日記・備考録
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2017/10/01〜

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2017/09/30

QZSS概況。とりたてて書くことがない。QZS-3のL1C/A信号は、ONされたり、OFFされたり、L6は未。LNAVも有効データは未。

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三菱電機, 世界初、準天頂衛星からのCLAS信号を用いた自動運転の実証実験を開始, 2017年9月26日

「世界初」というなら、実験写真なりホントに9/19に開始したことが分かる様なエビデンスを同時に出した方が良い様な。これだけだと、某社に対抗してあわててニュースリリースした様に見える。

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ION GNSS+ 2017 Show Daily, GNSS Program Update: Dozens of NavStars Set to Launch in Next 40 months, September 28, 2017

2017年から2018年の間にあと30機以上 (!) の測位衛星が打ち上げられるだろう、とのこと。中国は、BD-3 (BeiDou-3) で、2018年にMEO14機、2020年までに追加でMEO6機、2019年から2020年までにGEO5機、IGSO3機、これらにはGPS L1互換のB1C、L5互換のB2Aの新信号を含む。あと、2018年と、2020年までにBDSBAS用GEO2機。日本は、2017年に追加QZSS1機。米国は、GPS IIIで、2018年 1機、2019年から2020年まで年2機。欧州は、Galileoで、追加8機の調達を6月に決定。2017年12月12日と2018年中旬に4機の同時打ち上げ。打ち上げ失敗で予定外の軌道に投入された2機のGalileo衛星も "Hopefully we will be able to declare those operational" とのこと。

今でも、既にもう十分に多いと思うが、2020年にかけて、再度、測位衛星打ち上げラッシュといえる状況になりそうだ。

補足: ちゃんと数えてみると、これから2018年末までは、BDS×15〜19(?)、QZS×1、GPS×1、Galileo×8、計25〜29(?)機で30機に満たない。今年は既にQZS (6/1, 8/19)、IRNSS (8/30, 失敗), GLONASS (9/22) が上がっているので、30機にはこれも入っているらしいので表現を訂正。(10:00追記)

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2017/09/28

ということで以下で書いたコメントをここで示されたアドレスにも送った。

補足: 9/29現在、「プログラムコードの問題」のため一時的に公開が停止された (参照)。試験され、ちゃんと動くコードが公開されることを望む。(9/29追記)

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次に本命のcssr2osr。

最初にそのままでは動かないので、makefileを修正。

util/testcssr/makefile L.44
... -z clas_grid.def ...

$ make test1
...

出力はosr.txtに出るみたいだが内容は全部-nanになる。

次に、明らかなバグの修正。

src/postpos.c L246
if (!strcmp(ext,".l6")||!strcmp(ext,".L6")) {

src/postpos.c L258
if (rtcm_mode==RTCMMODE_CLAS) {

src/postpos.c L272
if (rtcm_mode==RTCMMODE_CLAS) {

util/testcssr/cssr2osr.c L66 (追加)
else if (!strcmp(argv[i],"-x")&&i+1<argc) trl=atoi(argv[++i]);

$ make
$ make test1

これでcssr2osr.traceにデバッグトレースが出力される様になるが、結果は変わらない。デバッグトレースみると、

2 ssr to osr conversion error

のエラーが大量に出てる。src/ssr2osr.cのssr2osr() 関数がエラー返しているみたいなので、関数内の要所にtrace() を仕掛けてエラーを探る。まず、trop_grid_data() がzwd, ztdとして-nanを返しているのが見つかったのでsrc/grid.cのtrop_grid_data() にtrace() を仕掛ける。ずーーと追っていくと、ssr2osr.c中のtropdelay() の中のpow()関数の第1引数にマイナスの値を渡しているところに行きつく。pow()の第1引数がマイナスで第2引数が整数でない場合、領域エラーでNaN返すらしい。ここだな。ということで、全然まともに動かない。上記を見ても分かる様に、バグだらけで、まともに試験をしていないことは明白。

QSSかNECが作っているのか、三菱が作っているのか知らないが、こういうコードを、QZSSの公式アナウンスとともに配布するのは、信用を失うだけなので、早急に取り下げて、ちゃんと試験して動く様になってから公開した方がよいと思う。

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せっかくなので、CLASテストライブラリを少し動かしてみよう。

まず、ubuntu 16.04上では、APのビルドが通らないので、以下を修正。

src/rtklib.h L.37 (追加)
#include <stdint.h>

util/testcssr/makefile L.11 (追加)
LIBS = -lpthread -lm

$ cd util/testcssr
$ make
...

