日記・備考録
Diary/Memorandum

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2008/11/01〜

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2008/10/30

G.Blewitt et al., Toward "Broadband Exploration" of Tectonic-Magmatic Interactions: Demonstration of Self-Consistent, "All-in-One" Rapid Analysis of GPS Mega-Networks using the Ambizap Algorithm, IUGG 2007, Perugia, Italy
BlewittのAmbizapの紹介。GIPSYのアドオンとして実装され多数局のPPP結果を基にネットワークの整数バイアスを解いて精度を改善する。1300局の処理時間が4H PPP+2H Ambizap (1CPU) とある。サンプリング時間が不明だが1局当たりにして11s+5sだからかなり速い。計算時間が局数に対しリニアにしか増えない点も売りの様だ。PPP結果を使うため局毎の解間の共分散を無視しているはずで、厳密に言えば最適解ではないはずだが整数バイアスが正しく解けさえすれば最終解は最適解と一致する。なかなか興味深い解析手法だが、IGSがUPD解を提供するようになってPPP-ARが一般的になれば、個人的にはPPP-ARの方が解法として筋が良い気はする。(Ambizapの論文はもうすぐJGRに載るようだ)

補足: 1局1日分16s/CPUだとして、GEONET1200局10年分で16s×1200×365day×10year/3600s=19470H/CPU。これを1ケ月以内に解析するためには19470H/24/30=27CPU。これくらいなら4core×1way×8台か、4core×2wayx4台程度のクラスタで再解析可能。概ね実用的な計算速度と言えると思う。(23:00追記)

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2008/10/29

Earth Gravitational Model 2008 (EGM2008) - WGS 84 Version
米国NGA (National Geospatial-Intelligence Agency) が開発した新しいジオイドモデル EGM2008。測地学会講演会発表で国土地理院 黒石氏が日本付近の精度評価をされているが、概ね10cm弱といった精度の様だ (ちなみにEGM96は30-40cm)。球面調和関数係数として2190次まで、格子点値として1×1'および2.5×2.5'のデータが提供されている (ちなみにEGM96は360次、15×15'格子)。データファイルサイズは球面調和関数係数が72+50MB、1×1'格子が828MB、2.5×2.5'格子が135MB (gzip圧縮)。しかし2000次の球面調和関数だと係数の数は約400万位にはなるのでその推定はとっても大変そうである。100次を超えると単純な手法は使えなくなるので特別な手法が必要になると以前聞いたことがある。この辺の大規模計算テクニックというのもなかなか興味深いところである。
最近画像を
貼っていないのでGT0.6.3で書いたEGM96ジオイドモデルを貼っておく。Matlabを使ってもこんな風な3Dグラフを描かせるのは結構大変である (よく見ると裏側の継ぎ目が見えてしまっている)。

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日本測地学会第110回講演会, 2008/10/22-24, 函館市民会館小ホール
結局所用があって参加できなかった先週の測地学会講演会の講演要旨を購入。\2,000也。興味深い発表が多数あった様だ。
その中から国土地理院によるGEONETの新しい解析戦略 (F3解) について。
F3解の従来解 (F2解) からの主な変更点は、座標系変更 (IGS05)、絶対PCVモデル導入、大気遅延勾配推定、電離層高次項補正追加、固定点座標の変更 (近隣IGS点をIGS05に拘束)。過去データの再解析で評価を行い、特にF2解に見られた大きな年周変動が軽減された、としている。
精度や安定性が向上した点も大きいが、むしろITRF系への整合性が増して他のグローバル解と精密に比較できる様になる点が重要だと思う。あとは過去データの再解析結果を含めて早くF3解が無償公開されることを望む。

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2008/10/28

10/18にRTLIB v.2.1.0のGUI APが色々な環境で正常動作せずMKLの問題ではないか、と書いたがこれはMKLに含まれるOpenMPライブラリの問題の様だ。この問題はlibguide.libとlibguide40.libの初期化がコンフリクトすると起こるらしい (参考)。回避手段としては環境変数KMP_DUPLICATE_LIB_OK=TRUEに設定して実行すればよい。(GT0.6.3のサポート情報No.4と同じ問題)。手元のPCは全てGTを動かすためにこの環境変数を設定してあるのでRTKLIBのMKLも正常動作していた様だ。環境変数設定しないでこの問題を回避する方法が無いか調査中。

