行っている。現行のルーチン解析に含まれていない大気遅延勾配を推定することにより特に南北成分の年周変化の振幅が減少したとしている。F2解とのGT PPPとの差はこれらの問題を反映している可能性もある。評価のためには最低1年分の解析が必要だな。結構大変。「GIPSYの精密単独測位」と書いていながら「基線解」と書いているし少し混乱がある様だ。

1200点のPPP結果をプロットしようとしたらメモリ不足で落ちてしまった。多点数・長期間に対応した結果解析ツールの整備が必要。まだ先は長い。

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2005/06/04

幾何距離モデルにおける局位置変換近似誤差(試験プログラム)。
>> testgeodist
2004/10/01 06:00:00 dt=0.10sec
lat= 0.0deg,lon= 0.0deg,h=0m : dp= 0.00004m, 0.00001m,-0.00010m (0.00011m)
lat= 0.0deg,lon= 90.0deg,h=0m : dp=-0.00001m, 0.00004m,-0.00005m (0.00006m)
lat= 60.0deg,lon= 90.0deg,h=0m : dp=-0.00006m, 0.00010m,-0.00002m (0.00012m)
lat=-60.0deg,lon=180.0deg,h=0m : dp= 0.00003m,-0.00008m, 0.00005m (0.00010m)
lat= 80.0deg,lon=270.0deg,h=0m : dp=-0.00006m, 0.00008m, 0.00001m (0.00010m)


概ね0.1mm以内に収まるので近似誤差は無視できる。なおこれらの近似誤差は地球回転速度変動より極運動オフセットを無視している方が大きいようだ。


電子基準点PPP 2004/10月分 約900点完。あともう少し。今晩はこれから見なきゃいけないものが有るのでおしまい。

ハーフタイム。国土地理院電子基準点PPP結果GSI F2解比較水平誤差、とりあえず600点。2004/10/1〜31(Geocenter補正済)。F2解はITRF系からズレてる可能性がある。これはマズいんじゃないかな。


(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)

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昨晩F2解は「相当にズレてる」と書いてしまったが結構影響の大きい話なので「ズレてる可能性がある」に書き直した。もう少し長期間で検証が必要。まあズレててもローカルな地殻変動を見るには問題ないしロングスパン変動を見るにも座標系がコロコロ変わっては困る。ただグローバルな地殻変動を見るのは現在の相対測位のやり方では問題が多い。あとF2解は座標のrepeatabilityもそれほど良くない。基線長にもよるが上下10mmくらいが多くGT PPPの5〜7mmに比較し少し落ちる。多分これも相対測位が影響していと思う。基線解析はバイアス整数化ができるのでPPPより精度が出易いと思っていたがそうでもないようだ (7/11削除)。 ただPPPは精密暦(Orbit/Clock)の品質に強く依存する。現在のIGS FinalやRapidは全く問題ないと思うが古いデータのPPP解析には精密暦品質の確認が必要かもしれない。

Download速度が上がらない。昨晩からDownloadしている2004/11月 電子基準点観測データがまだ22%までしか行かない。1200点1日分で700MB強を落とすのに大体2〜2.5Hかかってる。実効転送速度100KB/sくらい。うちのADSL(YahooBB 50M)はNTT局から遠いので3Mbpsくらいしか出ないのだがそれに比べても遅い。これでは1ヶ月分落とすのに2日半、1年分落とすのに1ヶ月はかかる。

論文リンク
西村,岩淵他, GPS可降水量のラジオゾンデによる再検証, 天気 Vol.50, No.12, 2003
GEONETデータ+GIPSY解析PWVとラジオゾンデPWV比較。PWV標準偏差2.3mm。外国論文ではPWV精度1mmとの報告もあり精度はどうなのだろう。変換モデル等詳細がある。PPP測位精度評価が終わったらGTでも同様の評価をしてみよう。でも最低1年分は解析する必要がある。
I.G.Petrovski, QZSS - Japan's New Integrated Communication and Positioning Service for Mobile Users, GPS World, 2003
QZSSプロジェクト紹介。QZSS軌道決定につきBerneseを使ったシミュレーションでdecimeter精度が得られたとしている。(でもFig.7はdecimeter精度には見えないが) 補正サービスと精密軌道推定アルゴリズムはJPLと協力して開発するとしている。

2004/10月分電子基準点全点PPP解析完了。一部異常データにつき原因を解析してその分だけ再解析予定。PPPでは解析を完全に分割して実施できるので全部やり直す必要が無い。運用上も楽。

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2005/06/03

plotclk.mにAllan Deviation解析機能を組み込んだ。さっそく衛星時計Allan Deviation。τ=30sまで解析するためCODE CLK。2004/10月分。