色々とwarningが出て、危なそうなものもあるが、これで一応cssr2osr, dumpssr, qzs2rtcmと呼ぶAPが出来た。各APはreadmeによると、

> [cssr2osr]
> It can be built by executing 'make' in util/testcssr.
> By executing 'make test1', the OSR output can be obtained in osr.txt.
> The osr.txt includes
> - pseudo-range and carrier phase correction which is similar to RTCM2 type20/21.
> - pseudo-range and carrier of the virtual reference point which is similar to RTCM2 type18/19.
> osr_ref.txt is included for the reference.
> [dumpcssr]
> It can be built by executing 'make' on util/testcssr.
> By executing 'make test2', a series of ASCII files including SSR messages are obtained.
> [qzs2rtcm]
> It can be built by executing 'make' on util/testcssr.
> By executing 'qzs2rtcm data/2017193U.l6', the QZS L6 file will be converted into Compact SSR in RTCM3 format.

qzs2rtcmはCLASメッセージを、RTCM 3 MT4073 Compact SSRに変換するものの様だが、Compact SSRって正式なRTCMではなく、使えるAPは存在しないので使い道が無い。ということで簡単な方から、dumpcssr。入力データは某L6受信機で昨日受信したPRN194のL6信号。形式が良く分からないが、L6フレーム2000bitをそのままダンプした、バイナリファイルで良さそう。フレームに区切るのはAP側で勝手にやってくれる様。

$ ./dumpcssr L6_201709270900.L6 -ts 2017/09/27 09:00 -z clas_grid.def
$ ls *.csv
ssr_cb.csv ssr_cc.csv ssr_oc.csv ssr_pb.csv ssr_pbias.csv ssr_stec.csv ssr_trop.csv ssr_ura.csv

みたいな感じで、出力は要素毎に分けられたCSVファイルとなる。

(続くかも)

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QZSS概況。

17:30JST頃、QZS-3 L1C/A (PRN199) 信号再開。何時からかは定かではないが、受信機ログにsubframe parity errorが出ているので、default messageの航法データ送信が始まった可能性がある。

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QZSS, CLASテストライブラリの公開について, 2017年09月28日

RTKLIB 2.4.2 p12ベース。readme_cssr2osr.txtによると、ライセンスはRTKLIBと同じ。すなわちBSD 2-clause。私自身は本ライブラリの開発には、全く関与していないので、内容についての問い合わせには答えられませんので、悪しからず。なお、センチメータ級測位補強サービスの公開アーカイブはまだ機能していない様で、今のところL6受信機を持たないユーザは使い様がない。(一応2017/07/12に取得したらしいCLASメッセージが、テスト用についているけど)

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QZSS概況。

9:30JST頃、QZS-1 LNAV (PRN193) アラート解除。NAQU2017089。正確には、TOW 347076 (2017/09/28 00:24:36 QZST) から切り替わっている。なお、アラート解除に先行して、エフェメリスのSVHは9:00JST頃、0に切り替わり、アラート解除に伴いIODEは切り替わらない。動作としてはこういうものなのかな。SVHだけ見ている受信機はアラートONの衛星を使ってしまうことになるが、エフェメリス生成系とアラート生成系は異ならざるを得ないので、仕方ない気がする。ということで、受信機はちゃんとアラートフラグも見る必要がある。現行バージョンのRTKLIBでは、航法データの内部表現をRINEXを基に決めたので、アラートフラグを格納するフィールドが無い。また、多くの受信機のデコード済エフェメリスにもアラートフラグを格納するフィールドが無い。ということで、ちゃんとアラートフラグを処理するためには生サブフレームを自前でデコードして使う必要がある。

10:40JST頃、QZS-3 L1C/A (PRN199) 信号停止。

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2017/09/27

QZSS概況。QZS-1 L1C/A送信再開、2:00JST頃。LNAV送信再開、9:00JST頃。アラートON。L6は未。

補足: 13:00JST頃 L6送信再開。内容はCLAS。何時切り替わったか不明だが、いつの間にかL6のアラートは解除されている。そういえばL6に関するQZS-1休止のNAQUって発行されてない様な。(15:00追記)

再補足: と思ったらNAQU2017088発行。2衛星によるセンチメータ測位補強「試験サービス」開始。これで、日本では、概ね仰角30度以上可視であれば常時サービスが利用できることになる。しかし、PRN193とPRN194のメッセージ内容って同一ではないのだけど、混ぜて使ってよいものかしら。これってIS-QZSS-L6に規定なかった様な。(15:14追記)

> The alert of L6 signal by SVN001(PRN193) became OFF at 05:41(UT) 27-Sep-17.Then the trial service of Centimeter
> Level Augmentation Service(CLAS) was started by Quasi-Zenith Satellite System Services Inc.(QSS).

