日記・備考録 |
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現在、電子基準点で受信機更新と通信装置の二重化が行われているのだが、以前に比較してどうもリアルタイムデータの通信遅れが酷くなっている様だ。NGDSのNTRIPサーバ経由で受けた電子基準点データのレイテンシ。これはシリアルで取り込んだローバ受信機 (NovAtel) の観測データ比較。左: 2009/12/22基準点3023 、右: 2010/2/27 基準点0980。基準点が違うので基準点に依存している可能性もあるのだが、3023の遅れは殆ど1sだが、0980は平均で2-3s遅れている。これ位だと (matched positionではなく) low-latency position RTK解の性能が少し落ちるはずである。多分通信装置の更新が関係しているのではないかと思うのだが、これはなんとかしてもらいたい。
補足: 現在別の基準局に切り替えて試験を行っているが、この局 (0295) は遅くない。どうも局によってレイテンシは異なる様。(3/1追記)
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Proton-M/3 Glonass-M Roll-Out
明後日打ち上げられるGLONASS-M/Proton-Mの写真。打ち上げ予定時刻は2010/3/2
00:19 Moscow Time (2010/3/1 21:19 UTC)。打ち上げ中継はここで見られる様。
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本日6:34:14UTC、チリでMw8.8の地震があったようで (USGS) 日本では明日午後1時過ぎ (JST) に1m前後の津波の到来が予想されている (気象庁)。室戸沖に展開しているGPS津波計でこの津波が計測できるか注目したい。なおこのシステム、基線長13kmの1Hz RTKでブイの位置を測っているよう (参照)。GPS津波計は長基線RTKの有力な応用の一つである。
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InterSense NavShoe Demo at I/ITESEC 2009
(YouTube)
InterSenseが昨年10月のI/ITESEC (Interservice/Industry
Training, Simulation & Education Conference)
で行ったNavShoeと呼ぶ慣性センサのデモ。小型慣性センサでこれだけ精度が出るのは凄い。これ、NavChipTMを使っている様だがMEMS IMUでこれくらい精度が出るとすると、将来的には室内測位や市街地測位にはかなり有望だと思う。ただ、別の情報ではNavChipは開発キット$4,900、チップ$1,500とのこと。ちょっとまだ値段が高い。
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F.Diggelen, Expert Advice: Are We There Yet? The State
of the Consumer Industry, GPS World, 2010
BroadcomのDiggelenが民生用GPSの技術動向について書いている。まとめると、
> Looking forward, it is very likely that
this new decade will be characterized by
> GPS-plus other technologies, and the
winners will be those with the greatest
> levels of integration.
とのことである。別にこれについては異議はない。ただ、Cell-phone GPSの性能が良すぎる気がする。いくら高感度といっても市街地でマルチパスバリバリの携帯用チップアンテナでこんな性能がでるのは信じられない。
補足: よく読んだらアンテナはアクティブパッチを使っているとのこと。それでもIMUなしでこれだけの性能はそう簡単にでないと思うのだけど。(10:21追記)
補足: 今、再度確認したらリンクが切れてる。日付が2010/3/1だったので一瞬間違ってupしてしまったのかも。(10:30追記)
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今月のRTKLIB 2.3.0のダウンロード数が600に達して、累積ダウンロード数がやっと10,000を超えた。とりあえずこれで一区切り。
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IGS Workshop 2010, June 28-July 2, 2010, Northumbria University Business School Newcastle, England