間違い Allan Deviation

CLK推定値にはday boundaryでの飛びがあるので86400s以上の値はあまり信用できない。τ=150sで7×10-13〜4×10-12。5分時計補間誤差で0.1ns〜0.6ns。これは補間中点での値なのでならせば半分くらい。大体昨日の結果と合う。気をつけて使えば補間値も使えないことは無いという感じ。でもグラフが寝てる衛星があるのは少し変だな。τが小さいところでは軌道誤差やスムージング誤差が混入してしまってる可能性もある。
外挿でτ=15sの値求めると2〜4×10-12。30秒時計補間誤差で0.03〜0.06ns。高時間分解能PPPも30秒時計の補間で行けそう。逆に言えばリアルタイム補正の場合でも15秒間隔推定+外挿で十分ということになる。現在の計算機性能を考えると1秒周期推定はきついのでこれは有り難い。

Allan Deviationの計算の仕方を再度調べてみた。安定度の標準偏差求めるときに何故か2で割らなけりゃならないみたいだな。すなわちこんな感じ。
allandev=sqrt(sum(((clk(1:end-1)-clk(2:end))/tau).^2)/(2*(length(clk)-1)));
最近は数式よりmatlabコードが先に出る。修正版 Allan Deviation。上記結論はほぼそのままで問題ない。

論文・その他リンク
馬,丸山, GEONETデータによるTEC導出と衛星及び受信機のバイアス決定, 通信総合研究所季報, Vol.48 No.4, 2002
GEONETを使ったTEC及び衛星・受信機バイアス決定。特定の受信機を除いてバイアスは十分安定としている。古い型の受信機に電離層擾乱に鋭敏なものがあることはいくつかの論文で指摘されている。
平成16年(2004年)新潟県中越地震に伴う地殻変動(第1報〜第6報), 国土地理院記者発表, 2004
現在2004/10のGEONETデータ解析中なので後で比較するため張っておく。
TEC21 (株) 武田エンジニアリング・コンサルタント, GEONETデータを基に地震予報を公開している。これら信憑性についてデータを持たないので評価は避けるが、GSI地殻変動変位データの異常についての情報は少しは参考になる。そういえば串田さんの公開HPも閉鎖するみたいだし地震予報・予知に関する研究は色々と難しいところが多い。(参考Wikipedia)

PPPに関する覚え書き:幾何距離モデル(1)

ここまで書いてきて現行GTは地球自転速度はWGS84のノミナル値を使っていて自転速度変動を考慮に入れていないことに気が付いた。これを無視できるかは確認が必要。改めて整理してみるとアルゴリズムやモデルの問題に気付く。

terras.gsi.go.jpが復旧したようだ。国土地理院の担当者の方迅速な復旧有難うございました。

ということで2004/11月分電子基準点データdownload再開。でも残り28日分で丸1日以上かかる予定。できれば2004/12月分も解析したいので負荷かけますが落ちないで下さい。

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2005/06/02

2004/11の国土地理院電子基準点全局の観測データをdownloadしているのが夜中以降正常に落とせない。pingも通らないしterras.gsi.go.jpが落ちているようだ。負荷かけ過ぎが原因? やばいな。

PPPについての覚え書き:軌道補間
PPPについての覚え書き:時計補間

昨日備考録の補足
「kinematic測位」はほぼ「移動体測位」の意味で使っている。すなわち位置の時刻間相関を全く仮定できない状態でepoch by epochで測位するモデル。具体的には推定時刻毎に位置を放送暦+単独測位で初期化しそこから搬送波位相観測値を使って寄せている。昨日結果は対流圏は推定してるのでそれについては時間相関を使っているが一般的にはモデルで落とすことが多い。
地すべり検知や地震波計測に使う測位モデルは「セミstatic測位」と呼ぶべきもので、完全なstatic測位から時刻間の束縛を少し緩めて位置をrandom-walk過程で推定するものである。プロセスノイズ設定値にも依存するが「kinematic測位」に比較しずっと精度が上がる。GTはこのモデルにも既に対応している。


terras.gsi.go.jpがまだ復旧しない。やばいな。

解析処理待ち時間は暇なので整理。上記時計補間精度についてはJPLかCODE CLKを使えばすぐに確認できるのでやってみた。
>> clk=readclk(caltomjd([2004,10,1]),0:30:86400,'GPS03','e:\gps\clk\%Y%m','cod');
>> iclk=interp1(0:300:86400,clk(1:10:end),0:30:86400)';
>> figure, hold on, grid on
>> plot((0:30:86400)/3600,(iclk-clk)*1e9,'.'), plot((0:30:86400)/3600,(iclk-clk)*1e9,'-')
>> xlim([0,24]), ylim([-0.6,0.6]), xlabel('Time(H)'), ylabel('Clock Error (ns)')
>> title('Interporated Clock Error (GPS03, 2004/10/01, CODE CLK)')