再々補足: ということでPRN193と194のセンチメータ級測位補強の内容を見てみる。受信機は開発中のこれ。信号は公開だし、受信機もプレスリリース済なので、多分、出しちゃって良いでしょう (問題あれば、消すかも)。

以上の様に、PRN193と194では微妙に内容が異なる。なお、今日はPRN193は神戸、PRN194は常陸太田から放送されている様。例えば軌道時計はPRN193、STECはPRN194を使ったりすると精度が悪化するかもしれない。といっても、CLASの放送始ったばかりなので、精度云々できる程、受信機側デバッグが済んでいる訳ではない。ちなみにMADOCAは当然ながら、既にそれなりに精度は出ている。ここに書くということは、宣伝も兼ねているのでもし興味をもたれた方は、こちらからお問い合わせください。(15:53追記)

再々々補足: 公式アナウンスも出た。IS-QZSS-L6-001も更新された様だ。(16:05追記)

再々再々補足: 公式アナウンスの「みちびき初号機による試験サービスの開始」って、3/28の「試験サービス」開始 (参照) は、なかったことになるのかしら。まあ、多分3/28の「試験サービス」はアスタリスク付きなんでしょう。(16:29追記)

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2017/09/26

QZSS概況。QZS-1は、9/21〜9/29の長期保守中。今朝からは航法信号自体が停止。QZS-2は正常。QZS-3は試験信号送信の再開、ただ正常な航法データは未送信。L6信号は一度も観測されていない。今、L6受信機の長期テストでずっと信号観測しているので。

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IEEE Spectrum, Superaccurate GPS Chips Coming to Smartphones in 2018, September 21, 2017

だから、スマホで30cmは無理だって。しかし、沢山ついているコメントが面白い。"Tha Japanese are rolling out 2 cm accurate GPS that makes this silly" だと。

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2017/09/23

GPS World, Broadcom launches dual-frequency GNSS receiver for mass market, September 21, 2017

Broadcomがマスマーケット向け2周波GNSS受信機チップBCM47755を発表。対応信号はL1/E1 + L5/E5。

スペックシートはこちら。これによると、正確な対応信号は, GPS L1C/A, GLONASS L1, BeiDou B1, QZSS L1, Galile E1, GPS L5, Galileo E5a, QZSS L5。CPUとして最大動作周波数は75MHzのARM Cortex-M4FとCortex-M0を内蔵。この記事によると量産開始は来年初めで、"next year's cellphones may will incorporate 30-cm positioning" とのこと。

第2周波数として、L2帯でなくL5帯を選んだというところが興味深い。Galileo対応でヨーロッパ市場を狙っているとは思うが、L5もE5aもBPSK (10) で帯域広いので、スマホに内蔵するには消費電力が厳しいのである。さすがに、BeiDou B2までの対応は無理なのかも。業界2位のBroadcomが発表したということは、Qualcommも、u-bloxも、MTKも多周波対応してくる可能性が高い訳で、さて本格的にPPPの時代が到来するかもしれない。

補足: 高精度測位やっている人は大体分かる様に、いくら2周波と高精度補強情報が使えても、現行の技術でスマホで30cmは無理なのである。これはスマホに内蔵できるアンテナサイズの制限が一番大きい。低消費電力化のために帯域広げられないのも一要因ではあるが、これは半導体技術の進展で今後改善される可能性が高い。ということで、例えば複数チップアンテナの信号合成でマルチパスを現行の10分の1にできれば、30cmの実現可能性はある。3DモデルやIMUを組み合わせたマルチパス低減も有効であろう。まあQualcommあたりが密かに画期的な研究開発している可能性がないことはないが。(今回のチップも本命応用は当然車だとは思うが) (9/24追記)

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NASASpaceFlight.com, Soyuz 2-1B successfully launches latest GLONASS-M mission, September 21, 2017