IGS Workshop 2010の案内。アブスト〆切5/14。まだ未確定だがもしかするとRTKLIB関係で発表をすることになるかもしれない。
過去のWorkshopを見てみると2008 Miami Beach,
2006 Darmstadt, 2004 Berne, 2002 Ottawa,
2000 Statens Karlverk, 2000 Washington DC.
1998 Pasadena, 1998 Darmstadt, 1996 Silver
Spring, ...、なので最近は2年に1回というペースで開催されているようだ。
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NASA Spacefight.com Forum - Plan of Russian
space launches
どこまで信憑性があるのか分からないが、このフォーラムの情報によると、3/2のGLONASS-M×3打ち上げの次は、8月のGLONASS-M×3、11/10のGLONSS-M×2+GLONASS-K(!)、とのこと。機数から言って11月の打ち上げで
(予備も含めた) FOCとなると考えて良いと思う。なお、2011年にもGLONSS-M×3,
GLONASS-M×2+GLONASS-Kの2回の打ち上げが予定されている様だ。
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国土地理院広報500号
国土地理院の英語名がGSI (Geographical Survey
Institute) からGSI (Geospatial Information
Authority of Japan) に変更になるらしい (4/1から)。まあ米国でNIMAがNGAになったのと似たような理由の様で、GIS関係の活動が増えてきたという現状を考えた施策なのであろう。
測位航法学会
原著論文募集と4月の全国大会講演募集が始まっている。皆様ぜひこの機会に学会に参加いただき、論文・講演にもご応募下さい。
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S.Kogure, Report of the 1st Asia Oceania Regional Workshop
on GNSS, APRSAF16 CSAWG, January 27, 2010
こないだのバンコクのレポート。最終的に18カ国から200人近い人が参加したようで、盛大でなにより。次回以降も盛り上がると良いのだけど。
T.Takasu, Precise Point Positioning Experiment by using
QZSS LEX, Asia Oceania Regional Workshop on GNSS,
January 25-26, 2010, Bangkok, Thailand
バンコクの私の発表資料、多分公開して問題ないと思うのでup。なんかこのところやっつけ仕事の発表ばかりしている気がする。もうちょっと地道にデータ積み重ねないといかんなあ。
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長基線のRTK/後処理KGPSがらみで、観測データと某解析ソフトによる解析結果を立て続けに頂いて、RTKLIBによる解析結果と比較しているのだけど、第一印象として、実績のある解析ソフトはそれなりにちゃんとした解を出すなあ、と感心している。昔、ちょっと某解析ソフトを使ったときは使い物にならないじゃん、と思ったのだけど。世の中は進歩しているものである。それに比べると現版のRTKLIBは、長基線に関してはちょっと問題多すぎ、もう少しなんとかしないといけない。
(もし、長基線解をRTKLIBで解かれて、他の解析ソフト解と比較されている方がいらっしゃいましたら、その結果などを送っていただけると大変参考になります。その結果はたぶん将来のRTKLIBの版に反映されます。)
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以前、別々に解いた複数基準局によるRTK解を結合するのは簡単とか書いてしまったが、すべて取り消し。複数基準局-単一ローバの解は全観測方程式を連立して解く必要がある。これは同一観測データを利用した解の間には相関が発生するため。ただアンビギュイティの数が50を超えると、LAMBDAみたいな同時整数解を求める手法では計算量の問題が出てくるのでこれは、共分散を無視して近似解を求める必要が出てくるかも。できれば自動的に共分散が小さいブロックを識別して、自動分割してくれるアルゴリズムがあると良いのだけど。いずれにしても複数基準局対応をきちんと実装しないといけない。
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昨日の長基線RTKの件、現状の問題点や課題を改善の目処の有無に関係なく整理しておく。
(1) 夏場の解の乱れ (多分対流圏パラメータの推定に問題がある)。
(2) 電離層、対流圏の基線長、季節依存性を1年程度のデータでちゃんと評価する。
(3) 処理オプションに対するsensitivityが高すぎる。なんか自動で調整してくれないかなあ。適応型フィルタを入れてみるか。
(4) IGU-predictedのクロック無効値対応。
(5) earth tideとphase-windupの効果を定量的に評価。
(6) 衛星アンテナ位置のX成分の寄与を評価。
(7) 対流圏モデルの入れ替え、温度、気圧、湿度の入力。
(8) Fix解のQCなんとかもう少しうまい手法はないか。
(9) 複数基線解統合 (網平均) プログラムの追加。
(10) 高速移動体の長基線対応がなぜ性能でないのかをちゃんと評価する。
