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Julia, Julia Micro-Benchmarks
各種プログラム言語で書いたベンチマークプログラムの実行速度比較。Cを1とした相対速度実行時間。JavaScriptは予想したよりずっと速い。Octaveは遅すぎる感じ。MATLABやPythonはこんなところか。科学技術計算用に簡潔に書けて速い言語を探していて、Julia
(特徴はここ参照) は有力だと思っているのだけど、さすがにマイナーすぎるか。なお、JavaScriptはV8
(参照) というChromeで使われている定評のある高速実装の様だ。
補足: 2019年8月のTIOBE indexでJuliaは39位。ちなみに上位10位までは、順に、Java, C, Python, C++, C#, Visual Basic .NET, JavaScript, PHP, Objective-C, SQL。科学技術計算用と言われる言語では、以下、MATLAB 12位、R 20位、SAS 22位、Fortran 33位。(19:42追記)
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2019/08/28 18:00〜22:00 UTC頃 QZS-1 L1C/A (PRN193) 信号停止、2019/08/29 00:55 UTC頃 信号送信再開、アラートON、2019/08/29 05:15 UTC頃 アラートOFF。仰角が低くて信号停止時刻は確認できていない。計画されたサービス停止ではないので何らかのトラブルと予想される。NAQU2019160によると、サービス停止時間は7時間1分。
QZS-1の (計画されない) L1C/A信号停止は、正式サービス開始後、2019/1/28、5/19 に続いて3度目 (7/28のサービス停止は信号停止を伴ったか未確認)。信号停止を伴うということは、なんらかの衛星機器障害起因の可能性が高い訳で、少し心配ではある。
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rtklibexplorer, A first look at the Broadcom BCM47755 dual-frequency receiver, August 28, 2019
Xiaomi Mi 8 (GNSSチップセットはBCM47755) で取得した2周波 (L1+L5) GNSS観測データを、一部改造を加えたRTKPOSTで後処理基線解析している。データはここで公開されているもの。Mi 8は測量用三脚に取り付けたグランドプレーン上に固定し、ログ取得はGNSSLogger とGEO++ RINEX Loggerを使っている。基準局はTrimble NetR9で基線長は20km程度。コードを色々と直す必要があった様だが、3-4分でFIXしてそれなりの精度の基線解が得られている様に見える。スマホのチップアンテナでもグランドプレーンを追加して、解析パラメータをチューニングすれば実用的なRTK性能が得られるのかもしれない。とりあえず、評価用に2周波GNSS対応スマホが1台欲しいのだけど、今のところ適当なもの (安くて技適付のもの) がないのである。
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YouTube, ZED-F9P Base and Rover Configuration
YouTube, u-blox ZED-F9P Outstanding Performance Demonstration
u-blox ZED-F9PのRTK設定とデモ。
YouTube, "GNSS-Stylus" using u-blox ZED-F9P
modules (1 RTK-base and 2 rovers)
YouTube, Scanning 3D-object with "GNSS-Stylus"
utilizing 2 u-blox ZED-F9P modules (1 RTK-base
and 2 rovers)
u-blox ZED-F9P x 3を使った "GNSS-Stylus"。面白いアイデア。
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u-blox, ZED-F9H Interface Description
u-blox ZED-F9Hの技術マニュアル公開 (参照)。予想通り、UBX-RXM-RAWXはサポートされない。UBX-RXM-MEASXはサポートされるが、搬送波位相が含まれない。色々と裏技がある可能性もあるが、一般には外部RTKエンジンでは使えない。残念。(F9T安くしてくれ...)
Data sheet で "... plus QZSS satellites can be received concurrently. All satellites in view can be prcessed to derive accurate heading information ..." (p.5) とあるが、RTCM MSM7 QZSS (MT1117) がサポートされないので、結局、Heading角計算にはQZSSは使えない気がするのだが (もしかするとUBX-RXM-RAWX入力でmoving baselineが動くとか)。
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J. Bohm et al., Development of an improved empirical model for slant delays in the troposphere (GPT2w), GPS Solutions, 2015
下に関連してGPT2wのオリジナル論文リンク。Open Access。FortranおよびMATLABのソースコードはここからダウンロードできる。
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小野, 辻井, 精密単独測位の初期収束時間短縮に関する研究, 測位技術振興会第1回研究発表講演会, 2019年8月19日, 大阪府立大学
対流圏遅延モデル初期値に気象データを適用することにより、PPP初期収束時間を短縮できたとしている。使用した気象データが書かれていないが、多分、近隣アメダスの気圧、気温、湿度であろうか。対流圏遅延モデルの誤差は天気や季節により大きく変動するので、最低1年程度のデータで評価しないと意味のある評価にならないと思う。