2017/09/22 00:02 UTC, GLONASS-M衛星 (Kosmos-2522, GLONASS-M No.52S), ロシア プレセツク宇宙基地よりSoyuz 2-1Bロケットで打ち上げ成功。GLONASS衛星としては昨年5/29のGLONASS-M衛星打ち上げ以来。次の打ち上げは未定。SpaceFilghtNow、及びIACによると、新しい衛星は、2006/12/25に打ち上げられたGLONASS-M衛星 (プレーン2, スロット10) を置き換える予定とのこと。(ロシアの衛星番号はKosmos-2521という報道もあり、まだ少し混乱している)

補足: やはりKosmos-2522が正式の様。NORAD Catalog Noは42939, International Designatorは17055A。最新のTLEは以下。(9/26追記)

1 42939U 17055A   17268.45983574 -.00000014  00000-0  00000-0 0  9990
2 42939  64.8109 301.5044 0006617 269.2100 170.2307  2.12962572    77

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2017/09/22

日本測地学会第128回講演会, 2017年10月4〜6日, 瑞浪市総合文化センター

今年の坪井賞個人賞は地理院 宗包さん、受賞対象は「キネマティックGNSS時系列に含まれる微小信号の抽出」。確か三宅島噴火の地殻変動解析でRTKLIB使って頂いていたはず。科学的に重要な成果に少しでも寄与できたことは、ツール開発者にとって、とても励みになる。

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QZSS, センチメータ級測位補強サービス・試験サービスの変更について, 2017年9月22日

祝、初のMADOCA-PPPの配信。第6バイトがメッセージタイプIDで、そのうち上位3bitがベンダID、001ならMADOCA (IS-QZSS-L6-001, 4.2.2.1参照)。受信機はこれ。なお、QZS-1 L6D (PRN193) は、9/14から旧JAXA MADOCA-PPPを配信していたが、9:00 JST過ぎに、CLASに切り替わった様だ。ただしアラートは立ったまま。またPRN193とPRN194のCLASの内容は異なる。NAQUも発行されていない。QZS-3のL6 (PRN199, 209) はまだ信号を送信していない様だ。

2017-09-22, 00:13:47 UTC, PRN204, L6E
1ACFFC1DCC3034D661EBD0B05AB62A000000AFFDF18E3F508000000000000000000000000000000000000000000000000000
0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
000000000000000000000000000000000000CC5111FDE7CD2EDA19145381BA81F65ED7450B59F1A5362BF11752DD2438CCBB

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2017/09/19

@Press, ライトハウス、世界初となる準天頂衛星のセンチメータ級 測位補強サービス信号 (L6DおよびL6E信号) の受信に成功, 2017年9月19日

とりあえず、貼っておく。

補足: 9/11に書いたQZS-3初信号確認も、この受信機によるもの。知る限り、QZS-3の信号受信も世界初のはず。(9/22追記)

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2017/09/16

QZSS, みちびき2号機による「試験サービス」の開始について, 2017年09月15日

祝、センチメータ級測位補強「試験サービス」開始。開始は2017/09/15 09:30 UTC (NAQU2017075)。

以下の様に現時点でQZS-2のL6D信号のアラートフラグ (第7バイト最上位ビット) は解除され、メッセージタイプIDはCLASとなっている。なお、QZS-1のL6D (PRN193) は、引き続きアラートが立ったまま旧JAXA MADOCA-PPP、QZS-2のL6E (PRN204) は無効値が送信されている。QZS-3のL6D, E (PRN199, 209) は共に信号は送信されていない。

2017-09-16, 08:00:01 UTC, PRN194, L6D
1ACFFC1DC2B006FA0000000FE0C07F0004F90003F800007F80000F0002080000407E81FE0FFB02000010207F80000DFA0207
F800207F01000CF80407F000207E0200110102040800607F010013FD02001000404001FE16F604040800207F02FE12040208
0000207F8102150002040800207F810019010207F81FE04001001A0002040010004001001C020204001FE00001001C040204
001FE07F810020040007F81FFFC0010021080000000FE03F81002508FE07F81FDFBF8000250BFE00000FFFFF0100290BFC03
F80FBF3F80FFFD3201EAA71AFC2040DD600F53F0027B295F4CBAAA34CE5BEC1E73B3E88B19FEB1FE6AB9D19D23D220671B75