補足: 別のXP環境で確認したら環境変数KMP_DUPLICATE_LIB_OKを設定しても落ちる。逆に現在のVista 64bit環境ではこの環境変数を削除しても正常動作する。ということでRTKLIB v.2.1.0 GUI APの障害はこの環境変数は直接は関係ない様なので上記記載は取り消し。さて以前の正常動作しない環境と現在の環境の差異は、VS2008とMatlab R2006bをインストールしたこと位だろうか。はっきり言ってもう訳わからない。(19:40追記)

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10/1から電子基準点のRINEXファイルにSNR (C/N0) が記載される様になった模様 (通知)。解析ソフトの中にはこの値を処理に使っているものがあるのでその対応だろうか。 (ちなみにGT0.6.3は使っていない)
ところで電子基準点も早くGLONASS対応にならないかな。といってもTrimble 5700はF/WバージョンアップだけではGLONASSは受からない様なので、ほぼ全部の受信機とアンテナ交換が必要。まだ当分先の事だろうか。

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2008/10/27

覚書: 2008/10におけるIGS high-rate局リスト (115局)。CDDISのhighrateディレクトリにupされているファイルリストから作成。

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2008/10/26

BBC News, Galileo satellite knocked offline, 1 October, 2008
昨日書いた放射線によるGIOVE-B衛星障害に関するニュース。これによるとGIOVE-Bは9/9にセーフモードに移行。セーフモードは深刻な障害が発生した場合に活動を停止して太陽電池パネルを太陽に指向させ電源を満充電に維持する標準手順。技術者は9/24になってやっとGIOVE-Bをアクティブモードに復帰させた。GIOVE-Bの高度は24,000km。この領域は衛星電子機器を破壊する高速粒子の密度が高く、衛星の目的の一つはこの領域の放射線環境を計測することだったとのこと。
ニュースにもなった様に現在ちょうど太陽活動が極小期にあり、この状況で障害が発生している様では太陽活動がより活発になった際にまともに運用できるのだろうかと心配になる。欧州はMEO衛星の開発/運用に関してはそれほど実績はないはずで、30年近くGPSを運用してきた米国とは大きな経験の差がある。今後詳細な障害原因の究明と対策が成されると思うが、原因がキーコンポーネントであるHM周波数標準だとすると、Galileoの開発/打ち上げ日程に対する影響が懸念される。

補足: NOAAによる次の太陽活動サイクル予測。次の極大期はhigh predictionで2011年、low predictionで2012年と予測されている。(8:40追記)

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2008/10/25

GPS World, GPS Insights - Early October 2008, 7 October, 2008
下に関連してGPS Block IIR-M打ち上げ延期に関する興味深い記事。関係者に取材して打ち上げ延期の原因やその影響について考察している。GPS Block IIF衛星が6か月以上前に完了予定の熱真空試験をまだパスしていない、とある。何らかの不具合が発生している可能性が高くBlock IIFの開発日程についてもまだ不確定要素が大きい様だ。GIOVE-Bが放射線の影響で15日間ダウンしたともある。原因はHM周波数標準のSEU (Single Event Upset) とのこと。GPS Block IIFにしてもGalileoにしても、新しい衛星にはどうしても色々と問題が発生する訳で、もともと非常にタイトなGalileoの打ち上げ日程に関しても、どこかで見直しが必要になる可能性は高い。

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GPS World, SVN37 Coming Back to Life; GLONASS Retires Two, 24 October, 2008
2007/12に運用停止されていたGPS SVN37が、PRN01として復活。これはBlock IIR-Mの打ち上げ遅れの補完という位置付なのかもしれない。
また既にunhealthyとされていた2機のGLONASSが正式に引退。9月に打ち上げられた3機のGLONASSはあと数週間で運用開始。次の3機のGLONASS打ち上げは12月に予定されている。
GPSの綱渡り運用に比較して、GLONASSは着々と復活しつつあるという印象。世界のGNSS関係者にも、まだ不確定要素の多いGalileoより着実に計画を進めているGLONASSに注目している人は多いようだ。

