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年度末で色々と完了。2月から3月にかけて結構ハードでちょっと疲れたので、少し頭の休養予定。
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Munich Summit Charts Progress of GPS, GLONASS, Galileo, Beidou GNSSes, InsideGNSS, March 20, 2012
先日開催されたMunich Satellite Navigation Summitでの各国のGNSS状況の発表についてまとめられている。
(1) GPS: Block IIFのUEREが38 cm (全31衛星では86 cm)。Block IIF衛星は3-4機製造済、5-8機製造中。2014年にBlock III初号機打上。
(2) GLONASS: 昨年12月にFOC復帰。予算347Mルーブルで2020年までにCDMA+FDMA 24機体制に。もうすぐ30衛星までの運用を可能にする拡張。今年中にGLONASS-K 2号機打上。
(3) Compass: 現在11機、追加5機を打上げ今年中に地域サービス (経度84-160度、緯度-55-55度) IOC。G×5+I×5+M×4機構成で測位精度5-10mに改善。年末にはちゃんとしたICD出せるかも?
(4) Galileo及びEGNOS: 2014-2020年追加予算として7Bユーロ獲得の見込み。現在26衛星の契約済。昨年10月にIOV2機、9月にIOV2機の打上。今後、2013年 ソユーズ×3 (計6機), 2014年 ソユーズ×2+Arian 5×1 (計8機), 2015年 Arian 5×2 (計8機) 打上。2014年にIOC予定。最終構成 (27機 + 3機予備) には4機の追加予算が必要。
(5) QZSS: 2010年までに4機構成を達成するため、4月に予算請求。
(6) GAGAN: 今年後半2機目 (東経82度) 打上。
この記事では、2012年末のCompass構成をG×5+I×5+M×4としているが、過去 G×6+I×9+M×1、G×11(?)+I×5+M×1等の発表・報道もあり、構成については少し混乱がある様だ。
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中学生の娘にこの備考録を見つけられて「@フランクフルトなう」と書いたのをバカにされた...。(全く、そんなもんギャグで書いているの当り前だろうに)
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NVS社のNV08CのBINRプロトコルはNDA対象外で公開OKになったらしい。BINRの仕様をNVS社に請求したら送ってきたので、次期版RTKLIBではNV08Cのサポートを追加することに決定。
ただ、NVS社Robertさんによると、現状F/WではGPS+GLO
(Raw)またはGPS+GLO+GAL (NMEA) の切り替え出力になるとのこと。もちろん、最終的にはGPS+GLO+GAL
(Raw) でRTK-GPS/GLO/GALというのをやりたい訳で、これは6月か7月リリースの新F/WでBINR2というプロトコルでサポートされる予定らしい。今のところいくつか問題点を見つけているのだけど、とても協力的なのでなんとか対応してくれるかもしれない。試験用受信機としてはEVKを今お借りしているのだけど、どうせ必要になるので、MicheleのところのDenga10を購入してみようかなあ。
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G.Gerardo Calini, The Galileo Commercial Service Status and Opportunities, PPP-RTK & Open Standard Symposium, March 13, 2012
先日のシンポジウムの発表から。Galileo CS (commercial service) の現状。細かいことはこれからという感じだけど、問題は実効データ帯域がたったの448 bpsしかないこと。これくらいでは高精度補強用には有効に使えないんじゃないかなあ。QZSS LEXとE6は周波数互換性があるので、受信機側の対応はE6の普及が鍵と思っていたのだけどなんか普及しそうな気がしない。
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朝日新聞, 地震規模、GPSで即時に推定 国土地理院が試験導入へ, 2012/3/12
日本にいない間に朝日の一面に載ってた様で。これはRTKLIBの長基線RTK使ってもらってるはず。
ところで今回 PPP-RTKシンポジウムに参加して再確認したのは、RT-PPP-AR、やっぱりシステム複雑すぎるわ、ということ。複雑性に伴う技術的な課題がまだ多数残されていて、実用技術になるにはやはりあと5年とか10年とかはかかるなあという感じ。もちろんTrimble
RTXは素晴らしい成果で、今必要な人はこれ使えば良いとは思うけど、色々な意味であまりにクローズドすぎるし。当面、単純性の点で長基線RTKの優位性は動かないと思う。
地理院のシステム、まずは暦としてIGU使うのだと思うけど、試験用はともかく実用には何らかのバックアップが必要。その点でも国産でGNSS衛星のリアルタイム精密軌道決定を開発中の某プロジェクトは価値がある。
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PPP-RTK & Open Standards Symposium and Workshop, 12-14 March 2012, Frankfurt am Main, Germany
