日記・備考録
Diary/Memorandum

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2006/12/01〜

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2006/11/30

移動体(自動車)の2周波観測データ(1Hz)をGTのobs data editorで処理してスリップを検出した例。オレンジがスリップ。赤線が有効衛星数。スリップ修復onに設定しているが殆どうまく修正出来ていない(緑が修復点)。今までちゃんとした移動体測位データを処理したことがなかったのでこんなに悪いとは思わなかった。これを見ると現行技術では搬送波位相は(地上の)移動体には殆ど使えないだろうことが分かる。スリップが起こっている所ではデータ欠損も多いので短基線の後処理相対測位でもちゃんとFIXして精度を出すのは大変だろう。しかしキネマティックは色々な所に開発要素が残っていて面白いとも言える。(観測データは海洋大の久保先生から頂きました。有り難うございました)

搬送波位相がこれだけ切れているとキャリアスムージングも殆ど効果ないのでDGPSでも精度を出すのは大変。欠損が少なければスリップ修復にIMUは少しは有効だろうが、数10秒飛んでいるケースも多いので安価なIMUでは改善効果は少ないだろう。移動体の精密測位は予想以上に大変そうだ。

東大地震研加藤(照)先生の研究室を訪問。PPPによる地震観測について聞いていただき貴重なご意見を頂いた。詳細は後日。23:30帰宅。小淵沢から車で帰る途中の外気温が1度だった。そろそろ道路凍結に注意しなければならない時期になってきた。

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2006/11/28

Now We are three: Third Block IIR-M Satellite Launched, GPS World, 2006
運用を中止していたGPS SVN23 (Block IIA)が11/14,15に再起動されてPRN32として運用を開始したらしい。32は今まで使用されていなかったPRN番号だがGPS-ICDでは認められている。但しPRN32の信号は米空軍およびNGAしか受けられないらしく、非標準コードを使っての試験を行っているのではないかとしている。どの程度変更が可能かは良くわからないが、GPS衛星はオンボードファーム書き換えで新規コードを追加したり修正したり出来るようになっているらしい。
あとBlock IIFの最初の打ち上げは2008/5予定としている。

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2006/11/26

M.Irwan et al., Rapid ground deformation of the Miyakejima volcano on 26-27 June 2000 detected by kinematic GPS analysis, Earth Planets Space, 2003
2000/6/26-27の三宅島火山活動による地殻変動をキネマティックGPSで解析した事例。まずGIPSY-PPPで最も座標変動の小さい局を決めその局を基準局にして、Bernese4.2のpseudo-kinematic解で他点の変動を解析している。30秒サンプリング。火山による地殻変動観測にもキネマティックGPSは有力な手段となるが、地震とはまた随分と変動の特性が違う様だ。当然キネマティックPPPも使えると思うが、三宅島に設置されたGPS観測点の一部はまだ一周波受信機らしい。これらは今のところPPPでは取り扱えない。ローカルな電離層推定値があれば一周波受信機でもPPPが可能なので電離層推定や一周波対応は次版GTの追加機能候補ではある。

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2006/11/25

やっと震源球が書ける様になった。地震学は難しいが、少しずつ分かってくると面白くなってきた。

GPS week 1400のIGS Finalがまだupされない。通常に比べて随分遅れている。やはり解析仕様の変更で色々と混乱があるのだろうか。(10:46)

独立行政法人 電子航法研究所 衛星航法グループ
単独測位/SBAS補強測位プログラム、MSAS補強メッセージログファイル、及びENRI後処理用DGPS補正データが公開されている。せっかくなので電子基準点データを使って精度を評価してみた。

>> rnx2pos -e 06253050.06o 06253050.06n > 0625305p.out (単独測位)
>> sbaspos -t 2 -p msas129_06305.log 06253050.06o 06253050.06n 0625305s.out (SBAS補強測位+MSAS試験信号)

