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B.Parkinson and S.T.Powers, Fighting to Survive, GPS World, 2010
GPS誕生秘話の後編。GPSのフェーズ1プログラムが承認され、実際に開発が始まってからGPSの未来まで。
GPS技術の重要な鍵は (1) 4つの衛星の原子時計による時刻同期 (2) CDMA信号の使用、でありNRL Eastonの特許にはどちらも含まれていないので、Eastonは「GPSの発明者」とは言えないと強調している。
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iPad (WiFi 32GB) 到着。使うのがとても楽しい。PCの時代が終わって新しいIT端末の時代が来るのかと感慨も深い。
もう少し軽くなって、TVや録画ビデオを自由に見れる様になると多分もっと普及するだろう (アナログ録画ビデオであれば現状でもPC+AirVideoでOK。デジタルはまだ難しい。)
もうすぐ発表されるはずのiPhone 4Gも買ってしまうことになると思う。
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ITRF2008
ITRF2008が公開された。ITRF2008からITRF2005への変換パラメータのうちD (Scale) は+0.94×10^-9であり、見方によっては、地球の半径が6mm程縮んだとも言える。
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SpacefightNow, First-of-its-kind satellite for GPS launched into space, May 28, 2010
2010/5/28 3:00 UTC GPS Block IIF 1号機、米ケープカナベラル空軍基地からDelta IVロケットで打ち上げ成功。軌道はプレーンB、スロット2に投入される予定。最近のBlock
IIR-Mでは打ち上げ後2週間程度で運用開始となるケースが多かったが、さすがに新しい衛星であり90-120日のチェックアウト期間をかけるとのこと。
補足: ちょっと長いがYouTube。ULAのwebcastと同じソースの様。打ち上げは19:50辺り。(5/29追記)
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SpaceflightNow, Mission Status Center
GPS Block IIF初号機打ち上げ、今度はメインエンジン点火直前、T-7s でhold。水曜にスペースシャトルアトランティスの着陸があるので、次のロンチウインドウは週末になる予定。
補足: "an anomalous data signature" from the steering system が原因だとのこと。対応策検討中だが次の打ち上げは早くて5/27 11:00-11:19 pm EDT (5/28 3:00-3:19 UTC)。(5/26追記)
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GPS Block IIF初号機、2010/5/22 3:25-3:43 UTC 米ケープカナベラル空軍基地からDelta IVロケットで打ち上げ予定だったが、T-4'02"で打ち上げ中止。ULAのwebcastを見ていたのだが原因は不明。
SpaceFlightNowによると"unspecified technical concern"が原因。衛星のテレメトリが失われたとのことだが詳細は不明。次のロンチウインドウは
2010/5/23 3:21-3:39 2010/5/24 3:17-3:35 2010/5/25 3:13-3:31 UTC。
補足: Delta IVの第1段はDelta IIと違って液酸液水の様だ (参照)。多分一度燃料を抜くはずだが1日 (というか半日) で打ち上げ準備が整うらしい。なお先日のH-IIAの打ち上げでは中2日開けていた。この辺もノウハウの差
? (17:05追記)
衛星のテレメトリ問題を解決するため再打ち上げは1日空けて5/24 (UTC) に変更になったようだ。(17:26追記)
再度打ち上げ延期 (5/24追記)
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J.Ray, [IGSMAIL-6155]: new GRGS Analysis Center added to IGS Finals, May 20, 2010
GPS Week 1582 (2010/5/2-) から仏CNES/CLSのGRGS (French Space Geodesy Reseach
Group) 解がIGS Finalに編入されることになった。CNESのD.Laurichesseは数年前からPPP ARの研究を盛んに発表しているのでどうもこのGRGSのクロック解を使うとPPP
ARが可能になる様だ。IGSのクロック解は (搬送波位相で解を求めているのに関わらず) 絶対値を24H単位でコードP1-P2電離層フリー解にalignし直しているので、そのままではPPPで整数バイアスを解くことができない。また主に衛星のコード-搬送波位相バイアスの不安定性に起因してday-boundaryの不連続性が大きい。ということでちょっとGRGS解を解析。左:
PRN6軌道、右: PRN6時計、IGS Final比較。軌道の3D RMS誤差は3.8cm。時計のRMS誤差は5.3cmだが下のように24Hごと数cmのバイアスが見られる衛星が多い。これはクロックの絶対値を
(整数バイアスを解いた) 搬送波位相にalignしているのが原因ではないかと思う。残念なことに時計は5分間隔解である。
補足: GRGSは2007/4からIGS ACに入るための提案活動していたらしい (参照)。解析モデル (参照) を見てもECMWF NWMやアルベドのモデルを入れたりして先進的な研究をしている。日本でもQZSSの打ち上げを機に解析センタを立ち上げてIGS AC入りを目指す動きもある様だが、現実にはかなりハードルは高そう。(11:58追記)
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United Launch Alliance
地上機器の問題でGPS Block IIF初号機の打ち上げが予定より1日遅れている。新しいロンチウインドウは2010/5/21 11:25-11:43
