日記・備考録
Diary/Memorandum

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2017/09/01〜

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2017/08/26

8/19に打ち上げられたQZS-3は概ね規定の静止軌道に到達したようだ。最新TLEによるQZSS衛星の予測位置スカイプロット。J07がQZS-3。静止位置が東経127度なので、日本からは南南西、仰角45度付近に常に位置する。

補足: 静止軌道にある測位衛星の運用制約については昨年3/12に少し書いた。静止衛星であるQZS-3も同様の問題があるはずである。準天頂衛星システムが7機体制となった場合、1機のサービス停止で独立した測位が出来なくなるエリアや時間帯が発生するはずなので、実はこの運用制約は大きな問題になる可能性がある。最近の静止衛星は科学化学スラスタに代わって電気推進による軌道制御が一般的になりつつあるので、将来の準天頂衛星では、微小推力制御による軌道保持で連続運用が可能になるかもしれない。(8/28追記)

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2017/08/23

P.Teunissen and O.Montenbruck (eds.), Springer Handbook of Global Navigation Satellite Systems (Springer Handbooks), Springer, 2017

1328頁で41章。多分、手元にある書籍で最も厚く重いのではないか。GNSS関係だとBlue Bookが2冊組で643+793=1436頁。ただ版形が小さいので、内容量はこちらの方がかなり多い。目次と執筆者はここ参照。この分野の著名研究者をオールスターで並べたという感じ。分量だけではなく内容のレベルも高い。日本人では唯一、現在内閣府におられる小暮さんがQZSSについて書かれている。GNSS書籍コレクターとしては持っていて当然。Amazonで出品されていた中古品を定価の半額以下で購入。

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2017/08/20

久しぶりにGNSSの参考書買ったので簡単に紹介。

J.W.Betz, Enginierring satellite-based navigation and timing, Global navigation satellite systems, signals, and receivers, Wiley-IEEE Press, 2015

F. Dovis, GNSS interference threats and countermeasures (GNSS technology and application), Artech House, 2015

上は、この世界では著名なMITRE Betz博士のGNSS技術に関する教科書。最新GNSSの信号構造と受信機技術の解説が詳しい。特に受信機の各段 (RF-FE, ADC, 捕捉, 追尾ループ, 搬送波追尾, コード追尾, PVT) 毎にその原理を豊富な数式と図表で解説している14-20章は秀逸。GNSS受信機設計者は必読だろう。ただ、内容は専門的すぎて初学者向けではない。一部章の資料はNavtechGPS専門コースのものを流用しているらしいのだが、NavTechってレベル高いんだなあ。
下は近年問題となっているGNSSに対する妨害・干渉に関する専門書。内容は、干渉源の分類、スプーフィング、干渉の検知、信号処理による干渉対策、ドメイン変換による干渉低減、アンチスプーフィング技術。頁数が少ないため内容はさわりだけの章も多い。本格的に勉強するには参照文献を当たる方が良いだろう。

あと、まだ届いていないがAmazonで見つけたので以下も注文中。

P.Teunissen and O.Montenbruck (eds.), Springer Handbook of Global Navigation Satellite Systems (Springer Handbooks), Springer, 2017

補足: 別に宣伝ではないのだけど、NavtechGPSの "Using Advanced GPS/GNSS Signals and Systems" コース。5日間フルで料金は$3,000強みたいだな。企業技術者には結構お勧めかも。(12:12追記)

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2017/08/19

NASASpaceFlight.com, Japanese H-IIA launch with QZS-3 making second attempt, August 18, 2017

2017/08/19 05:29 UTC, 準天頂衛星3号機 (みちびき3号、QZS-3)、種子島宇宙センタからH-IIAロケットで打ち上げ。成功の模様。軌道はGEO。静止位置は東経127度。準天頂衛星システムとしては、2010/9/11のQZS-1、2017/6/1のQZS-2 (共に軌道はIGSO/QZO) に引き続き3機目。次の準天頂衛星4号機 (QZS-4) の打ち上げは10月、軌道はIGSO/QZOの予定。

補足: IS-QZSS-PNT-001 Table 3.2.1-1によると、QZS-3のL1C/A, L1C, L2C, L5のPRNアサインは199になる模様。従って、RINEX conventionでの衛星IDは"J07"。AlmanacにおけるSV IDは、7。また、L1SのPRNは189、L5SのPRNは197。L6のPRNは規定が曖昧だがL1C/Aに合わせて、199 (L6D) および209 (L6E) になるのではないか。なお、SBAS配信サービス (L1Sb) のPRN番号は不明。SBAS信号については「2020年頃より」配信予定とされているが、航空局の認証もこれからのはずなので、正式にはまだPRNのアサインも決まっていない可能性がある。衛星番号やPRN番号の付け方が変則的なので混乱しそうではある。(8/20追記)

再補足: Celestrackによると、打ち上げられたQZS-3のNORAD Catalog Noは42917, International Designatorは17048A。最新のTLEは以下。離心率が0.72なのでまだ静止トランスファー軌道上であると思われる。(8/20追記)

1 42917U 17048A   17231.80595163 -.00000017  00000-0  00000+0 0  9992
2 42917  19.9528  88.1146 7237465 178.7317 104.0002  2.30568417    19

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2017/08/18

Tass Russian news agency, Russia to create highly elliptical orbit segment for Glonass satellite navigation system, August 7, 2017

"elliptical"は「楕円の」、すなわち"highly elliptical orbit"は「離心率の大きな楕円軌道」の意味。正確な意味は不明だが、モルニア衛星の様な軌道を想定しているのではないか。

2019年から6機のGLONASS-K衛星をこの軌道に投入することが検討されている様だが、測位衛星の場合、地球表面での受信電力密度を一定範囲に納める必要があり、既開発のアンテナや信号送信系の設計変更が必要になるのではないか。またヴァン・アレン帯通過による放射線被爆の問題等、解決すべき課題が幾つかあり、本当に実行されるかは疑問がある。

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2017/08/10

GPSWorld, Joint venture to bring high-precision positioning to mass market, Augest 10, 2017

Sapcorda Services。u-blox, Bosch, Geo++, 三菱という組合せが何とも。三菱のプレスリリースはこちら

Dr. Gerhard Wübbenaは "ゲアハード・ウィベナー" の発音が近いのか、そうするとMW LCは "メルボルン・ウィベナー線形結合" ? (参照、念のため。8/12追記)

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〜2017/07/31


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