発表資料がupされた。H.Landauの資料の開発メンバ写真でちゃんと人数数えてみたら44人もいるな。全部入れると100億位のプロジェクトかなあ。
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IGS Workshop 2012, Olsztyn, Poland, July 23-27, 2012
IGS Workshop 2012の案内が出た。2年前は英ニューキャッスル、今回はポーランド オルシュティン。5日間フルのハードな内容である。基本的に口頭発表はinvitedだけで、あとはポスター。MGEXのセッションがあって、MGEXの言いだしっぺはJAXAで、今ちょうどJAXAのプロジェクトに絡んでいるので、たぶん行く必要があるだろうと思っているのだけど、どうなることやら。
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独から帰国。
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PPP-RTKシンポ3日目。といっても正しくは午前中だけの追加ワークショップ。参加者80人位。
自分の発表は出たとこ勝負のRTKLIBのデモ。最後に説明する予定をすっ飛ばして、1時間と言われてたのが40分で終わってしまって焦ったのだけど、結構受けてたっぽいのでまあOK。イントロのスライドだけup。ちなみにあおりだけで内容ありません。でも最初に万を持してかましたつもりのギャグが、後から全然理解されていなかったことが分かって愕然。どんなギャグだったかは日本人の方も参加されていたので、その方に聞いて下さい。
T.Takasu, Introducion to Real-Time Kinematic Library (RTKLIB) Usage, PPP-RTK & Open Standards Workshop, March 14, 2012, Frankfult am Main, Germany
GEO++のG.WubbenaにRINEX 3のOBS TYPEコードをフルサポートしてないことを指摘されて、苦しい言い訳したのが悔しいので次のバージョンではちゃんとフルサポート入れることを決意。これ基本データ構造をいじる必要があってコードをかなり直さなくちゃいけなくて見送るつもりだったのだけど、遅かれ早かれ入れざるを得ないので。
補足: お世辞だとは思うのだけどGeorg Weberに "I love RTKLIB" と言われてしまった。(3/15追記)
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PPP-RTKシンポ2日目。朝一のTrimble RTXがやっぱり内容的には圧倒的で、他とは2-3年の差はある感じ。でも2004年に開始して、開発には30人位のスタッフが関わっているらしい。ということは200人年で最低でも\数10億の開発プロジェクトだよなあ。
自分の発表は英語がメタメタで恥ずかしい限り。とりあえず今日の発表資料をup。まあ発表したということはやりますと宣言したということなので頑張って実装してv.2.4.2を夏には出す予定。
T.Takasu, PPP Ambiguity Resolution Implementation in RTKLIB v 2.4.2, PPP-RTK & Open Standards Symposium, March 12-13, 2012, Frankfult am Main, Germany
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PPP-RTKシンポ 1日目。結構盛況で200人キャパの会場が満員。注目してる人多いのかなあ。発表内容はさすがにディープなものが多く、多分専門家でないと全然フォローできないと思う。これからreception dinnerで、ホテルに帰って明日の発表資料を作る。
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@フランクフルトなう。ちょっと前まで1ユーロ=100円というイメージがあったんだけど、いつのまに円安になってるなあ。
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やっとPPPでアンビギュイティ解けるようになったんだけど、まだまだ不安定だなあ。かなり改良しないと使い物にならない感じ。たぶん普通のWL-NLではダメで、最低でもWL-ILS、できればSTEC推定とpartial
fixingを入れたILSにしないと実用的でないと思う。
なお、以下で使った暦はCNESのPPP-WIZARD暦, ARはconventionalなWL-NL rounding。PPP-WIZARD暦もリアルタイム暦としてはかなり品質が良いのだけど、それでもPPP-ARにはギリギリという感じ。実用的なRT-PPP-ARにはリアルタイム暦側の品質をもっと上げないといけないので、まだまだ先が長そう。PPP-ARには暦品質が鍵というのは分かり切っているので、某プロジェクトでも力を入れて改良に取り組んでいるのだけど、特にリアルタイムは難しいことを日々実感している。
PPP-Ambiguity-Float (left) and PPP-Ambiguity-Fixed
(right) solutions
IGS TSKB 2012/2/1 0:00:00-23:59:30 GPST,
RTKPOST v. 2.4.2 beta
Ephemeris/Clock: C2T16733.SP3 + C2T16733.CLK
provided by CNES
これから、フランクフルトで、最近恒例の様に資料は前日ホテルでとなりそう。
