日記・備考録 |
2005 |
2006 |
2007 |
2008 |
2009 |
2010 |
2011 |
2012 |
2013 |
2014 |
2015 |
2016/
1
2
3 4
5 6
7
8
9
10
11
12 |
2017 Search |
July | August 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 |
September | Home |
...................................................................................................................................
M8P mini-EVKボードによるRTKマニュアル (A版 9/3改訂)
M8P-RTKでFIX解が安定せずすぐにFLOATになってまたFIXする件。なんか日本でないと発現しないと聞いたので、色々と評価。
(1) この問題、GPS+BDSで仰角マスク20度以下だと発現する様だ。CFG-NAV5で仰角マスクを25度に設定すると嘘の様に解が安定する。
(2) ということでやはりBeiDou C02の問題だな。
(3) C02はGEO衛星で日本だと常に仰角15〜20度に見える。C/N0自身は40dBHz前後と特に問題は見えないが、どの受信機で受けてもサイクルスリップが頻発する。原因不明だが衛星の信号送信に問題がある可能性がある。RTKLIBで測位する場合、最近はC02を最初から除外することが多い。
(4) RTK処理として、サイクルスリップ発生時にアンビギュイティをリセットする場合が多い。この際、アンビギュイティ推定誤差が大きくなる。LAMBDA等で一括アンビギュイティ決定を行う場合、これら衛星の誤差が悪影響を及ぼし全体してFIXしなくなる場合がある。
(5) RTKLIBの場合、これらの問題を緩和するため、条件の悪い衛星はアンビギュイティを解かない処理
(すなわちpartial fixing) が含まれている。M8Pではこの処理が含まれていないのではないか。
(6) M8Pの場合、特定の衛星を指定して強制的に除外することができない。衛星除外の方法としては仰角及びC/N0マスクのみの様である。C/N0マスクでC02を除外するのは難しいので、仰角マスクしかない。とりあえず仰角マスクを25度にしてみた結果。受信機
M8P x 2, アンテナはTW3400 + TW2710, GPS+BDS,
基線長1m。概ね2分以内にFIXして安定してFIX解が得られている。
補足: u-centerを使いM8PでRTKを行うにはv.8.22以降が必要。v.8.22で追加されたメニュー [Receiver] - [Differential GNSS Interface] のDifferential Correction Interfaceで基準局M8Pを指定し、Serial Corrections toにCurrent Connectionを指定すると、ローバM8PにRTCM3メッセージを送ることができる。出力メッセージとしてNMEAの代わりにUBX-NAV-PVTとUBX-NAV-SATを指定してあげるとRTK-FIX状況 (Carrier Range Stauts) や使用衛星状況をモニタすることができる。ただしu-centerの場合、受信機のNMEAをリアルタイムで外に転送する機能が無いので (ログ記録は可能) 、RTKPLOT等でリアルタイム表示させたい場合は、UART1等の別ポートを使う必要がある。(8/29追記)
...................................................................................................................................
Android N改めAndrod NougatことAndroid 7.0がリリース。GNSS raw data関連APIが使える様になっているはずである。
...................................................................................................................................
YouTube, Piksi Getting Started Video
おお信じられん。PiksiでRTKが動いている。STM32F4で10HzのRTKがホントに回るのか。(ちなみにSTM32F4ではDP FPはH/WでサポートされないのでSP FPの10〜20倍時間がかかる)
...................................................................................................................................
Rokubun, First look at Android N GNSS raw measurements, June 30, 2016
Nexus 6とNexus 5X + Android N で取得したGNSS生観測データを評価している。"no carrier phase measurements are present" とのこと。pseudorange residuals見ると数10m〜100m位みたいで、もしcarrier phaseが出力されていたとしてもRTKには厳しそうな感じ。まあスナドラ805と808と少し古いSoCなので、最新SoCでどうなるかはまた誰かが検証してくれるであろう。なおAndroid NのGNSS関係API仕様はこの辺参照。
...................................................................................................................................
QSS, 海洋大のGNSSサマースクール、全日程を無事終了 [レポート2], 2016年8月9日
とりあえずリンク。
...................................................................................................................................
NTLab, 4-Channel GPS/GLONASS/Galileo/BeiDou/IRNSS/QZSS L1/L2/L3/L5 Band RF Front-End
NTLab NT1065 "Nomada" に、USB 3.0付きEVKボードNT1065_USB3が追加された。近く謹製のSDRも出るらしい。これ使いやすそうだなあ。
補足: Micheleのこの記事のコメント回答もとても参考になる。2bitサンプリングを気にしている人がいるけど、量子化ロスは大きくないのであんまり問題ないのではと予測。このEVKボード4枚使って誰か16素子のアクティブフェーズドアレイアンテナ作りません (また言ってる)。(8/7追記)
再補足: 量子化ロスについてはこの論文によると最低で1bit 1.96 dB、2bit 0.55 dB、3bit 0.17 dB、4bit 0.05 dBとのこと。ただ、2bitはゲイン調整に敏感なので4bitの方がよさそうだけど、当然データレートとのトレードオフになる。(8/7追記)
...................................................................................................................................
今年のサマースクール担当分完。色々とあったけどとりあえず無事に終了。
...................................................................................................................................
Home | by T.Takasu |