日記・備考録
Diary/Memorandum

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2006/06/01〜

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2006/05/31

最近、測位計算について講義したり解説したりする機会が増えているのだが、信号送信時の衛星位置の正しい求め方についてちゃんと理解している人は殆どいない。何故かと思って手持ちのGPSの参考書を全部調べてみた。ほぼ全滅。無視していたり、曖昧だったり、間違っていたり... 。まあ普通の単独測位では他の誤差に埋もれて問題にならないケースが多いかも知れないが、これはちょっとまずいんじゃないかな。
なおこの件も含めて単独測位計算については誤解や間違いが多すぎるので、ちゃんとした解説をそのうち公開予定。

福島, 理解するためのGPS測位計算プログラム入門, 航空無線, 第34-36号, 2002, 2003
ENRI福島氏の測位計算入門。大変丁寧で分かりやすい解説。
ただ、ノバテル受信機出力との比較で内容を確認されているが、この計算でノバテルに一致するとすると、多分ノバテル受信機に組み込まれた計算にも数cm以下の精度では無視できない近似誤差(または間違い)が含まれている。(補足: 放送暦精度を前提にする限り多分安全な近似なので間違いと断言している訳ではない。ただ精密暦精度を前提にすると問題になる導出の可能性が高い。) (一部誤解があったようで削除 6/8)

Amazonで届いた参考書
宇津徳治, 地震学 第3版, 共立出版, 2001
レイ&ウォレスに比較し広汎なテーマを概説。最初に読むにはこちらの方が良さそう。あと理論地震学についてはAki & Richards (1980, 2002) が評価が高い様。邦訳も出ているが\16,800もするので少し躊躇。でも結局注文してしまった...。 少し自制せねば。

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2006/05/29

Amazonで届いた参考書
T.レイ, T.C.ウォレス, 地震学 下巻: 震源, 古今書院, 2002
図が沢山使われていて分かりやすい。しかし地震研究者の方々は皆、図の作り方がうまい。GMTを使っている方が多いのだろうか。論文でも図が綺麗だとそれだけで読もうという気になるので見習わなければいけない。

論文引き続き。早く終わらせて次に行きたい。

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2006/05/27

相変わらずHR-PPP論文。ちょっと調べるとまだ結構LaTeXの原稿を要求する雑誌が多い様だ。今時TeXでも無いだろうとは思うが確かに代替手段はあまりないのかもしれない。とりあえずwordで作っているのだが、内容が進まないと形式にばかりこだわってフォントを変えたりグラフの体裁を整えたり余計に無駄な時間がかかる。形式は後でいくらでも直せるので、まずは中身と頭では分かっているのだが。

Amazonで届いた参考書
T.レイ, T.C.ウォレス, 地震学 上巻: 地球内部, 古今書院, 2002
地震波基礎理論や地球物理学を含んだグローバル地震学の教科書。下巻も注文中だがまだ来ない。地震学も面白そうだなあ。ちょっと脇道にそれて少し本気で勉強してみようかという気になってきた。

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2006/05/26

16th Workshop on JAXA Astrodynamics and Flight Mechanics, ISAS/JAXA, 2006
アストロダイナミクスシンポの講演募集が送られてきた。申込締切6/23。開催8/1-2。参加料タダだし日本語でいいし発表時間30分貰えるし面白いネタがあるなら出してみたいが。やるとすればGPSを使ったPODしかないが今ある材料だけではあんまり面白くない。去年のGPS PODは結局1年以上の蓄積の結果だったので同等レベルの発表をするのはあと2ヶ月ではかなり厳しい。さてどうするか。

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2006/05/25

HR-PPP論文引き続き。プログラムならスイスイ書けるのにのに、文章特に英文になると極端に効率が落ちるのは困ったものだ。やはり研究者としては食っていけそうもない。

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2006/05/24

とりあえず次に進むためHR-PPPによるスマトラ地震波解析の論文をやっつけ中。まだどこに投稿するか決めていないがまずは論文が仕上がらないと話にならない。でもなかなかペースが上がらない。