補足: 以前PRN01として運用されていたSVN32は、今年5/17に送信停止 (NANU2008030) されたが、9/24に送信再開した (NANU2008111)。 そして今回、このSVN32を10/16に再度停止 (NANU2008130) させてから、バックアップに回っていたSVN37をPRN01として運用開始させた (NANU2008131) 様だ。たぶんSVN32に何らかの問題が発見されたのではないかと思う。ボロボロの古い衛星を何とか使いまわして遅れている次のBlock IIR-Mの打ち上げまで繋ごうとしている意図が見え見えである。Block IIR-Mの打ち上げが更に遅れる様だとGPSの運用にも黄信号が灯るかもしれない。(14:10追記)

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2008/10/24

International Symposium on GPS/GNSS 2008, 11-14 November, Tokyo International Exchange Center, Tokyo, Japan
プログラムがupされた。発表内容を見ると広範囲なテーマに渡ってバラエティに富んだ、なかなか豪華なプログラムではないかと思う。ぜひ沢山の方が参加して頂けますようよろしくお願いいたします。

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2008/10/21

Inside GNSS, China Adds Details to Compass (Beidou II) Signal Plans, September/October, 2008
今年7月のCOSPARと併催されたICG expert meetingでCompassの信号プランについて中国から発表があったらしい。ということでICG (International Committee on Global Navigation Satellite Systems) expert meetingの資料を検索。

ICG Expert Meeting on GNSS Systems and Services, 15 July 2008, Montreal, Canada

Session 2: China: Compass/BeiDou Navigation Satellite System (CNSS) にWuhan Univ, Chugang Shi氏のプレゼン資料がある。
1番目の資料によるとCompassは5 GSO+30 MEOの衛星から成る。測位信号周波数はB1, B1-2, B2, B3, B1-BOC, B2-BOC, B3-BOC, L5の8種。このうちB1-BOCがGPS L1と、L5がGPS-L5と同一周波数となっている。変調はQPSK, MBOC, BOCで、GPS-L1互換のB1-BOCはMBOC (6,1,1/11)。既に3機のGSO (GEO) 衛星が2000-2003年に打ち上げられており、2010年までに中国及び近隣域、その後全世界にサービス域を拡大する。2種類のサービスが考えられており、openサービスがB1 I, B1-BOC, B2 I, B2-BOC, L5で、autorizedサービスがB1 Q, B1-2, B2 Q, B3, B3-BOCを使って提供される。現在GPSやGalileoとの相互運用性や互換性調整を実施中。
2番目の資料では、MASS (Multi-Constellation Augmentation Service System) と呼ぶWADGPS/LADGPSシステム、PANDA (Positioning And Navigation Data Analyst) と呼ぶ解析ソフトとそれを使ったリアルタイムPPP用POD/クロック決定、1Hz GPSデータによる四川地震の地震波解析結果について紹介している。

ついでなので、今まであまり情報が公開されていないインドのIRNSSとGAGANについてA.Bhaskaranarayana氏の資料を基に紹介しておく。
IRNSS (Indian Regional Navigation Satellite System) はインド域向け峡域衛星測位システムであり、インド上空の3 GSO+4 N-GSO衛星 ("N-GSO"が何の略かよく分からないが軌道を見ると8の字なので軌道面を傾斜させた地球同期軌道だと思われる) の7衛星から構成される。信号周波数はL5とS。サービスは2種。標準サービスの変調は1MHz BPSK, 高精度サービスの変調はBOC(5,2)。2009年から衛星打ち上げを開始し2011-2012年までに全衛星を打ち上げる予定。(IRNSS & COMPASS USE S-band downlinksとあるがCOMASSでは測位信号にはSは使っていないのでIRNSSでもSはダウンリンク専用で測位信号は載っていないのかもしれない)
GAGANはISRO (Indian Space Research Organisation) と AAI (Airports Autority of India) が共同で開発中のSBASシステムである。2007年8月にINMARSAT 4F1を利用したTDS (Technology Demonstration System) を構築。今年 (2008年) 後半にGAGANペイロードを搭載したGSAT-4が打ち上げられ、その後IEP (Initial Experimental Phase)、さらにFOP (Final Operation Phase) に移行する予定。