補足: PPP-ARというよりPPPでcm級の精度を得るためには、暦品質が重要ということ。アンビギュイティ解くとその推定誤差が0になるので、暦品質の差が良く分かるとも言える。さてcm級の測位精度を得るために必要な軌道精度を検討してみる。平均HDOP=2とすると水平1cmRMSを達成するためにはSIS-UREで最低 0.5cmが必要。衛星直下で軌道誤差と時計誤差が相殺してSIS-URE=0だという理想的な条件を仮定しても、仰角10度すなわちナディア角14度では、along/cross方向誤差×sin(14度) までSIS-UREが悪化する。従って、along/cross軌道誤差を2 cm以下に抑える必要がある。とすると3DRMSで3.5 cmというのが一つの目安。この精度を達成するのは後処理GPSではそれほど大変ではないが、リアルタイムやGLONASSではかなり厳しい。やはりGLONASSでもアンビギュイティ解く技術を開発しないとマルチGNSSでcm級というのは難しそうだ。なおQZSSの場合は軌道高度が高くナディア角の最大値が8.4度位なので、軌道誤差の許容値は少し緩くなって、概ね3DRMSで5cmというのが一つの目安となる。(3/12追記)
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クラウドwatch, 前世代に比べて大きな性能アップを果たしたXeon E5 2600の性能をチェック, 2012/3/8
やっとSandy Bridge EPが発表されたのだが、従来Xeonと比較して性能を測っている。これを見る限り、メモリ性能もかなり強化され、AVX対応APであれば従来6core×2way Xeonに比較し4倍程度の性能 (8core×2way) は出そうである。i7 2600Kと比較しても3倍は確実に速くなる (もちろんマルチスレッド対応AP) ので、高速計算を必要とするAPにはメリットが大きい。今、某解析処理でパラメータチューニングのターンアラウンド時間が開発効率を拘束しているので、特に速い計算機を導入する価値がある。主なメーカの製品発表はまだの様だが、あと1か月もすれば色々と出てくるだろう。来年度の予算で買ってもらおう。
補足: HPCではさっそくWSの製品ラインナップに加わっている (参照)。E5 2687W (3.1GHz) × 2 way + RAM 64GBで\100万位。メモリは16スロットまでで、8GBモジュールがずいぶん安くなったので実用的にも128GBまではOK。(22:20追記)
再補足: よく考えたら「開発効率を拘束している」のは私自身の時間だわな。ということで開発効率を上げるためには、仕事減らしてください。(仕事減るとそれに比例して効率も落ちる可能性がないことはない) (3/9追記)
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平成24年度 測位航法学会 全国大会, 2012/4/18-20, 東京海洋大学品川 楽水会館
都合により、4月のセミナーAはENRI 坂井さんによる「GNSSGNSSGNSS ディファレンシャル補正技術(擬似距離による位置計算とSBAS/MSASの使い方)」に変更になりました。RTK関係期待されていた方、また次の機会によろしくお願いします。
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Youtube, Seiko Astron GPS Solar, 2012/03/01
時刻だけでなく時差も自動的に補正してくれるのか。真中にGPSってロゴ入っているしGPS受信機コレクターとしては買わねば、と思ったら結構高いのね。よしQZSに対応したら買おう...。
補足: でも広告中のGPS衛星 (?) の姿勢が無茶苦茶。まあ広告屋に人工衛星のこと分かってくれとは言わないけど。(3/9追記)
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長かった某開発も (とりあえず今年度は) やっと先が見えてきた感じ。目標としていた性能も概ね達成できそうだし (まあ当初の想定以上にうまくいったとも)。しかしこの半年、量的には沢山ではないけど技術的にレベルの高いコードを結構書いた。最近使っていなかった頭もすいぶん使った。たぶん今後このレベルのコードを書くこともあまりないだろう。まあ、まだ来年度分が残っているのだけど。
ところでIONのアブスト締め切りが3/9なのだけど、色々な締め切りが重なってとてもじゃないが書くの無理。その前に某プログラム改修をして評価して, 某報告書書いて, それから来週のPPP-RTKシンポのネタ作らにゃならんし。(確定申告も忘れてた)
補足: ホントは長基線RTK用のpartial fixingネタで面白いアイデアあるんだけど。でも実装して評価して発表できるようになるのは、再来年かなあ。それまでに誰かに先をこされません様に。(16:40追記)
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Science News, シリーズ防災減災の科学 津波早期検知をめざして, 2012/2/24
GPS津波計の現状。現在は海岸から13 km程度の位置に係留されているが、40 km, 100 km沖合での実験に向けて色々と検討している。以前、寺田先生にお聞きしたところによれば、今はTrimble受信機のRTK使っているのだけど、基線長を延ばすため日立造船/GPS SolutionsのPPP-ARの導入を計画しているとのこと。RTKLIBによる長基線RTKも試験的に使ってもらっている。津波計の場合、通信をどうするか、係留をどうするかというのも大きいので、基線長の問題が解決したとしてもむやみに遠洋に持っていける訳ではない。でもいつも思うのだけど、もうちょっと小さく、安くならないんですかねえ。
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いつの間にか3月だあ。
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