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2006/05/23

山田, STS-1型地震計の特性は長期に安定しているか?, 海半球ネットワークニュースレター, No.4, 2000
山田, STS-1型地震計の超長周期ノイズ, 海半球ネットワークニュースレター, No.5, 2001
STS-1広帯域地震計の長期安定性や長周期ノイズについての考察。地震計特性の補正方法について調べていると色々な情報に行き当たる。でもどうやって補正すればいいかはまだよく分からない。何とかSACもcygwin上にインストールできたが使い方が結構難しい。

ニアス地震(M8.7, 2005/3/28 16:09UTC)のHR-PPP解析。結果(DGAR, POL2, ARTU)。スマトラ地震に比較し地震波振幅が小さいのでノイズに汚染されてあまり綺麗に取れていない。DGARの上下が悪いが、この期間衛星の可視条件が悪く、かつ電離層の影響かスリップが頻発しているのが原因で、実際に大きく動いているわけではない。Galileoが上がって衛星数が増えないと厳しい条件。

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2006/05/22

GTにおいて推定はEKF(Forward/backward)+スムーザを使っているのだが、HR-PPPにおいて対流圏を高時間分解能のrandom-walk過程で推定するとどうも解が不安定になりやすい傾向がある。できれば対流圏の時間分解能を下げてちゃんとした最小二乗で解を求めたいが、前に書いたようにすぐに大規模問題になるし、根本からの変更になるので簡単にGTに組み込むのも難しい。開発予定の高速PPP解析ソフトでEKFにするかLSQにするかは結構難しいトレードオフとなる。

T.Lay et al., The Great Sumatra-Andaman Earthquake of 26 Decemnber 2004, Science Vol.308, no.5725, pp.1127-1133, 2005
C.J.Ammon et al., Rupture Process of the 2004 Sumatra-Andaman Earthquake, Science Vol.308, no.5725, pp.1133-1139, 2005
HR-PPPの論文を書くため少しスマトラ地震について調べる。出来ればデモンストレーションだけでなく、実際の地震研究にGPS解析技術が寄与できれば良いのだが。

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2006/05/19

メールを書いたり、どうでもいいことをWebで調べたりして、ダラダラ1日過ごす。ちょっと疲れが溜まっている様だ。

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2006/05/18

もしかすると発表を聞いてここを訪れる方もいらっしゃるかもしれないので発表の内容について少し補足。

(1) 相当モディファイしているがHR-PPPにおける高レート衛星時計推定のアイデアは以下から得ている。
- [1] Algotithm Description for LEO Precision Orbit Determination with Bernese v5.0 at CDACC, COSMIC Data Analysis and Archive Center
- [2] H.Boch et al., Processing aspects related to permanent GPS arrays, Earh Planets Space, Vol.52, 657-662, 2000
[2]は現在のCODE 30s時計推定"phase-consistent interpolation" のベースとなっている。Bernese5.0には時計推定やPPPの機能が追加されているのでHR-PPPの手法はBernese5.0を使っても機能的には可能なはずである。ただ色々な方の話を聞いているとBerneseはキネマティック測位に使用するには色々と不便な所が多いようである。
(2) 超長基線の相対測位で精度が落ちやすいのは基線端共通可視衛星しか使えず幾何配置が悪くなる効果が大きい。その点PPPは可視衛星を全部使えるので精度面で有利である。後処理においてPPPと長基線相対測位と比較した際、PPPが不利になる要素はほとんどない。唯一有るとすれば相対測位ではAmbiguityを整数化できるので短セッションでの絶対精度が有利な点くらいである。短セッションPPPでは位相バイアスと受信機時計や対流圏がうまく分離できず絶対座標にオフセットが残ることがある。
(3) 1Hz時計へのノイズ混入について。スマトラ地震解析初期にはIISCのN-S最大振幅がIGS-CODE-30s時計(補間)を使った値より小さく観測される現象が発生した (12cm対16cm)。この差は基準局変動により推定時計にノイズが乗ったとするとうまく説明できた。すなわち局位置は短期では動かないと仮定しており、かつ衛星時計は概ね8局程度の観測データから決定されているから、基準局IISC,BAN2の変動分(2/8)の影響で時計に変動をうち消す方向にノイズが乗ったと考えられた。従って最終的には基準局変動の影響を低減するため、基準局50局のHR-PPPでいったん基準局変動を推定し、p-p 4cm以上の時間帯のデータを除外してから時計を推定し直している。これで概ね基準局変動の影響は2cm/8=3mm以下に押さえられているはずであるが、実際には若干のノイズが乗ってしまっている様である。