補足: もしかすると、QZSS公式では2017/3/28がセンチメータ級測位補強「試験サービス」開始なのかもしれないが、前から書いている様に正規メッセージではないし、アラートも立てたままだったので、実質的には昨日が「試験サービス」開始と言っていいと思う。これでやっとL6受信機の試験がまともに始められることになる。(18:05追記)

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2017/09/14

QZSS, センチメータ級測位補強サービス・試験サービスの停止について, 2017年9月4日

「9月14日午前9時から「試験サービス」を再開」とあるが、今朝の段階ではQZS-1のL6 (L6D, PRN193) はCLASから、再度旧JAXA MADOCA-PPPに切り替わった様だ。QZS-2はL6D (PRN194), L6E (PRN204) 共に引き続きCLAS。全てアラートフラグは立ったまま。NAQUも発行されていない。QZS-3からはまだL6信号 (PRN199, 209) は放送されていない。

補足: 参照。メッセージタイプ0x0Cって、IS-QZSS-L6 Draftに不整合だし、L6DでMADOCA送るって規定も、どこにもないので、「試験サービス」として妥当とは言えない。L6については色々と事情があるのは了解しているが、利用者のためにもうすこしちゃんと情報公開をして欲しい。センチメータ皆期待していると思うので。(10:24追記)

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2017/09/11

QZS-3の初信号 (L1C/A, PRN199) を確認。送信開始は2017/9/10 18:00 JST頃。受信機は秘密。

なお、予想通り、u-blox M8T (F/W 3.01) では受信できていない。もし市販の受信機でQZS-3の信号を受信できた方は情報を頂けるとありがたい。

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2017/09/08

Google Play, Geo++ RINEX Logger

OSQZSSさん紹介の情報から。Geo++謹製のAndroid GNSSロガー+RINEXコンバータ。サンプル見ると搬送波位相がでてるんだけど、これ説明にあるNexus 9の出力 ?

追加情報 (1)(2)。同じNexus 9でもLTE版とWi-Fi版でGNSSチップが違うのか...。ちょっと散財するには、リスク高すぎ。QZSSに対応していると言われているスナドラ835のスマホ欲しいんだけど、まだ出たばかりで皆高いのよね。

補足: おっと、HUAWEI Mate9でphaseとれるんだ (参照)。でも衛星系はGPS+GLOのみなのかな。これ見ると、SoCはKirin960で、"GPS/AGPS/Glonass/Beidou/Galileo" とあるけど。とりえず、誰かこれでRINEX出力させて、RTKPOSTと近くの電子基準点データで、後処理基線解析して、精度評価してほしい。(21:19)

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2017/09/07

Huffpost, NECが5億円支払いへ 観測衛星「ひとみ」失敗はプログラムミスだった, 2017年9月5日

ASTRO-H。衛星300億円位のはずなので5億円は雀の涙だが...。しかし、原因は「プログラムミス」だっけ? ということで、調査報告書。これざっと読むと、障害原因は複合事象ではあるが、致命的なのは「不適切なパラメータ設定」(RCS制御パラメータ生成時に入力を誤り、シミュレーションでも検証しなかった) であり、あきらかに「プログラムミス」(すなわちバグ) ではない。ほぼ、ISAS側が悪い気がするが、まあ機器設計に一部問題があった様で、NEC側に責任なしとは言えないので、両者、雀の涙で手を打ったという風に見える。

補足: 「費用は日本だけで、打ち上げも含め310億円」(参照) とのこと。衛星には他国のミッション機器も積んでいたので、実際はもっとか。この日経の記事、よくまとまっていると思うけど、調査報告書によると「原因はシステムの不具合」というのは問題の本質をついていない。(22:03追記)

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Newsweek, Sun unleashes biggest solar flare for over a decade causing radio blackout, September 7, 2017

2017/09/06 12:02 UTCに、過去12年間で最大の太陽フレア (X9.3) が発生。無線通信障害、GNSS測位への影響等が懸念されている。

X9.3がどれくらいの大きさかは、例えばこれ参照。過去1996年以降観測された最大の太陽フレアは、2003/11/04に発生したX28.0。今回の太陽フレアは観測されたこの中では8番目。参考: NOAANICT。今晩か明日の夜は、日本上空でもオーロラが見えるかも (参考)。

補足: NICT発表、発生時刻が少しずれているが、Newsweekはピーク時刻、NICTは開始時刻なのかも。(21:15追記)