(11) 九州、沖縄等電離層の悪いところの評価。
(12) 仰角以外のpartial fixingの判断基準。
やっぱりきっちりやると1年仕事になりそう。
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高須, 長基線RTK-GPS/GNSSの課題と展望, 東北大AOBセミナー, 2010
ちょっと、仙台まで日帰り出張で長基線RTKの話をしてきたので資料を貼っておく。結果はまだpreliminaryなもので、現在RTKLIBのv.2.3.1対応で色々と問題点対策を行っている最中のもの。正式リリースではもう少し改善はできると思う。なおv.2.3.1は2月にはリリースしたいと思っていたのだが、ちょっと無理そうで3月にはなんとかしたいなあ。
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T.Springer, [IGSMAIL-6074] ESA Product Enhancement, February 8, 2010
ESAがGLONASS 30sクロックの提供開始。すばらしい。現在CDDISにuploadされているIGS
ACのクロック時間分解能をまとめてみた。
CODE | NRCan | ESOC | GFZ | JPL | MIT | NOAA | SIO | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GPS Clock | 5s | 30s | 30s | 300s | 300s | 30s | 900s | - |
GLONASS Clock | - | - | 30s | - | - | - | - | - |
これでGPS/GLONASSによるPPPが実用的に使えるようになるだろう。作業が止まっているGT0.6.5でのGLONASS対応進めなくちゃ。
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A.Cammeron, Up Close and Personal with SVN-49, GPS World, 2010
GPS SVN-49の信号問題の対策についてION ITMで色々と発表があったらしい。あらゆるオプションを検討している様だけど、結局うまい方策は考え付かなかった様で、コントロールセグメントのS/W改修はしてるけど、当分運用開始できなそうな感じ。前にも書いたように、ずっとunhealthyのまま運用して、特別にF/W更新した受信機だけがSVN-49を利用できるという形で決着しそう。でも公式に利用可能にするためにはICDも更新しなければいけないし、受信機が対応するのはずいぶん先になるだろう。
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T.Hobiger et al., Ray-traced troposphere slant delays for precise
point positioning, Earth Planets and Space, 2008 (EPS Award
2009)
NICTのHobigerさんが2009年のEPS Award受賞。受賞対象論文はHobigerさんが開発したKARAT
(Kashima Ray Tracing Service) と呼ぶNWMデータによるray-tracingソフトウェアの性能をGT-PPPを使って評価したもの。どうもおめでとうございます。
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R. Schmid, How to Use IGS Antenna Phase Center Corrections, GPS World, 2009
IGSのアンテナモデル補正についてよくまとまった解説。
> The absolute phase center corrections
from igs05.atx should be used together
with the
> IGS05 terrestrial reference frame which
is aligned to ITRF2005 that is based on relative
> antenna phase center corrections.
のところはIGS05とITRF2005の制定の背景を知らないと、まず理解できないと思う。今年の春か夏にはIGSの基準座標系とアンテナモデルはITRF2008とigs08.atxに移行する予定らしい。できればこの機会に基準座標系の二重帳簿を解消して、分かりやすくしてほしい。
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Spaceflight Now, Launch Schedule
今年の測位衛星の打ち上げ予定だけ拾っておく。
3/2 GLONASS-M×3 (Proton), 5/13 GPS 2F-1
(Delta 4), 11月 Galileo×2(?) (Soyuz), 12月
GPS 2F-2 (Delta 4)。あとここには載っていないが、8-9月
QZSS-1 (H2A), 11-12月 GLONASS-K(?)×3×2回,
Compass×3-4回?。これだけで全部で17-18機。多分、今年は多GNSS時代の幕開けの年として将来記憶されることになるであろう。
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いつのまにか2月だあ。
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