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2006/05/17

24H券が勿体無いので午前中だけ学会参加。電離層研究や地震学も結構面白そう。しかし世の中には研究者と呼ぶ人たちが一杯いるのだなあ。さて少し休養して次に何をやるか考えよう。

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2006/05/16

高須, 高時間分解能GPS/GNSS衛星時計推定とキネマティックPPPへの応用, 日本地球惑星科学連合2006年大会, 2006
やはり12分で35頁は無理がある。20頁位に絞らないとだめ。まあ言いたいことは言ったから良しとする。

大会について一つだけ。セッションを聞いていた人は分かるだろうから名指しはしないが、妥当でない発表者には辞退願うなりポスターセッションに回って貰うなりすべきなのでは。現行では事前チェックが難しいのは分かるし基本的にeveryone welcomeなのだろうが、正直もうこのセッションには出すの止めようと思った発表があった。プログラム委員は考慮願いたい。

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2006/05/15

IGS Workshop 2006 (programme and presentations)
5/8-12に行われたIGS WSのプレゼン資料がupされている。ざっとしか眺めていないが、さすがIGS、レベルの高い発表が多いという印象。改めて日本のcontributionが少ない事にもどかしさを感じる。

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2006/05/13

地震計の応答特性補正はIDA-Stations-STA-Current chanel configurationのチャネル情報に含まれるreponseパラメータを使えば可能なようだ。地震計解析ソフトを使えばこれらデータを読み込んで補正できるようだが、時間切れなので今度やってみよう。

発表用資料完。全35頁。ここの所あまり休んでいないので土日は休養。

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2006/05/12

IGS_05.ATXにしてもGMFにしても新モデル使ってますよ、と言いたいだけ。地道に評価した上で使っている訳ではない。モデルを変えたらパラメータチューニングもやり直す必要があるし、精度が落ちてもおかしくない。少し反省。実績のあるモデルで再解析中。しかし、いったい何度目だろう。相変わらず作っては壊し作っては壊しの繰り返し。でも理想には近づかない。

Project IDA (International Deployment of Accelerometers)
IRISの広域地震計網(GSN)の1つとして運用されているIDAプロジェクト。現在40観測点。今回のスマトラ地震地震波観測においてもDGAR, AAK, ARUの広帯域地震計データを使用させて頂いた。各観測点の状況, 使われている地震計, チャネル構成等の情報がある。IRISからダウンロードした地震計データファイル名は "2004.361.00.32.44.9870.II.AAK.00.LHN.Q.SAC_ASC" の様な感じになるのだが、このうち".00."の部分はLocation Codeを表しているらしい。名大太田氏から教えていただいた。有り難うございました。

以上の情報を見るとDGAR, AAK, ARUのLHE/LHN/LHZチャネルで使われている地震計はSTS-1。DGARではSTS-2も使われている。全く意識していなかったのだがDGARの地震計波形はSTS-2のものだった様だ。DGAR STS-1の地震計波形。特に0-0.01Hzでは明らかに違う。どうもSTS-1の方が長周期波動の応答性が良い様だ。今回地震計応答性補正を入れていないがちゃんと入れるとHR-PPP解との差はもう少し縮まる可能性がある。