再補足: 上記参照のリストは1996年以降に観測されたものだったので記述修正。今回のフレアの規模は、1975年以降だと27番目とのこと (参照)。頻度的には1-2年に1度クラスのものなので、それ程大騒ぎするほどのものではない。(9/8追記)

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QZSS, センチメータ級測位補強サービス・試験サービスの停止について, 2017年9月4日

今朝の段階でQZS-1からの旧JAXA MADOCA-PPP配信は停止し、新しい補正情報に切り替わったようだ。以下メッセージダンプ。message type IDが0x0C (旧JAXA MADOCA-PPP) から0xBB (CLAS, Kobe, others) に切り替わっていることが分かる。当初の予定より相当に遅れたが、やっとCLASの試験配信が始まる様だ。なお、QZS-2からはずいぶん前にCLASの試験配信が始まっている。早くMADOCA-PPPの配信も始めて欲しい。

2017-09-06 23:59:59 UTC, PRN193, L6D
1ACFFC1DC10CAA3079EB5099518044A00000F820058905FF82507FF9FE0BFF3C20DFFDD38E000F6900062513FF8BD1400024
96012F7980009D9A011A99C00D7A9FFF798200019B23FEFFF24016C1A7FF851A80044E2A00C732DFEB562E00038B0038EC32
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2017-09-07 00:00:02 UTC, PRN193, L6D
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2017/09/03

NASASpaceFlight.com, Indian PSLV launch with IRNSS replacement satellite suffers apparent failure, August 30, 2017

2017/08/30 13:30 UTC、IRNSS (NavIC) 衛星8号機 (IRNSS-1H) がインド サティシュ・ダワン宇宙センターからPSLVロケットで打ち上げられたが、予定軌道へ投入できず、打ち上げ失敗。失敗の直接の原因は、PSLVロケット2段エンジン点火前に行われるはずのペイロードフェアリングまたは"heat shield"の分離が、何らかの原因で実行されなかったため。
IRNSS-1H衛星は予備衛星として、現在中心経度東経55度のIGSO軌道にある、IRNSS-1A衛星を置き換える予定だった。IRNSS-1A衛星は2013年7月に打ち上げられたが、2016年に最初の搭載原子時計が故障、その後半年間に残り2機の原子時計も相次いで故障し、高精度航法信号の送信が不可能となっていた。故障した原子時計はスイスSpectraTime社製で、Galileo衛星にも同社のルビジウム原子時計が搭載されている。打ち上げ失敗したIRNSS-1H衛星にはこの改良版の原子時計が搭載されていた。
次のIRNSS-1I衛星の打ち上げは今年後半に予定されていたが、今回の打ち上げ失敗の影響を受けて日程は流動的。

補足: ロケットは最後までちゃんと燃焼して、衛星 (を含むフェアリング) を分離したが、どうも衛星自体は分離できなかったフェアリング内で漂っているらしい。"... the satellite moving around inside what was an unintentional fairing prison"。予定よりかなり低いが一応軌道投入はされたみたいなので、なんとかフェアリングを爆破 (どうやって?) して、衛星搭載のロケットモータで軌道上げて、とは行かないんでしょうね。(19:13追記)

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2017/09/02

Instock Wirelessの新しい超小型2PスプリッタGPSL10 (左、右はGPS210)。ホントに小さい。価格は$54.99也 (+送料+税) 。日本で一般に手に入るスプリッタは皆、大きく、重く、かつ高い (参照) ので、お勧め。この倍のサイズで4Pのスプリッタが欲しい。

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9月になり、QZS-3の試験信号送信がそろそろ始りそうだが、8/19に書いた様に (L1C/A) PRNは199となるので、既存の受信機でこの信号を受信するのは難しいかも。これは旧IS-QZSSではPRNとして193〜197しか定義されていないので、"all-in-view" 受信機であっても198〜202は信号探索しないと思われるため。といっても、探索範囲を広げるだけなので、F/W更新可能な受信機はバージョンアップで対応する可能性は高いが。ちなみに、QZS-2からは一時、(試験用に) PRN198の信号が送信されていたが、u-blox M8T (F/W v.3.01) では受信できなかった。(信号確認はSDRで実施)

ということで、残念ながら、当分の間、スマホを含む市販受信機でQZS-3の信号を受けるのは難しそうである。(もし、QZS-3の信号を受信できる受信機があった場合、教えて頂けるとありがたい)

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〜2017/08/31


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