図1を見ると、RTKLIBオリジナルコードのMOPSモデルZTDへの初期拘束 (標準偏差 30 cm) がそもそも妥当でない気も。この資料では、MOPSモデルZTDのバイアスと標準偏差がそれぞれ -2.50 cm、4.55 cmとされているので、6 cm位 (あるいは、MOPSをGPT2wに置き換えて、4 cm位) にしてもよいかもしれない。この辺、最適値を決めるため、誰かちゃんと評価してくれないだろうか。
補足: 「標準偏差30 cm」は別にいい加減に決めたわけではなく、一般にZWDの大きさが0〜30 cmで、ZTDモデル誤差もほぼZWDの大きさに依存していることによる。ただ、0 cmや30 cmは極値で、実際はこの間のどこかなので、「標準偏差30 cm」が、(安全サイドではあるが、) 過少な初期拘束条件となっている可能性は高い。(20:30追記)
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税関, 少額輸入貨物の簡易税率
税関, 個人輸入通関手続
Aliexpressを始め、海外通販でものを買うことが増えてきて、税金がかかる場合とかからない場合があったり、税金納付方法も色々あるのが気になっていたので、物品個人輸入時の課税についてちゃんと調べてみた。
「課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則として、関税、消費税および地方消費税は免除されます。」「個人の方がご自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額となります。」ということで、小売価格が、\16,666 ($157.42) 以下の場合、原則として免税。それ以外は課税。課税品の税額は、関税 (0〜%) + 消費税/地方消費税 (8%, 2019/10/1からは10%) 。関税率は、課税価格総額20万円以下の場合「少額輸入貨物に対する簡易税率表」に基づき 0〜20% で、電子部品等は5%。20万円を超える場合は、実行関税率表 (参照) による。
課税品の納税方法であるが、(1) 国際宅配便利用の場合:通関 (申告・納税) は宅配業者が代行し、税金および手数料が別途請求される。(2) 郵便利用で税金合計額1万円以下の場合:郵便物と課税通知書が同時配達されるので、受取時に税金納付を郵便局に委託する。(3) 郵便利用で税金合計額1万円を超え30万円以下の場合:郵便物の到着と税額等が電話等で連絡されるので、受取方法を指定して、税金納付と同時に受け取る。(4) 郵便利用で「外国から到着した郵便物の税関の手続のお知らせ」というハガキが届く場合:ハガキ記載の手続き後に受け取る。(5) 郵便利用で課税価格20万円を超える場合:通関手続の案内書類が送られるので、郵便局か通関業者に輸入通関手続を依頼するか、自分で輸入 (納税) 申告を行い、納税・輸入許可後、配達される。
過去経験では (1) の場合でも、請求書が別途送付される場合 (Fedex等) と物品受け取り時に税金+手数料を同時に支払う場合があるようだ。
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多周波GNSSアンテナコレクション追加。TOPGNSS AN-608 (中, 参照)、TOPGNSS AN506 (右, 参照)。左は比較のためu-blox ANN-MB-00。値引き込みで、それぞれ $31.50 と $31.85 (送料込)。発送はSingapore Postで到着は注文後10日。AN-608は所有する多周波GNSSアンテナとしては多分最も安い。
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GPS World, Allystar launches QZSS L6D and L6E decoder, August 23, 2019
1チップでQZSS L6を受信できる受信機は世界初のはず。u-blox D9CもJRC JG11-RTKも、噂あるいは発表だけで実物はなかなか姿を現さない。
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NASA SpaceFlight.com, Delta IV Medium aims for well-earned retirement with GPS finale, August 22, 2019
2019/08/22 13:06 UTC, GPS III 2号機 (GPS III SV02, "Magellan"), 米国ケープカナベラル空軍基地から, Delta IV Medium ロケットで打ち上げ。GPS 衛星としては昨年12/23のGPS III 1号機打ち上げ以来。軌道はMEO。13:41 UTC現在、順調に飛行中。
補足: 打ち上げ成功の模様。(→関連記事1, 2) (8/23追記)
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u-blox forum, F9p Basestation for DJI Phantom 4RTK
このフォーラムの投稿によるとDJI P4Rに搭載されているGNSSモジュールはUnicore UM332 (参照) とのことである。492CHで、対応信号はGPS L1/L2, GLONASS L1/L2, Galileo E1/E5a/E5b, BDS B1/B3。P4Rの仕様 (参照) とは一部整合していない。
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GNSSアンテナネジの謎
測量用GNSSアンテナ底面のメスネジ径は5/8"である。製品仕様では「5/8" - 11」,「5/8" x 11」または単に「5/8"」と書かれる場合が多い。(例: Trimble Zephyr 2, NovAtel GNSS-850, JAVAD GrAnt-G3T) 「11」はピッチを表し「1インチ当たり11山」の意味である。実はインチネジ規格にはUNC (ユニファイ並目), UNF (ユニファイ細目), W (ウィット) の3種類ある (参照)。このうち、UNC 5/8とW5/8のピッチは同じ1インチ当たり11山である。2つの違いはネジ山角度で、UNCは60度、Wは55度である。
さて、UNC 5/8とW5/8はある程度の互換性があるので、実際のネジが、UNC 5/8なのか、W5/8なのか、を現物で確認するのは難しい。いったいどちらなのか ?