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2006/05/11

HR-PPPの実用性について考えてみる。自分で1Hz時計を作るのは大変手間がかかる。今回の解析でもIGS58局の1HzデータをCDDISから落として、まずPPPでサイクルスリップやマルチパスの多い局を除外しいったん1Hz時計を作る。作った時計を使ってキネマティックPPPで局座標を推定し変動の大きな時間帯のみデータを除外し (除外しないと時計に変動が乗ってしまうので)、再度1Hz時計を推定し直している。その間QCを追加したりパラメータをチューニングしたりして結局20回位時計の作り直しをしている。高速化を図っているがそれでも1Hz時計24H分生成に1晩はかかる。sidereal filter用には最低前日分の時計も作る必要がある。普通のユーザが行うのは敷居が高い。やはりIGSの様な組織がルーチン解析の中でQCも含めてちゃんと作って公開するのが筋だろう。ついでにIGS謹製高速PPP解析ソフトがフリーで公開されればもっと良い。これ誰かIGSに働きかけてくれません。

IGSの新アンテナモデル(IGS_05.ATX)と従来のIGS精密暦を使ったPPPでは絶対座標にオフセットが出る様だ。これはまずい。ここまで来て全解析やり直しか。

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2006/05/10

心残りは多いがとりあえずGT0.6.2のプログラムを再度フリーズ。次の解析を流しながら解析結果整理。時間的には結構厳しいかもしれない。

G.Gendt, IGS and the Earthquake offshore Sumatra, IGSMAIL-5082, 07 Jan, 2005
スマトラ地震によるIGSプロダクトへの影響に触れている。地震により地球回転パラメータのシフトが現れたとしている。IGS FinalによるPPPによると地震でIISCは東に2cmほど動いたらしいがGT-PPPによる短期解析では出ていない。改めてスマトラ地震が大変な規模の地震であったことに驚かされる。

高時間分解能精密単独測位によるスマトラ地震 地震波観測 頁追加。使用した1-Hz衛星時計推定値も公開。最終的にIGS clockへのalignmentはしないことにしたのでIGSTとはずれが有る。結構メタメタの局もあるが現在のHR-PPPの実力と言うことで。今後色々と改良をしたい。なお高時間分解能時計推定については今度の発表で触れる。HR-PPPについてもどこか英文論文誌に投稿したいが、アブスト書くのに2時間もかかっているので何時になるやら。

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2006/05/09

igs_05.atx+GMFで1Hz時計の作り直し中。1Hz-PPP対流圏遅延推定安定化のアイデアを思いついたのでプログラムに入れるか考え中。しかしホントにこんなんで発表に間に合うのかね。

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2006/05/08

気象統計情報 地震・津波 発震機構, 気象庁
発震機構(地震時の断層の状態及びその動き)の解析について分かりやすい解説がある。観測されたP波の初動を使って解析するのが主流の様だ。震源球という解析結果表現が面白い。CMT(Centroid Moment Tensor)解析というのもあるらしい。何の分野でもそうだが地震学も専門用語が特殊で最初は少し取っつき難い。

1Hz-PPPによる地震解析。PPP解と(広帯域)地震計波形は0.01Hz以上では大変良く一致するが、0.01Hz以下では必ずしも一致性が良くない。これはPPPの長周波ノイズと地震計の応答特性の両者に起因している様だ。(広帯域)地震計の長周波特性について調べているが良い資料がない。PPPの長周波ノイズ源であるマルチパス/PCV, 対流圏補正残差, 電離層高次項についてももう少し定量的な評価をしたい。でもこんなことで発表に間に合うのか。

今更ながらANTEXアンテナ位相パラメータ対応。igs_01.pcvの代わりにigs_05.atxで解析。ちゃんとした評価をしている時間がないが少なくとも悪くはならない様なので発表向け解析はigs_05.atx+GMFで行ってみよう。でもこんなことで発表に間に合うのか。