>> sbaspos -t 2 -p ppwad_06305.log 06253050.06o 06253050.06n 0625305e.out (SBAS補強測位+後処理用DGPS補正データ)

測位プログラム DGPS補正データ RMS誤差(m) 時系列グラフ
(
E, N, U)
E N U
単独測位(rnx2pos) - 0.59 1.26 2.69 *
SBAS補強測位(sbaspos) MSAS試験信号 0.28 0.47 0.82 *
SBAS補強測位(sbaspos) 後処理用DGPS補正データ 0.20 0.27 0.47 *
2006/11/1 0:00-23:59:30 電子基準点 浜岡2(960625)。GSI F2解比較。

電子基準点なのでマルチパスや受信機雑音条件が大変良いが両者のDGPS共、綺麗に補正できていることが分かる。通常のユーザ環境ではMSAS試験信号でも充分だろう。RINEXを出力出来る受信機を持っている方は実際評価してみると面白いと思う。プログラムに関してはソースも公開してくれると測位の勉強をしている人には色々と参考になる点が多いと思うのだが。

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2006/11/24

測地学会誌最新号が届く。会員番号が分かったのでEPSにアクセスし登録、これで最新2年分のEPS論文閲覧が可能になった。結構面白そうな論文も多いのでざっと眺める。EPSは5学会(地震、火山、測地、惑星科学、地球電磁気・地球惑星圏)の共同事業らしく、今回電子化にあたり5学会会員には無償閲覧可能にするとのことらしい。オンライン閲覧は、検索等は確かに便利だがパラパラと眺めるには向いていないので、和文アブスト一覧が見られる頁があると有り難いのだが。

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2006/11/22

一日GPS地震計の資料を作りながら、地震学の参考書を読む。未だに震源球の表現が良く理解できない。

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2006/11/21

2006/11/15 11:14UTC 択捉沖地震(クリル島地震) (M7.8 USGS) HR-PPP結果()とIRIS地震計()比較。IGS rapid使用。アンテナモデルはIGS05.ATX。カムチャッカ地震結果(11/11)を見てもIRIS PET地震計には一時的に西にシフトする傾向が見える。この原因は何だろう。


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2006/11/20

GPSシンポのJRC柏柳氏の発表を聞いて、GPS姿勢計に興味を持ったので少し調べる。

S.Han et al., Single-Epoch Ambiguity Resolution for Real-Time GPS Attitude Determination with the Aid of One-Dimensional Optical Fiber Gyro, GPS Solutions, 2004
I.H.Euler et al., Attitude Determination: Exploiting all Information for Optimal Ambiguity Resolution, ION GPS 95, 1995

ちょっと考えると、単純に基線長制約を入れた複数基線観測方程式系を非線形(実数)最小二乗で解いてLAMBDA等を適用してARすればそれで終わりと思っていたのだが、色々と工夫しなければいけない点もある様。超短基線なので1周波でも瞬時FIXも容易だろうと思っていたのだがマルチパス等の影響でジャイロを入れないとFIX率が上がらないこともあるらしい。現実はなかなか難しい点が多いと言うことで開発者の方は大変だとは思う。

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2006/11/19

RTNet Near real-time (NRT) ZTD Processing System, GPS Solutions
RTNet岩淵氏の頁が更新されてた。詳細よく分からない点が多いが、軌道はIGU予報値で条件の良い数十局程度の基準局データを使って時計を推定し、PPPでZTD推定を行う方法らしい。ゾンデPWV比較でRMS2.58mmとある。ローカル局のみでZTDと時計をちゃんと分離するのは大変そうに思えるが、結構うまく推定できている様だ。多分局座標は固定しているのではないかと思う。準リアルタイムでこれくらいの精度のZTD/PWVが取れれば充分実用価値があるので、色々なところで使われる様になる可能性もあると思う。

色々と一区切り付いたので当面 (〜3月) の研究開発目標についてまとめておく。予定は未定だけれど。
・RTKのC実装と技術資料のまとめ (海洋大講義向)
・GPS地震計 (HR-PPP) 評価解析 (もう少し色々な地震で解析し結果をちゃんと整理する)。
・GT0.7.1 : マルチパス対策、相対測位/AR、電離層補正/推定、技術文書整備 etc.