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CompassにしてもIRNSS/GAGANにしても大部分の衛星は日本からも利用可能なので、各国の計画が予定通り進んだとして、2013年末に日本から利用可能な測位衛星は、30 GPS+30 GLONASS+30 Galileo+35 Compass+7 IRNSS+1 GAGAN+2 MSAS+1 QZSS=136 GNSS となる。QZSSの位置づけが1/136に過ぎないというのはちょっと寂しいなあという気もする。

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2008/10/20

Windows Visa 64bit上でGT0.6.3を動かすためにMatlab 6.5.1をインストールしたのだがLicense Manager Error -103が出て正常起動しない。調べてみるとどうもMatlab 6.5.1はVistaをサポートしていないらしい。Matlab R2007a (7.4) はインストールしてあるのだが、Matlab7.4ではGT0.6.3はMEXオブジェクト互換性の問題 (7.4から旧MEXオブジェクト形式のサポートが打ち切られた) で正常動作しない。ということで現状のVista上ではGT0.6.3が動かない。(7.3までは旧MEXオブジェクトをサポートするので7.1〜7.3を入れれば多分動くはずだが)
ということであきらめて0.6.4へのバージョンアップを兼ねてMEXの再コンパイルを行うか。でもコンパイラやMKLの互換性問題も出そうだなあ。しかし、こういうあんまり本質的でないところで工数食うのは勘弁してほしい、という気はする。

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2008/10/18

M.Ge et al., Erratum: Resolution of GPS carrier-phase ambiguities in Precise Point Positioning (PPP) with daily observations, Journal of Geodesy, 2008
M.GeのPPP-AR論文のerratum。元論文ではARにMW-WLとIono-Free LCを使ってWL→NLを順次整数化する (後処理長基線解析では) 標準的な手法を採用しているのだが、短いintervalや移動体にはLAMBDA等のsophisticated search strategyが普通使われる、としている。errataとして追記する程のこともない気もするが、後から指摘を受けたのかもしれない。

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Amazonで届いた参考書

J.A.Farrell et al., The Global Positioning System & Inertial Navigation, McGraw-Hill, 1999

INS/GPS関連論文でよくreferされている標準的な教科書。内容はオーソドックスなものでINS/GPS複合測位をやる場合はこれ1冊あれば十分だろう。ただGPSの部分はさすがに古臭い。疑似距離の観測方程式にSA項が入っているものを初めて見た。

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Microsoft Live Labs, Photosynth
これ凄い。一言でいえば多数の画像を3次元的につなぎ合わせてシームレスにブラウズする画像処理技術と言えば良いか (関連記事)。ほとんど映画のブレードランナーと同じ。と言っても実際に見てみないと凄さが分らないので試してみることをお勧めする。プラグインのインストールが必要で、safariでは正常動作しなかったのでIEで試した。

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RTKLIB v.2.1.0の電離層マッピング関数が変だとご指摘を受けた。(rtklib_2.1.0/src/rtkcmn.c: L.1294)

extern double ionmapf(const double *pos, const double *azel)
{
    return 1.0/asin(RE/(RE+HION)*sin(PI/2.0-azel[1]));
}

確かに変だ。正しくは

extern double ionmapf(const double *pos, const double *azel)
{
    return 1.0/cos(asin((RE+pos[2])/(RE+HION)*sin(PI/2.0-azel[1])));
}

ここは電離層推定時にslantをverticalに変換する際だけに使っているのであんまり結果に効かないはずだが、直すと少し長基線KGPSの性能が上がるかもしれない。(この関数は単体試験をしてたはずだと思ったら試験関数の内容がNULLだった...。たぶん後で書くつもりでテンプレートだけ書いてそのまま忘れたらしい...。)
その他、RTKLIBのGUI APが色々な環境で正常動作しないという報告を頂いている。Windows Vista 64bit環境でも正常動作しない。本件、今後ちゃんと調べる予定である。使われている方はもう少し御辛抱を。