pm EDT (15:25-15:43 5/22 3:25-3:42 UTC, 5/22 0:25-0:43 12:25-12:43 JST)。ロケットはデルタIV。ライブ中継は上のリンクから。
補足: 12H間違えた。米国時間で5/21の夜中だった。(5/22追記)
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Space News, Air Force Working Through GPS Receiver Problems, May 7, 2010
今年1月のGPS OCSの更新に伴い一部のGPS受信機に不具合が発生していたらしい。対象となるGPS受信機はSAASM (Selective
Availability Anti-Spoofing Module) と呼ばれる軍用受信機で、民生用ユーザには影響ない。米空軍のX-47Bという無人戦闘攻撃機に影響が出ていて飛べなかったが、現在復旧したとのこと。
CSNC2010: China Satellite Navigation Conference, 2010/5/19-21, Beijing, China
中国における第一回目の衛星航法会議が今週北京で開催される。中国語のWebサイトしかないので、内容があまり分からないがCompassの計画についての詳細な情報が出てくるのではないかと期待されている。
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S.T.Powers and B.Parkinson, The Origins of GPS, GPS World, 2010
GPS誕生秘話の前篇。GPSが1960年代に米空軍の621B機密研究プログラムとして開始されてからその開発にゴーがかかるまで。大変興味深い。GPSのアイデアはAerospace
Corp.のJ.WoodfordとH.Nakamuraによる1966年の報告が最初であるとしている。日本人、あるいは日系人 (?) 技術者がGPSの初期研究に寄与していたとは全く知らなかった。記事にH.Nakamuraの写真が出ているが、ちょっと調べてみた範囲ではどういう人だったのかは分からなかった。
補足: GPSの発明者としてNRL (Naval Research Laboratory) のR.L.Eastonが上げられることがある様 (参考記事) だが、GPS Worldのこの記事によると、Woodford and Nakamuraの報告の方がEastonの特許出願より4年も早いとしている。(14:09追記)
S.R.Strom, Charting a Course Toward Global Navigation, Crosslink, Aerospace, 2002
このAerospace社広報誌の記事を読むと、GPSのプロジェクトは米海軍のTransit, NRLのTimation, 米空軍の621Bの3系列の研究開発プロジェクトが統合されて開始されたものらしい。GPS
JPO (Joint Program Office) の"joint"はこの3つのオフィスの統合の意味がある様だ。いずれにしてもGPSの開発には多数の技術者・研究者が関わっている訳だが、その中で一人を上げろと言ったら多くの人は初代JPOマネージャで初期GPSの開発を取り仕切ったParkinsonを上げるのではないかと思う。(14:42追記)
InsideGNSSの2010/5月号のLetters (p.15〜p.19) にも、R.Eastonの紹介に対する、B.Parkinsonの反論とそれに対するR.Eastonの息子のRichard Eastonの再反論が載っている。どうもB.Parkinsonは、R.Eastonが2010年のInventors Hall of Frame (発明家の殿堂) に選ばれて「GPSの発明者」と紹介されることが許せないらしく、(GPSの基となったとされる) R.EastonのTimationはGPSの開発に寄与していないとしている。なんとなく泥仕合という気もするが、これを機会にGPSの初期開発の内幕が公開されるとするとそれはそれで技術史としてとても興味深い。(19:31追記)
Father of GPS and Pioneer of Satellite Telemetry and Timing Inducted into
National Inventors Hall of Fame, NRL Press, March 31, 2010
ちょっとくどいのだが、EastonがInventors Hall of Frame入りを果たしたことを紹介するNRL pressによる記事。Eastonを"Father
of GPS"と呼んでいる。確かにこれではParkinsonはカチンと来るのではないか、とは思う。なおNRLはGPS Biblographyという出版物でNRLのGPS技術に対する寄与を謳っている。(21:20追記)
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B.Kirby, [time-nuts] Choke Ring Pictures, March 13, 2010
自作チョークリングアンテナ。2周波のチョークリングは設計がとても大変だと聞いたことがあるが1周波ならそれほど大変ではないのかもしれない。しかしこのメーリングリスト、精密時刻同期に関するものらしいけどやたら専門的。なおこの情報は教えてもらった。
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M.Vidmar, A homemade receiver for GPS & GLONASS satellites, 1991-1992
WikipediaのGLONASSの項で知った自作GPS/GLONASS受信機。20年近く前にディスクリートでアンテナ、RFから基板やコンソール、F/Wまで全部自作している。なにせCPUが68010
(!)。世界には凄い人がいるものである。
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IGSSTATION Mails 2010
先日のNovAtel受信機の受信不良はどうも古いGLONASS-714がR06としてreactivateされたことが直接の原因だったようだ。
IGSのサイトのうちLeica GRX1200GG PROを使っているサイトが軒並みダメで、急遽F/W更新を行っている。LeicaとNovAtelはずいぶん前から提携関係にあるので、このLeica受信機の中身は多分NovAtel
OEMV-3Gと同じなのではないかと思う。
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