測量機器の規格を調べる。ISOでは、ISO 12858-2:1999 Optics and optial instruments - Ancillary devices for geodetic instruments - Part 2: Tripods (参照) で、測量機器三脚取付ネジのネジ山角度が「55°」と規定されている (Figure 3) 。JISでは、JIS B 7907:2002 測量機器用三脚取付部 (参照) で、同様に「ねじの呼び」が「W5/8」と規定されている (付属書表1) 。よくよく調べると、GNSSアンテナ仕様として "Standard 5/8" Whitworth thread" (Leica AR10)、"BSW5/8" - 11 screw" (Harxon HX-CSX601A) と書かれたものもある。BSWは "British Standard Whitworth" (Wikipedia) の略の様で、少なくともこれらのアンテナのネジはW5/8の様だ。
以上を総合して勘案すると、データシートで単に「5/8" - 11」,「5/8" x 11」, 「5/8"」と書かれているGNSSアンテナのネジもW5/8の可能性が高い。実は本件、ずっとUNC 5/8だと誤解していて、某技術雑誌原稿に対する編集者からの指摘で発覚した。過去「UNC 5/8」 と書いてしまった記事は訂正します。なお、OSQZSSさんの記事 (参照) の様に、アンテナやポールに合わせるボルトやナットはUNC 5/8でも問題なく使える様である。
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日経, 中国版GPS網 最大に 6割強の国で米国製抜く - 「一帯一路」でデータ覇権, 2019/8/20
記事では「(北斗の) 稼働は35基とGPSの31基を抜いた」とあるが、2019/8/20現在のBDS稼働衛星数は33基 (CSNO-TARC)。
> しかもGPSは地上に信号を送るのみで、受信した端末の位置情報は特定できないが、北斗はメッセージを送
> 受信できる機能を持つ。米ヘリテージ財団の研究者、ディーン・チェン氏は「理論的には(信号の受信者から)
> 位置情報を得られる」と指摘する。特定地域で信号を狂わせることも可能という。米政府はサイバー攻撃などに
> 悪用されることを警戒する。
とのこと。Navipediaによれば、BD1 (BeiDou-1) ではshort messaging (positioning report) サービスが提供されていた。この記事によれば、"The overall BeiDou-3M system, with an improved Short Message Service (SMS) compared to the earlier BeiDou-2 system, is designed for SMS, location report, and emergency search and rescue" とあるので、BD2、BD3にも、BD1と同様に端末位置情報を衛星経由で収集する機能が備わっている様だ。
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knqyf263's blog, 趣味で作ったソフトウェアが海外企業に買われるまでの話
RTKLIB開発者の立場から見て示唆に富む記事。「個人開発の持続性について」あたりは共感できる点が多い。正直、どこかの企業が、「会社として今後メンテしていくので、RTKLIBを買いたい」と大金を提示されたらOKしちゃうかも。
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CQ出版, トラ技2周波RTKスタータ・キット【高速測位タイプ】
RTKスタータ・キットのZED-F9P版。ANN-MB-00、トラ技2019年10月号 (9/10以降) 付。\45,360 (税込) はちょっと高い。
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K.Akiyama, PPP activity updates and plans of QZSS, Workshop on the Applications of Global Navigation Satellite Systems, June 24-28, 2019, Suva, Fiji
今年 6月にフィジーで開催されたGNSS応用ワークショプ資料。その他の発表資料はここ参照。QZSS-PPP (MADOCA-PPP) の今後の計画として、フォーマットのCompact SSR (CSSR) への変更、PPP-ARの対応 (TBD) (P.16) が示されている。また、この資料では、Galileo HAS (high accuracy service) のフォーマットとして "RTCM-CSSR" をベースにする (p.15) としている。
以上を見る限り、PPP補強情報フォーマット標準として日本発のCSSRが有力となりつつある様だ。
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GPS World, Dual-frequency GNSS smartphone supports BDS phase III signal, May 31, 2019
L1/L5対応スマホ Lenovo Z6 youth edition (参照)。GNSSチップセットとしてAllystar HD8040 (参照) が搭載されている。BD3 (BeiDou-3) の新信号B2aにも対応している。この記事を読むとQZS-3 (PRN199) 受信も可能。中国国内価格は\2万以下の様で、ちょっと欲しいが、現行、日本未発売、技適未で、LTE band 19 (docomo 800MHz) にも対応していない。ということで、今後の日本発売を期待。
補足: L1/L5対応スマホリスト。このリストによれば、現行L1/L5対応スマホは、Honor
View 20, Huawei Mate 20/Mate 20 Pro/Mate
20 X, Huawei P30/P30 Pro, Lenovo Z6 Pro/Z6
Youth Edition, LG G8 ThinQ/V50 ThinQ 5G,
OnePlus 7/7 Pro, OPPO Reno 10x, Samsung Galaxy
S9/S9+/S10/S10+, Sony Xperia 1, Xiaomi Mi8/Mi Mix
3/Mi9/Redmi K20 Pro。ただし、このリストにはF/Wのバグ等が原因なのか、GPSTestで正常に2周波表示されないもの
(すなわちAndroid Raw GNSS Measurements APIで2周波利用できないもの)
が含まれている。(10:33追記)
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Summer School 担当分完。(→関連記事)
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GitHub, tomojitakasu/RTKLIB
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