Windows Vista 64bit上でのRTKLIB v.2.1.0 GUI APの動作を確認。MKLを使用しないでLAPACK/BLAS互換ルーチンで構築したAPは正常に動く。MKLをリンクしたAPは行列ライブラリを呼んだ時点で"rtkpost.exeは動作を停止しました" というメッセージが出て異常終了する。MKLはv.7.2だがVista 64bitに対応していないのではないだろうか。MKLは確かに速いのだけどどうも互換性問題を起こしやすい様だ。GT0.6.3でもMKL関係の問題が出ていた。2 core CPUやVS 2008環境でRTKLIB GUI APが動かないと報告を受けているのも、このMKL互換性問題の可能性が高い。ということで当面の対応として互換ルーチンを使うようにしてAPを再構築して使ってください。互換ルーチンを使うためにはコンパイルオプションでシンボル定義"MKL"を削除してください。ただしマルチコアCPUでも1 coreしか使わなくなるので実行速度が遅くなります。不明点あれば問い合わせ下さい。

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2008/10/15


メインPCのOSをWindows XP SP3からWindows Vista Premium Home 64bitに置き換え。おおむねドライバ類が出そろってきたのと、XPのCドライブの容量不足で頻繁に警告メッセージが出る様になってきたので。一応CPUやビデオカードは十分速いのでHDのインデックス生成だけ切ってあげれば性能面ではそんなに苦痛という訳ではない (もっさりはもっさりだが)。でもいくつかちゃんと動かないAPがある。今のところ見つけたのは、LHAPLUSの右クリックメニューがちゃんと動かないのと、RTKLIB v.2.1.1のRTKPOSTの異常終了。何が問題だろう。


10/11にリストしたPPP-AR関係論文をざっと読む。結構難解なものやよくわからないものが多いのだけど、やはりJournal of GeodesyのM.Geの論文が一番分かりやすいしきっちり書かれている。それに比較しION論文はいい加減なものや宣伝色の強いものが多い。まあ査読付論文ではないので仕方ないとは思うのだけど。


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2008/10/12


10/7に「Matlab 7.4はマルチスレッド対応ALTASが入っている」と書いてしまったが、Matlabで使うBLASは$MATLABROOT\bin\<arch>\blas.specファイルを見てCPU毎に切り替えているらしい (参考)。Windows版 Matlabではどう定義されているかというと


Matlab 6.5.1


GenuineIntel Family 5 Model * atlas_PPro.dll # Pentium
GenuineIntel Family 6 Model 1 atlas_PPro.dll # Pentium Pro
GenuineIntel Family 6 Model 3 atlas_PII.dll # Pentium II (Klamath)
GenuineIntel Family 6 Model 5 atlas_PII.dll # Pentium II (Deschutes)
GenuineIntel Family 6 Model 6 atlas_PII.dll # Celeron
GenuineIntel Family 6 Model 7 atlas_PIII.dll # Pentium III (Katmai)
GenuineIntel Family 6 Model 8 atlas_PIII.dll # Pentium III (Coppermine)
GenuineIntel Family 6 Model 10 atlas_PIII.dll # Pentium III (Cascades)
GenuineIntel Family 15 Model * atlas_P4.dll # Pentium 4
AuthenticAMD Family 5 Model * atlas_PII.dll # AMD-K6
AuthenticAMD Family 6 Model * atlas_Athlon.dll # Athlon/Duron


Matlab 7.3 (R2006b)


GenuineIntel Family 6 Model * mkl.dll # Pentium III
GenuineIntel Family 15 Model * mkl.dll # Pentium 4
AuthenticAMD Family 6 Model * atlas_Athlon.dll # Athlon/Duron
AuthenticAMD Family 15 Model 4 atlas_Athlon.dll # Athlon 64
AuthenticAMD Family 15 Model 5 atlas_Athlon.dll # Opteron
AuthenticAMD Family 15 Model 12 atlas_Athlon.dll # Athlon 64 (Newcastle)
AuthenticAMD Family 15 Model * atlas_Athlon.dll # AMD64