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2006/05/06

結構酷いバグを幾つか見つけて直す。ということで未だにプログラムがフリーズできない。こんなことで発表に間に合うのか。

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2006/05/05

GMFのソースをダウンロードしmex-interfaceを書いてコンパイル・リンク。GMFとNMFの。中緯度では仰角10度でも0.002位しか違わないので測位解が改善されるかは微妙。ただGPS-PWVは改善される可能性が高い。詳しくは時間が出来たら評価しよう。

J.Ray, Re: High-rate GPS satellite clock correction, Canadian Space Geodesy Forum Archive, 13 Oct, 2005
Jim Rayはあまりhigh-rate clockの必要性を感じていない様だ。LEO衛星では5分時計補間でも精度はあまり変わらないとあるがこれは良い運動モデルがあるから。これを読む限りIGSが早期にhigh-rate clockの提供を始めるのは期待薄の様だ。実際のところkinematic-PPPの潜在ユーザはあまりいないのかもしれないと思い始めた。

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2006/05/04

訂正。5/2に書いたmemset()の引数順序。正しくはmemset(const void *dst, int c, size_t length);。未だにstrcpy()でもdstが先かsrcが先かすぐ忘れる。こんな時はman strcpy。VSならF1。eclipseは使っていないので良く知らない。(訂正: cygwinのman memsetをそのまま書いてしまったのだがmemset() 第1引数のconstは変だと思って調べたらこれはgcc libc manのバグらしい。規格では当然constは付いていないし<string.h>の宣言もconstは付いていない)

D.Boore et al., Comments on Baseline Correction of Digital Strong-Motion Data: Examples from the 1999 Hector Mine, California, Earthquake, Bulletin of the Seismological Society of America, Vol. 92, No.4, pp.1543-1560,2002
大地震の地震計加速度計測値の2回積分により求めた変位量には多くの場合baseline offsetと呼ぶオフセットが加わり正確な値が決定できない。本論文ではこの補正方法につき幾つかの地震を例に評価している。震源過程解析には変位の絶対量も重要だが、地震計には上記のような弱点があり完全な補正も難しい様だ。

GPSは地震計に比較しノイズや高周波変動計測の点では弱いが絶対変位計測に関しては明らかに有利である。特にPPPは基準点変動に依存しない絶対位置が計測でき、1-Hz時計が一般利用可能になれば地震の標準的な解析手法として使われるようになる可能性が高い。現在のGPS受信機では10Hz計測は容易なのでデータ量の問題さえクリアできれば高密度のGPS観測網を使ってDC-5Hzまでの地殻変動を追跡できる。ただし10Hzでは1Hz以上に高速PPP解析ソフトの開発が重要になる。

IGS Workshop 2006, ESOC Conference Centre Darmstadt, Germany, 2006
5/8から始まるIGS Workshopのposition paperが幾つか公開されている。アンテナ絶対キャリブレーションモデル及びITRF2005座標系への移行、新しい解析モデルによる再解析が大きな話題のようだ。

J.Boehm et al., Global Mapping Function (GMF): A new empirical mapping function based on numerical weather model data, Geophy. Res. Lett., Vol.33, LO7304, 2006
GMFと呼ぶ新しいmapping function。NMFと同様に局位置とDOY (Day of Year)のみから計算できる。ECMWF数値気象モデルによるVMF(Vienna Mapping Functions)を基に球面調和関数拡張して係数を決め直している。NMFに比較し垂直バイアスや年周誤差が改善されるとしている。GMFのFortranコードはここからdownloadできる。

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2006/05/03

世の中は連休らしいが発表が近いので仕事。未だにプログラムをいじっている。こんな事で間に合うのか。

Amazonで届いた参考書
J.Flury et al., ed., Observation of the Earth System from Space, Springer, 2006
CHAMP, GRACE, GOCE等といった重力ミッション衛星による地球観測技術に関する論文集。IERSによる宇宙測地技術の統合についても触れられている。最近際限なく本を買っている気がする。少し自制せねば。