・Web頁情報の整理 (雑多な備考録の情報を整理して別途まとめる)

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2006/11/18

Spaceflight now, Delta rocket launches navigation satellite, 17 Nov, 2006
3機目の近代化GPS Block IIR-16M衛星、2006/11/17 19:12UTC、デルタ2で打ち上げ成功。SVN58/PRN12。プレーンB4のBlock IIA-22 (SVN35/PRN05)と置き換える予定としている。

P.Elosegui et al., Accuracy of high-rate GPS for seismology, Geophy Res Lett., 2006
地震シミュレータ(振動台)を使った、GPS地震計精度評価。$9也。評価条件は10m基線のGIPSY bias-free解ということらしい。10m基線で地震が捉えられる訳がないので、何でこんな非実用的な条件で評価しているのか理解に苦しむ。0基線でのノイズ特性という意味では全く参考にならないという訳ではないが。

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2006/11/17

GPS/GNSSシンポジウム2006。19:10帰宅。
会場でも質問したのだが、JRC鈴木氏の発表内にあったMSAS試験信号を使ったDGPS精度が単独測位に比べても悪かった件。ENRI福島さんにお話ししたら丁寧にも当日のMSASの状況を問い合わせてくださった。2006/6/16は各種試験を行っており、かつ電離層条件が悪かった日であり、一般的なMSAS DGPS精度評価の参考にならないとのこと。多分、来年春の正式運用までに国土交通省でもDGPS精度については色々な評価をされると思うが、出来ればそれらの結果もきちんと一般公開してほしいと思う。また以前少し書いたが、DGPSでは基準局-ユーザ間の測位アルゴリズム不整合に起因して精度が落ちる場合があり、受信機航法アルゴリズム側の確認も必要だと思う。

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2006/11/16

GPS/GNSSシンポジウム2006。発表。あんまり受けなかった様で、聞きに来られている方の興味の対象が少し違うわなあとは思った。中身も新しい事あんまりないし、まあ仕方がない。ただ色々なケースで解析することで分かってくることは絶対にあるので、手に入る1-Hzデータでの地震解析はもう少し網羅的に続けてみるつもり。

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2006/11/15

GPS/GNSSシンポジウム2006。裏で明日の資料を作りながら発表を聞く。M. Unwin(SSTL)氏のGPS宇宙利用に関する発表がダントツで面白い。LEO衛星でのGPS反射波観測を使ったGPS Reflectometry(たぶんこの綴りでいいはず)の手法は初めて知った。

2006/11/15 11:14UTC 択捉島沖地震(M7.8 USGS)。発表ネタにHR-PPPで解析してやろうと思ったが、現在IGR.がCDDISにupされるのが翌日8:30(UTC)頃の様で、明日午後にはギリギリ間に合わない。残念。ついでにGPS Block IIR-16の打ち上げも木曜(日本時間金曜)に延びたでこれも前振りのネタにはならないなあ。

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2006/11/14

昨日、強震計波形には典型的なオフセットが見えると書いたが、短時間では分かりにくいので少し長い時間幅の波形。のたうち回る様な長周期ドリフトが分かる。これらはいくつかの論文(5/2, 5/4参照)で指摘されており、地震計(特に強震計)で変位量を正確に測定するのを困難にしている。