Matlab 7.4 (R2007a)


GenuineIntel Family * Model * mkl.dll libguide40.dll mklcompat.dll # Intel processors
AuthenticAMD Family * Model * mkl.dll libguide40.dll mklcompat.dll # AMD processors


ということで7.3では (intel CPU用には) 既にATLASではなく (マルチスレッド版) MKLが使われている様だ。最新版のMKLに入れ替えてあげると少し性能が上がるかもしれない。


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2008/10/11


PPP-ARに関する論文がぼちぼち色々な所で出始めたので少しサーベイしてみる。


(1) M.Ge et al., Resolution of GPS carrier-phase ambiguities in Precise Point Positioning (PPP) with daily observations, Journal of Geodesy, 2007
(2) D.Laurichesse et al., Integer ambiguity resolution on undiffernced GPS phase measurements and its application to PPP, ION GNSS 2007
(3) G.Weber et al., Real-time Clock and Orbit Corrections for Improved Point Positioining via NTRIP, ION GNSS 2007
(4) D.Laurichesse et al., Real Time Zero-difference Ambiguities Fixing and Absolute RTK, ION NTM 2008
(5) P.Collins, Isolating and Estimating Undifferenced GPS Integer Ambiguity, ION NTM 2008

(6) J.Delporte et al., GPS Carrier-Phase Time Transfer Using Single-Difference Integer Ambiguity Resolution, International Journal of Navigation and Observation, 2008
(7) J. Geng et al., Performance of Hourly Precise Point Positioing with Ambiguity Resolution, ION GNSS 2008
(8) P.Collins et al., Precise Point Positioning with Ambiguity Resolution using the Decoupled Clock Model, ION GNSS 2008
(9) D.Laurichesse et al., Zero-differnce Ambiguity Fixing for Spaceborne GPS Receivers, ION GNSS 2008
(10) L.Mervart et al., Precise Point Positioning With Ambiguity Resolution In Real-Time, ION GNSS 2008
(11) C.Rocken et al., Precise Positioning of Ships and Buoys in the Open Ocean - Result from a 3-month Indian Ocean Cruise, and Tsunami Buoy Off Japan's Coast, ION GNSS 2008
(12) T.Iwabuchi et al., Deformation Monitoring with Single Frequency L1 Receivers, ION GNSS 2008


ということで先日のIONでのPPP-AR関連発表は拾い出せた範囲で6件。特に最後の発表は今狙っている所に近い (PPPと言ってはいるが実際はPPPとネットワークRTKの中間という感じ) しかし、はやりの研究テーマになってしまって競合研究者が増えてしまったのは少し厳しいなあ。


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2008/10/07


覚書: Kalman filterの観測更新則 (K=P*H'/(H*P*H'+R); xp=x+K*v; Pp=P-K*H*P;) の実行時間。(C2Q 2.4GHz)


Matlab 7.4

(1) n=1006 m=1680 x   1 : t=  1.520s
(2) n=  36 m=  44 x 500 : t=  0.159s
(3) n=1194 m=3360 x   1 : t=  5.916s

Matlab 6.5.1

(1) n=1006 m=1680 x   1 : t= 11.438s
(2) n=  36 m=  44 x 500 : t=  0.328s
(3) n=1194 m=3360 x   1 : t= 44.140s

Matlab 7.4はマルチスレッド対応ATLASが入っているので4 coreの値でさすがに速いが、それでも実行時間的には厳しい。Cで最適化してMKLを使えば半分位には出来るだろうが、もう少しフィルタ分割方法の工夫が要りそうだ。

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2008/10/06

前からリストを作らなければいけないと思っていた研究業績を追加。やはり査読付き論文をちゃんと書かねばいけないなあ。

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2008/10/04-05

休養を兼ねて北八の温泉。白駒池はちょうど紅葉の真っ盛りで良い感じだった。

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2008/10/03

相模原宇宙研で開催されたASTRO-G軌道決定系打ち合わせに参加。特にGPS系にはまだ問題が山積しているようでなかなか面白かった。といっても傍観者の立場なのでそう言えるのだけど、当事者である担当者の方はとても大変そうではある。でも担当者の方は皆大変優秀な方ばかりなのできっと何とかなるのではないかと思う。

IS-GPS/GNSS 2008のpaper deadlineが11/17に延びた様だ (ただしnon-reviewed paperのみ)。ということで発表予定の学生さんはちゃんと期日までにpaperをまとめるように。
> ... Thus the deadline of the full paper is set to be 17th November. ...