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2006/05/02

matlabでは欠測データの表現にNaN (Not a Number) をよく使うのだが、C(89)では可搬性の高い手段でNaNを取り扱う方法は無い様だ。C99ではnan()やisnan()関数が標準mathライブラリに追加されている。ただしNaNは浮動小数点内部表現に依存するので未実装の処理系では0を返すと規定されている。現在の計算機はほぼ例外なくIEEE754を使っているのでNaNを表現できないケースはほとんどないだろうが、NaN同士やNaNと普通の数値の間の演算には良く気をつけなければならない。例えばmatlabの場合 NaN==NaN はfalse(0)を返すのでNaNとの比較は必ずisnan()を使う必要がある。WikipediaにNaNの分かりやすい説明が有ったので張っておく。NaN

C言語リファレンスマニュアルから。int a[10]={0}; と書いて全配列や構造体を0初期化するコードを見ることがある。以前これは非標準の拡張機能と勘違いしていたのだが、実は既にC(89)の標準仕様で認められた書き方である。この際後ろに埋められる値はall bit 0だと思っていたのだが、仕様では"default initialization value"であり例えばdoubleなら0.0,ポインタならNULLが入ることが保証されている (4.6.4)。これを使うと複雑な構造体も簡単に初期化できる。それに比較しmemset(&s,sizeof(s),0)memset(&s,0,sizeof(s)); やcalloc()ではall bit=0でクリアされるので処理系によってはポインタがNULLに初期化されない場合もあり得る。(5/4 memset()の引数順序バグ修正)

M.Irwan et al., Measurement ground deformations with 1-Hz GPS data: the 2003 Tokachi-oki earthquake (preliminary report), Earth Planets Space, 56, 389-393, 2004
GEONETの1-Hzデータを使ってキネマティックGPSで十勝沖地震の地殻変動を解析した事例。Bernese4.2による相対測位。Berneseにも急激な基線変動をサイクルスリップと誤認する問題があるらしい。K-NET地震計の加速度積分値と比較しているが振幅, 波形とも一致性は必ずしも良くない。これは地震計の補正の問題が有るのではないかとしている。何故色々な解析ソフトで地震変動をスリップと誤認するのか理解できないのだが、多分エポック毎に独立に測位解を解いていず下手なフィルタが悪さをしているのではないか。これは本来の意味でキネマティック測位とは言えない。

ところで今googleで"1 Hz GPS kinematic"で検索するとウチの頁が最初に来るのは何だな。

S.Miyazaki et al., Modeling the rupture process of the 2003 September 25 Tokachi-Oki (Hokkaido) earthquake using 1-Hz GPS data, Geophy. Res. Lett., Vol. 31, L21603, 2004
これも1-HzキネマティックGPSで十勝沖地震を解析した例。インバージョンによる震源過程の解析も行っている。Larsonのデナリ地震論文をreferしているのでGIPSY解だろう。地震計との比較で短期では比較的一致性がよいが地震計の誤差累積で長期では外れていってしまう問題がある様だ。地震前500sの測位解標準偏差から誤差4.5mm(E), 8.4mm(N), 15.3mm(U) としているがこれは評価時間が短すぎる様に思う。

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2006/05/01

S.P.Harbison III et al., C : A Reference Manual, Fifth Edition, Prentice-Hall, 2002
良くある解説本は使い物にならないことが多いのでちゃんとしたプログラムを書きたい人はちゃんとしたリファレンスマニュアルを揃えるべき。C99の仕様を確認したくて以前購入した。C99の拡張点, C++とのcompatibility等丁寧に解説。例題も分かりやすい。再度Cの勉強。しかしプログラミングは奥が深い。

日本地球惑星科学連合2006年大会予稿集, 日本地球惑星科学連合, 2006
予稿集CD-ROMが届いたので面白そうなセッションを覗く。正直聞きたいと思う講演が少ない。やはりまた24H券 (当日登録\8000也) でいいや。

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5月予定

5/14-18 日本地球惑星科学連合2006年大会, 幕張メッセ

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〜2006/04/30


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