J. Kouba, A Possible Detection of the 26 December Great Sumatra-Andaman Islands Earthquake with Solution Products of the International GNSS Service, Journal studia Geophysica et Geodaetica, 2005
富士通 近藤氏から教えていただいたKouba論文。IGSデータ/プロダクトを使ったスマトラ地震のGPS解析。1-Hz PPP解析も行っている。Kouba(2003)とはうって変わって、"However, insufficient 5-min sampling of the IGS clocks, the precision of 1-second independent epoch solutions is significantly decreased,..."と結論づけている。全く結論をコロコロ変えるなよ、とは言いたい。しかしこの論文も全く引っかかっていなかった。こんな状況で偉そうにPPPに関する論文を書くこと自体恥ずかしいことだ、とも思う。

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2006/11/13

2003/5/26 9:24 東北地震 (2003年宮城県沖地震) (Mw 7.0) IGS MIZU HR-PPPとK-NET(防災科学技術研究所) IWT011局 地震計波形との比較。地震計は加速度計なので2回時間積分し変位に直してている。データは10Hz値。強震計の時間積分に伴う典型的なオフセットが見えるが、それを差し引いても良く見るとあまり一致性は良くない。特に9:25:20-9:25:30あたりのN-S振幅。この差は設置環境に起因するのかもしれない。固定GPSアンテナは上空視界が良いよう建物屋上やピラー頂上に設置する事が多いのでこれらの固有振動を拾ってしまっている可能性がある (MIZUは調べてみるとビル屋上らしい)。さて、ネタが少しづつ集まってきたのでPPTをまとめねば。

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2006/11/12

八ヶ岳の頂が白くなっている。多分初雪ではないかと思う。PPTを作らなければいけないのだが、少し体調が悪いので一日休養。

B.Hofmann-wellenhof et al., Navigation principles of positioning and guidance, SpringerWienNewYork, 2003
B.Hofmann-wellenhof and H.Moritz, Physical Geodesy 2nd ed., SpringerWienNewYork, 2006
GPS theory and practiceで著名なHofmann-wellnhofの航法及び測地学に関する教科書。上はGPSに限らない広汎な航法技術、下は主に地球重力場決定に関する専門的な内容を扱っている。中はざっと見ただけ。うーん、本棚にはその手の本が溜まってきている。買うだけじゃなくてちゃんと消化しないといけないのだよなあ。

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2006/11/11

2006/4/20 23:25 カムチャッカ地震(Mw7.7)。IGS PETS局HR-PPPとIRIS広帯域地震計(PET)波形との比較。これ位の振幅では少し厳しい。数分の時間幅では雑音はほぼマルチパスに依存するのでもう少し雑音を削減する方策は有り改善は可能。

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2006/11/10

2003/5/26 9:24 東北地震 (2003年宮城県沖地震) (Mw 7.0)の地震波。IGS MIZU局(震央距離80km)のHR-PPP結果。実体波(body wave)なので周期が短い。10Hzが欲しいところ。スマトラばっかりじゃ能がないので少し色々と解析中。

東京大学地震研究所ニュースレター, 2006年7月号
"GPS地震計"で検索していて見つけた。今年の測地学会坪井賞を取られた地震研 宮崎氏のGPS地震計に関する講演記録が載っている。調べてみるとGPS地震計に注目している研究者の方は結構いるようだ。

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2006/11/09

GEONET全点スタティックPPP(24H)座標。2006/11/4(旧) - 11/5(新)の差(上:水平,下:垂直)。IGS Rapid使用。アンテナモデルはigs_01.pcv (旧), igs05.atx (igs05_1400.atx) (新)。24HスタティックPPPは概ね水平3-4mm, 垂直7-10mm位の精度はあるから、明らかな系統差 (北東1.5-2cm、上1.5-2cm) が認められる。垂直はglobal scale offsetが解消されたと言えるが、水平は差が大きすぎる。原因は何だろう。
IGS Mail等見ると切り替えに当たってIGS内でも解析仕様について色々と混乱が有るようで、安定したプロダクトが供給される様になるまで少し時間がかかるかも知れない。従って少し長期で評価が必要だろう。