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2008/10/02

Inside GNSS, GPS Satellite Launch Schedule on "Indefinite" Hold, Octorber 1, 2008
伸び伸びになっていた最後の2機のGPS Block IIR-M衛星の打ち上げがまた延期となった様だ。関係者の話として部品調達の関係で2009年春か夏にずれ込みそうとのこと。Block IIF衛星打ち上げに先駆けて次のBlock IIR-M衛星ではL5信号の送信試験を行う予定だったがこれも延期となる。L5帯周波数割り当てを確保するため2009年8月のデッドラインまでに衛星からL5信号を送信する必要があるらしく対応策を評価中。打ち上げ延期の原因は地上試験で3段目ロケットの衛星分離用タイマに不具合が見つかったためとしている。
記事中参照しているGPS衛星ステータスの図が小さすぎて分かりにくいのでオリジナル資料。これはCGSIC (Civill Global Positioning System Service Interface Committee) で米国空軍LT.J.Rediesel氏が発表したもの。ついでなのでIONの前にSavannah Marriot Riverfront Hotel (これはこの前泊まったホテル) で開催されたCGSIC会議の資料集を貼っておく。現状各国のGNSS関係プロジェクトのステータスを把握するには良い。

CGSIC 48th meeting Summary Report, Savannah, US, 15-16 September, 2008

なお11月のIS-GPS/GNSS 2008時にCGSIC関連会議 (CGSIC-IIC Meeting) が併催されるので興味のある方は参加されると良いのではないかと思う。

補足: Rediesel氏の資料はなかなか面白い。現在運用中のGPS衛星29機のうち予備の原子時計が残っていない衛星が7機もあり、これらは原子時計が故障すれば衛星自体即使えなくなる。GPS衛星のノミナル構成は24機 (4機×6プレーン) だが、現実には24機まで落ちると測位精度がかなり落ちる地域や時間帯が増えるはずで結構綱渡り的な運用と言えなくもない。次の次の次に打ち上げられるBlock IIF衛星は新しい衛星で技術リスクが高い訳で、もしこのまま打ち上げ日程がずるずる遅れてかつBlock IIF衛星に致命的な欠陥が見つかった場合、GPS衛星システム自体が危機に直面するかもしれない。その点で早くGalileoが本格運用されてGPSの補完機能を果たすようになることを望む。(18:58)

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2008/10/01

T.Takasu et al., Evaluation of RTK-GPS Performance with Low-cost SIngle-frequency GPS Receivers, International Symposium on GPS/GNSS 2008
IS-GPS/GNSS 2008 paper up。内容は粗製濫造と言われても仕方ない。とりあえずこれやGPS/INSは置いておいて、今後当面は宇科連発表の方向の研究に注力する予定。IONが悔しかったので。

IS-GPS/GNSS 2008 paperやっと完。結局昨日中は間に合わなくて半日遅れたが、〆切が10/4に延びた様で問題なし。PDFを2MB以内にしないと登録が失敗するので最後にPDF出力のパラメータを調整するのに時間がかかってしまった。しかし9月は立て続けの〆切できつかった。昨日から殆ど寝てないので少し休養。(17:44)

補足: 正式〆切は10/6 21:00JSTに延期とのこと (10/2)
>The final date is extended to 2100 6th October (JST) for the non-reviewed papers.

IS-GPS/GNSSのearly resistrationをして、宇科連のホテル予約をした。宇科連のホテルをJTB経由で頼んだら会場横の高級リゾートホテルのダブルルームになってしまった。せっかく淡路まで行くので帰りにちょっと四国でも回ってから帰ろうか。

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〜2008/09/30


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