RPN03(Block IIA Cs), PRN11(Block IIR), PRN30(Block IIA Rb)

30秒間隔CODE CLKと300秒に間引いて線形補間したCLKの比較。RMSで0.13ns, 0.11ns, 0.04ns。これ位なら使えないことは無い。BlockIIAについては見積もり値と合わん。何故だろう。なお衛星に積んでる時計についてはここから情報が得られる。
以前計算した衛星時計のAllan DeviationをBackupファイルから引っ張り出す(結果計算プログラム)。Ray論文の値とずいぶん違う。Rayの値は2001/12のBlockII/IIA衛星平均。どうも現在運用している衛星時計は安定度が良い様だ。何事もちゃんと評価してみないと分からない。

軌道補間について補足

しかしほとんど技術検討メモになってきた。まあいいか。スペルミスを見つけたが面倒なのでそのまま。interporate→interpolate。

terras.gsi.go.jpの復旧に時間がかかるらしい。やばいな。

国土地理院電子基準点PPP結果GSI F2解比較水平誤差、とりあえず100点。2004/10/1〜31(Geocenter補正済)。北と南に行くに従い明らかな系統誤差が見られる。F2解はつくば1局固定相対測位。つくば1局はITRF TSKB局にLocal Tieしているはず。

電子基準点PPP結果GSI F2解比較水平誤差(100点)
(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)

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2005/06/01

局位置・時計初期値を精密暦で求めても収束効率改善に結びつかないことが分かったので改修中止。
kinematic測位評価。とりあえずIGS局をkinematicモードで測位し精度を見る。上からkinematic(forward), kinematic(backward), static。(赤い点線は2σ) 精密暦使用してるのに精度悪い。移動局の場合マルチパスや対流圏変動が加わるしcycle-slipも増えるのでもっと条件が悪くなる。cycle-slip補修を頑張らないと精度が上がらないかもしれない。

PPP Kinematic測位モード (forward)
PPP Kinematic測位モード (backward)
PPP Static測位モード

論文リンク
S.Bisnath et al., Evaluation of Commercial Carrier Phase-Based WADGPS Services for Marine Applications, ION GPS 2003
搬送波位相ベース商用WADGPSサービス精度評価。対象はC-Nav, Starfix-HP, SkyFix XP。kinematicで水平5〜10cm、垂直5〜15cm。収束時間〜30分。staticはkinematicとあまり差が無い。上のGT0.5.5β kinematic精度はこれらよりはいいが軌道・時計がいいので当たり前。kinematicでは観測モデル精密化はあまり意味ない可能性が高い。

昨晩オーバラップ24Hで推定をセットして寝たのだが、起きて見たら途中でコケていた。GT0.5.4はたまに推定途中で落ちるバグがある。途中結果で0.5mmの改善。予想最終軌道精度5.75cm。Astroには5cmを切った結果を出したいのだがまだ遠い。

データは残ってるが今のうちに書いておかないと忘れるので推定パラメータによる推定精度の変化を整理。これ自体大変なノウハウだがここ見てる人どうせあまりいないからいいや。特筆すべきは12局でも10cmを切ること。60局のケースも評価したはずだが見つからない(40局と比べてほとんど改善されなかったはず)。精度を出すには地道なパラメータチューニングが必要。GTでもこの表以前に数百ケースは評価している。IGSも何年もかけて改善してきて今がある。誰でもBerneseやGIPSYを持ってくればすぐ精度が出るわけではない。日本が遅れている時間は見た目以上に大きい。

国土地理院電子基準点(GEONET)データを使ったPPP評価開始。50局1ヶ月分で約2H。1200局2ヶ月分で96H。現行のGTではメモリ容量の関係で同時100局程度しか解析できないので3台のPCで分割分散処理させても2〜3日はかかる。940001 稚内 2004/10/1〜31 PPP測位結果 GSI F2解比較(Geocenter補正済)。水平1〜2cmの系統誤差が認められる。ちゃんとはこれから評価するがIGS Final+GT PPPはITRF2000に対し大体水平3mm,垂直6mmの精度があるのでF2がITRFからずれている可能性が高い。

国土地理院電子基準点PPP結果 (940001稚内)
(本解析には国土地理院電子基準点データを使用しました)

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〜2004/05/31


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