Larson (2003), Bock (2003), Kouba (2003)が揃って、1-Hzキネマティックで解析している2002デナリ断層地震(Mw7.9)のHR-PPPによる地震波解析。BREWYELL。比較するとKoubaのPPP結果の長周期ノイズは時計補間誤差が支配的であることが分かる。これを一目見れば誰も5min時計で十分とは言わないと思うのだが。

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2006/11/08

EPSの電子閲覧が可能になった。でも測地学会の会員IDが出てこない。多分送られてきている郵便物の封筒に記載されていると思うのだが全部捨ててしまった様だ。仕方ないので次に送られてくるまで待つか。

T. Takasu, High-rate Precise Point Positioning: Detection of crustal defromation by using 1-Hz GPS data, GPS/GNSS symposium 2006, Tokyo, 2006, (PDF 594KB)
GPSシンポ論文原稿。中身はスマトラ地震HR-PPPを少し修正しただけで新しい知見は入っていない。よく考えると今年の4月から大した仕事はしていない。未だに悔しいので来年はちゃんとした論文誌に論文を載せるのを一つの目標としたい。

旧仕様/新仕様IGSプロダクトによるスタティックPPP座標(24H)変化。2006/11/4(旧) - 11/5(新)の差(上:水平,下:垂直)。IGS Rapid使用。アンテナモデルはigs_01.pcv(旧), igs05.atx (igs05_1400.atx) (新)。ちゃんとはこれから解析するが座標系 (ITRF2000 vs 2005) 差以上の系統差がある様に見える。もう少し長期評価の必要があるが少なくとも長期変動をPPPで解析する場合、注意が必要そうだ。


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2006/11/07

igu14001_00.sp3, igu14001_06.sp3はresubmissionされヘッダが書き換わった。僅かだが値も代わっている。

やはり"IGS05はITRF2005のrealizationである"、とIGSプロダクトのサマリファイルに明記されている。とするとここでの"realization"はどういう意味に取ればいいのだろう。

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2006/11/06

IGSプロダクトの仕様切り替え。ちょっと分かりにくいがigu14001_06.sp3から1行目の座標系="IGS05"になっている (igu14001_00.sp3までは"IGb00")。コメントのCLK ANT Z-OFFSETの値は多分書き換え漏れ。igr14000.sp3が出たら影響を早速確認して見る予定。

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2006/11/05

M.F.Abdel-Hafez et al., A High-Integrity and Efficient GPS Integer Ambiguity Resolution Method, Navigation, vol.50, No.4, 2003
M.F.Abdel-Hafez et al., The Multiple-Hypothesis Wald Sequential Probability Ratio Test for GPS Integer Ambiguity Resolution, Navigation, Vol.51, No.3, 2004
Waldのsequential probability ratio testを使用したAR。詳しくはこれから読む。

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2006/11/04

ちょっと分かりにくいがIGS HR局のうち何局からGPS衛星が見えるかの分布図(ELカットオフ10度) (補足: 衛星直下点位置を地図上に投影。地上局から何機の衛星が見えるかではない。17:15追記)。赤点がIGS 58HR局(2004/12時点、現在はもう少し多い)。北半球で10-13局、南半球で3-9局。目的はHR-PPPと相対測位の比較。PPPと言っても地上局観測値を使って衛星時計を決めているから、多基準局を使った複数基線相対測位に近い。逆に言えばHR-PPPと同等精度を相対測位で出すためには10局程度の基準局が必要になる。原理的に10局以上の基準局を使った相対測位の方がHR-PPPより精度が出るはずだが解析は大変 (補足: ホントに大変なのかと考えたらそれ程でもない気もしてきた。次期GTでは相対測位やARを入れる予定なので、比較してみたい。17:20追記)。。次期版GTではL1/L2分離、電離層推定、GIPSYの様な後処理ARも入れてみたいのだがどこまでできるか。

今日やったことの記録。対流圏遅延残差基線長依存性 2004/10/1-7, 2004/12/1-7。スタティックPPPによる電子基準点ZTD推定値の差を取っただけ (ただし高度補正済)。長基線RTK用基礎分析。I君及びK氏向け。100kmでも思ったより差が大きいので、ちゃんと落とさないとFIXしても精度は出ないだろう。

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2006/11/03

あまり数えたくないが、今日で一つトシをとった。11/3は昔から晴れの特異日として知られていてスカッとした秋晴れになることが多いのだが今日はちょっと雲が多い。

加藤, 最適制御入門 - レギュレータとカルマン・フィルタ, 東京大学出版会, 1987
10/23に和書のカルマンフィルタ参考書が片山しかなかった、と書いてしまったが最適制御の観点で書かれたこの本がずいぶん前に出されていた様だ。notationや導出も理解しやすい。飛行機の操縦、制御に応用した実際の数値計算例が示されている点が貴重だと思う。

GPSシンポ原稿、HR-PPP論文を少し修正し英文原稿で送付。まだ1週間以上あるので発表当日までに少し新しいネタを作る予定。

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2006/11/02

Internatioal GLONASS Service Pilot Project, International GNSS Service
Y君がGLONASSをやりたいというので少し調べる。2000-2003に実施されたIGSのGLONASSパイロットプロジェクト頁。搬送波周波数が衛星毎に異なるし、当然GPSとも違うのでAmbiguity FIXは無理じゃないかと思うのだが、GPS/GLONASS受信機取説にはGLONASSを入れるとFIX時間が短くなるとあると言う。本当だろうか。はっきり言ってGLONASSについては全然分かっていない。すいません。Y君調べて色々と教えて下さい。

GLONASSについてはLeick 3rd ed.に割とちゃんとした解説があった。(3.3, 7.7.6)
(1) 周波数: f1=1602+0.5625p, f2=1246+0.4375p MHz (p:CH番号)
(2) 時刻系: UTC(SU), 座標系: PZ90, 放送暦: 30分毎の位置/速度+月太陽加速度、J2及び月太陽重力を考慮した数値積分
(3) GPS/GLONASS間には受信機時計バイアス(固定値)があるのでその推定が必要。
(4) GLOASS/GLOASS間二重差には搬送波波長差に起因するバイアス項が発生するのでこれを推定して落とさないとAmbiguityをFIXできない。
ということの様。添字が増えて式の理解が難しい。特に(4)は内容がよく分からない。実効的にFloat推定とどう違うのだろう。もう少し調べてみよう。

Global Navigation Satellite System GLONASS Interface Control Document (ICD) Ver. 4.0, Coordination Scientific Information Center, 1998
まずは基本のGLONASS ICD。最近のGLOASS-Mにホントに適用可能かはちゃんと調べてみないといけない。

A.Leick et al., Processing GLONASS Carrier Phase Observations - Theory and First Experience, ION GPS 95, 1995
少し古いが、LeickらのGLONASSによる精密測位の理論と解析の実際。詳しくはこれから調べる。

SNAP Satellite Navigation and Positioning Lab of the School of Surveying & Spatial Information Systems, UNSW
豪ニューサウスウェールズ大SNAP Lab論文リスト。Dai, WangらがGLONASSについて結構書いている。後で調べるのに張っておく。

ところで話は変わる。こないだ海洋大内の無線LAN経由でSpringerの論文誌の論文を落とそうと思ったらスッと落とせた。同じようにウチで落とそうと思ったら今度はpurchaseしろとクレジットカード番号を求められた。そうか大学は論文誌と契約しているから自由にいくらでも落とせるんだ、と感激した次第。論文/文献等自由に落とせるんだから学生さんはもっと活用しなければ、とは思う。

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2006/11/01

10月もホントにアッと言う間に終わってしまった。

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11月予定

11/8〜10 第50回宇宙科学技術連合講演会, 北九州国際会議場 (多分不参加)

11/15-17 GPS/GNSSシンポジウム2006, 東京海洋大

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〜2006/10/31


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